解説:胃潰瘍穿孔図1(カーソルを画像の上に持ってくると図示します) |
前腹壁下に異常ガス(腹腔内遊離ガス)があり、腹水と相まって液面形成(図1、図2)している。遊離ガスが上腹部に多く分布しているので、まず胃と十二指腸を確認する。胃前庭部には深掘れ潰瘍を疑う液面形成(図3)があり、胃壁の肥厚(図4)も見られることから胃潰瘍の遊離穿孔と考えた。前庭部周囲(図5)や胃結腸間膜部(図6)には炎症波及による脂肪織不整がある。
骨盤部の腹水(図7)。
十二指腸球部や胆嚢周囲にも脂肪織不整があるが主病変は胃前庭部である。S状結腸は虚脱しているのみで異常は指摘できない。
腹部身体所見と全身状態から保存的治療を選択した(冠状断再構成CT像:図8)。
穿孔性胃潰瘍。
内科的治療を継続したが最終的には胃亜全摘術を行い良性潰瘍であった(図9)。
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