基礎から学ぶ生物学・細胞生物学 第4版
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基礎から学ぶ生物学・細胞生物学 第4版

  • 和田 勝/著,髙田耕司/編集協力
  • 2020年10月15日発行
  • B5判
  • 349ページ
  • 付録:章末問題と解答,Supplemental Data
  • ISBN 9784758121088
  • 定価:3,520円(本体3,200円+税)
  • 発行済
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メンデルによって,生物の形や色といった形質は,要素(遺伝子)によって親の代から子の代へ伝えられていくことが明らかになった.その後,細胞分裂時の染色体の挙動から,遺伝子は染色体上に乗っていると推定された.さらに,モーガンらの研究によって,遺伝子は染色体上に線状に配列していることがわかったが,遺伝子の実体はなかなかわからなかった.

一方,DNAはこれらの研究とは関係なく,核に含まれる化学物質として抽出され,DNAは4種類のヌクレオチドが鎖状につながった分子であることが明らかになる.タンパク質を構成するアミノ酸は20種,DNAを構成するヌクレオチドは4種なので,数の多いタンパク質が遺伝の暗号の候補だと漠然と考えられていたが,遺伝子はタンパク質であるという考えを覆す実験が行われ,DNAこそが遺伝子の実体であることが明らかになる.…

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大学・専門学校で初めて生物学を学ぶ人向けの定番教科書.免疫,神経,発生の章を中心に,さらに理解しやすい内容に改訂.復習に役立つ章末問題や,紙でαヘリックスをつくるなど手を動かして学ぶ演習も充実.

目次

第4版の序

第3版の序

第2版の序

初版の序

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生物史年表―本書に登場する人物

用語の異同について

序章 はじめに

1.科学とは何か?

❶科学とは
❷法則と理論

2.生物学とは,生物学の方法

❶生物学とは
❷生物学は特殊だった?
❸仮説を立てるために
❹観察のための道具

1章 生物学の基本

1.地球上には多様な生物が生息している

❶人は区別する
❷名前をつける

2.神の栄光のために生物を分類する

❶リンネの自然の体系
❷リンネの考え方
❸分類学の基礎

3.進化論の登場(神の退場)

❶ダーウィン以前
❷ダーウィンが考えたこと
❸進化論その後

4.地球上の生物に共通すること①(細胞説)

❶細胞説の前夜
❷細胞説

5.地球上の生物に共通すること②(メンデルの遺伝の法則)

❶メンデル以前
❷メンデルの行った実験
❸メンデルの遺伝の法則
❹見かけ上,メンデルの法則があてはまらない例
❺メンデルの法則その後

6.生物体のつくりと階層性

❶細胞,組織,器官,器官系
❷生物界の階層性
❸細胞が基本

章末問題

演習① データを数量的に扱い,統計処理をしてみよう

2章 細胞のプロフィール

1.光学顕微鏡と電子顕微鏡の発明

2.細胞には多様な横顔がある

❶多様な細胞の形
❷細胞の概観

3.細胞を構成している物質

❶水の性質
❷モノマーとポリマー
❸タンパク質
❹核酸
❺糖質
❻脂質

4.細胞小器官の構造と機能

❶核
❷小胞体とリボソーム
❸ゴルジ装置
❹ミトコンドリア
❺葉緑体
❻細胞骨格
❼リソソーム,ペルオキシソーム

5.細胞を取り巻く細胞膜の構造と機能

❶細胞膜の構造
❷細胞膜の機能

章末問題

演習② タンパク質をデータベースで調べ,パソコンで描いてみよう

3章 何が細胞の形や機能を決めているか

1.形質を決めているものを求めて

❶DNAの発見
❷染色体地図
❸遺伝子はタンパク質をコードしている
❹遺伝子の本体はDNAだ

2.遺伝子としてのDNA

❶DNAの化学的性質の研究
❷ワトソン-クリックのモデル
❸遺伝の暗号はどう解読されたか

3.DNAからタンパク質へ①(転写)

❶転写の過程
❷リボソームとtRNA

4.DNAからタンパク質へ②(翻訳)

❶リボソーム表面上にあるさまざまな結合部位
❷翻訳の過程
❸合成されたタンパク質の行方

5.タンパク質の構造と機能(形と機能の裏腹な関係)

❶ヘモグロビンの形
❷ヘモグロビンのはたらき
❸ヘモグロビンの変異

章末問題

演習③ タンパク質の二次構造をつくってみよう

4章 細胞が生きて活動していくために

1.何をするにもエネルギー(ATPの産生)

❶ATPって何?
❷エネルギー獲得の概観
❸解糖はサイトソルで
❹解糖の過程を動かし続けるために
❺ミトコンドリア内で営まれる効率的なエネルギー生産

2.葉緑体による光エネルギーの固定

❶グルコース産生は燃焼の逆反応?
❷光電子伝達系
❸炭素同化反応
❹太陽の恵みと動物と植物の深い関係

3.代謝経路のネットワーク

❶代謝経路とは
❷酵素タンパク質
❸補酵素の必要な酵素
❹タンパク質以外の物質の合成
❺代謝の調節
❻代謝経路のネットワーク

章末問題

5章 タンパク質が細胞のさまざまな活動を担う

1.タンパク質のさまざまな機能(酵素,運搬,ホルモン,受容体,細胞骨格)

❶膜輸送タンパク質
❷ホルモンタンパク質
❸受容体タンパク質

2.細胞は動く

❶アクチンフィラメント
❷微小管
❸筋収縮

3.タンパク質はDNAへはたらきかける

❶オペロン説
❷真核生物の場合

4.細胞膜に埋め込まれた膜タンパク質の重要な機能

❶細胞膜の構造
❷グルコーストランスポーターとアクアポリン
❸接着タンパク質

章末問題

演習④ ヒトとチンパンジーのタンパク質を比較してみよう

6章 多細胞生物への道①(細胞間の情報交換)

1.細胞は集まって

❶細胞同士の付き合い方―多細胞生物の場合は
❷細胞間の結合の役割

2.細胞間の情報交換の方式

3.ホルモンと受容体で情報を伝える

❶信号分子としてのホルモン
❷水溶性ホルモン受容体の種類
❸Gタンパク質共役型受容体の場合―グルカゴンが作用するしくみ
❹酵素共役型受容体の場合―インスリンが作用するしくみ
❺骨格筋における代謝―受容体の有無による作用の違い
❻もう1つのGタンパク質共役型受容体(IP3-Ca2+系)

4.信号分子による転写の調節(細胞外から遺伝子への情報伝達)

❶ステロイドホルモンと受容体
❷ステロイドホルモン受容体複合体は遺伝子の転写を制御
❸ステロイドホルモンの作用のしかた

5.イオンチャネル連結型受容体を介した情報伝達

❶神経系による情報伝達
❷アセチルコリン受容体

章末問題

演習⑤ インスリンと血糖値の変動をグラフ化してみよう

7章 多細胞生物への道②(細胞の数を増やす)

1.DNAの複製

❶細胞の数を増やす
❷DNAはどのように複製されるのか
❸DNA複製の過程

2.細胞周期と体細胞分裂

❶細胞周期
❷体細胞分裂の過程

3.細胞周期の調節

❶チェックポイント
❷サイクリン依存性キナーゼとサイクリンの発見

4.突然変異とDNA修復機構

❶突然変異
❷突然変異が起こる原因
❸DNAの誤りを正す

章末問題

8章 多細胞生物への道③(個体の数を増やす・発生と分化)

1.減数分裂(次の世代をつくるために)

❶生殖と繁殖
❷減数分裂とは
❸減数分裂の過程
❹減数分裂による遺伝的多様性

2.生殖細胞の形成

❶性とは
❷精子形成
❸卵形成

3.受精

❶先体反応
❷多精拒否機構
❸卵の賦活(活性化)

4.初期発生と器官形成

❶発生とは
❷ウニの初期発生
❸カエルの初期発生
❹鳥類の初期発生
❺哺乳類の初期発生
❻器官形成

5.始原生殖細胞と性分化

❶極細胞,始原生殖細胞
❷生殖腺へ

6.細胞間のコミュニケーションによる分化のしくみ

❶誘導・分化・拘束
❷種によって異なる卵での指定の時期
❸体軸の決定
❹ホメオボックス

章末問題

演習⑥ 体細胞分裂と減数分裂を体感してみよう

9章 個体を守る免疫のシステム

1.病原体から身を守る

2.植物の生体防御機構

❶植物の第一防衛ライン
❷植物の第二防衛ライン

3.無脊椎動物の生体防御機構

❶無脊椎動物の第一防衛ライン
❷無脊椎動物の第二防衛ライン

4.ヒトの生体防御機構(第一防衛ライン)

5.ヒトの第二防衛ライン(自然免疫)

❶血球細胞の種類
❷免疫にかかわる膜タンパク質
❸貪食細胞の活躍
❹貪食と並行して起こること
❺ナチュラルキラー細胞の活躍

6.ヒトの第三防衛ライン(獲得免疫)

❶第二防衛ラインから第三防衛ラインへの橋渡し
❷獲得免疫の概要
❸獲得免疫にはリンパ球が関与する
❹リンパ系器官
❺免疫応答

7.抗体による攻撃(体液性免疫)

❶抗体分子の構造
❷抗体には種類がある
❸抗原とは
❹抗体の多様性はどうして生ずるか

8.細胞傷害性T細胞による攻撃(細胞性免疫)

❶MHCタンパク質
❷細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)
❸T細胞受容体

9.免疫機能の制御と記憶,訓練など

❶ヘルパーT細胞は獲得免疫の司令塔
❷記憶細胞
❸胸腺での訓練
❹免疫グロブリンスーパーファミリー

10.もう1つの獲得免疫

章末問題

10章 生きること,死ぬこと(細胞の再生と死,個体の死)

1.細胞の再生

❶細胞再生の違いによる細胞の分類
❷幹細胞による細胞再生系
❸分化した細胞
❹細胞分裂に限りはあるのか

2.細胞が死ぬとき

❶ネクローシスとアポトーシスの違い
❷アポトーシスの起こるとき
❸アポトーシスの共通経路
❹アポトーシスの引き金

3.老化・寿命と遺伝子の関係

❶ヒトの老化は規格外?
❷早老症
❸再び老化とは

4.がんを含むさまざまな病気とその原因

❶病気の定義
❷遺伝子の変異による病気
❸病原体による病気
❹がん
❺その他の病気

章末問題

11章 個体としてのまとまり(外部環境を認識し,内部環境を調節する)

1.内部環境を一定に

❶外部環境と内部環境
❷ホメオスタシスの機構
❸制御中枢の必要性

2.制御中枢による情報の処理と調節

❶ニューロン
❷ニューロンのはたらき
❸グリア細胞
❹神経系の発達
❺内分泌系の中枢

3.動物の行動

❶生まれつき備わった行動
❷学習や知能によって獲得される行動

4.感覚器官と感覚の受容

❶感覚の種類
❷機械的刺激の変換
❸化学的刺激の変換

章末問題

演習⑦ 静止電位と活動電位を描いてみよう

12章 生物の進化と多様性

1.個体の生きる場所(多様な環境に適応して生きる)

❶多様な生物を支える多様な生態圏
❷個体群密度

2.進化と多様性の創出

❶進化は個体群で起こる
❷ハーディー-ワインベルグの法則
❸実際の個体群は遺伝子平衡ではない
❹ランダムな変異を方向づける
❺中立的な突然変異と遺伝的浮動
❻漸進説,種分化,小進化
❼断続平衡説,大進化

3.地球上の生物多様性を守るために

❶なぜ生物の多様性か
❷生物の多様性とは
❸生物多様性消失の要因と多様性の保全

章末問題

演習⑧ 成長曲線を描いてみよう
演習⑨ 分子系統樹を描いてみよう

参考図書&Further readings

索引

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