いつもの服薬指導が劇的に変わる!添付文書の本当の読み方 統計学×臨床論文でここまでわかる

  • 湧井宣行/著
  • 2024年04月26日発行
  • B5判
  • 303ページ
  • ISBN 9784758109499
  • 定価:4,180円(本体3,800円+税)
  • 発行済
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「どのくらいで効き始めるの?」「副作用の強さは?」と聞かれて困ったことはありませんか?本書は,添付文書だけではわからない情報を,統計学と臨床論文から読み解く方法を伝授します.いつもの服薬指導が劇的に変わります!

目次

R, RStudioの基本的な使い方

第1部 臨床論文を理解するための統計学

第1章 臨床論文を読むうえでの生物統計の基礎

1 生物統計学の概念

1 母集団と標本
2 統計的推測の手法

2 統計で使われる用語の確認

1 正規分布:左右対称性をもつ連続分布
2 データの代表値となる統計量
[コラム] 臨床現場における平均値の活用

3 仮説検定;逆説を否定することで仮説を証明する

1 P値と有意水準
2 検定における誤り

第2章 各種検定法の特徴

1 パラメトリック検定とノンパラメトリック検定

1 2つ以上の「変数」を利用した分析とそのアプローチ
2 2つの変数を組み合わせて分析するポイント
[コラム] 変数の尺度について

2 条件によって使用する検定手法が選択できるようになろう

■ パラメトリック検定とノンパラメトリック検定の選び方
[コラム] 対応のあるt検定と対応のないt検定
すべてのデータをノンパラメトリック検定で解析してはダメ?

3 2群の検定・3群以上の検定

1 2 群の検定
2 3 群以上の検定~多重比較検定法(post-hoc test)
[コラム] Steel法とSteel-Dwass法
分散分析と多重比較検定法

第3章 回帰分析

1 単回帰分析

[コラム] 回帰直線を求めるために用いられる最小二乗法とは?

2 重回帰分析

[コラム] 臨床試験における多変量解析の目的

3 ロジスティック回帰分析

[コラム] データから予測することの重要性:チャレンジャー号事故の教訓

第4章 生存時間解析法

カプランマイヤー法

1 生存時間解析の概念
2 カプランマイヤー曲線を作成する
[コラム] 生存時間解析

第5章 リスク比,オッズ比,ハザード比

1 リスク比(RR)

1 リスク
2 リスク比(RR:risk ratio)
3 リスクを用いた効果指標

2 オッズ比(OR)

1 オッズ
2 オッズ比(OR:odds ratio)
[コラム] 信頼区間とは?

3 ハザード比(HR)

第6章 臨床論文を正しく読むために

1 臨床試験の基礎知識

1 ランダム割付(無作為割付)
2 二重盲検試験
3 解析対象集団
4 臨床試験における選択基準(適格基準)と除外基準
5 研究をデザインするとは何か
6 評価項目(エンドポイント)
7 ランダム化後の対照群との比較
8 優越性試験,非劣性試験,同等性試験の違いと考え方
9 臨床研究におけるエビデンスレベル

2 EBMの概念とPICOの実施

1 EBMの概念
2 PICOの実施
3 臨床論文の読解における役割

3 CONSORTチェックリスト

第2部 添付文書の根拠がわかる臨床論文

第1章 がん

● アパルタミド(アーリーダ®錠)
Smith MR, et al:N Engl J Med, 378:1408-1418, 2018

[コラム] 前立腺がんとPSAの関係
去勢抵抗性前立腺がん(CRPC:castration resistant prostate cancer)とは?
サブグループ解析とその注意点
人口統計学的特性とは?
ベースライン特性とは?
探索的評価項目とは?
臨床試験におけるQOLの評価:EQ-5D-3LとFACT-P

● アナモレリン(エドルミズ®錠)
Katakami N, et al:Cancer, 124:606-616, 2018

[コラム] がん栄養療法におけるグレリンへの期待
サンプルサイズ(症例数)設計の考え方
層別ランダム割付とは?
臨床試験で頻用される共分散分析(ANCOVA:analysis of covariance)とは?

第2章 高血圧症

● エサキセレノン(ミネブロ®錠)
Ito S, et al:Hypertension, 75:51-58, 2020

[コラム] ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)の有効性
ランダム化比較試験で実施されるランダム化の方法
ウォッシュアウトとは?

● サクビトリル/バルサルタン(エンレスト®錠)
Rakugi H, et al:Hypertens Res, 45:824-833, 2022

[コラム] 日本で最も使用されている高血圧治療薬:アムロジピンの効果
ランダム化前のプラセボ投与の導入期間の目的とは?
臨床試験における外的妥当性の評価

第3章 糖尿病

● セマグルチド(リベルサス®錠)
Yamada Y, et al:Lancet Diabetes Endocrinol, 8:377-391, 2020

[コラム] 漸増投与とは?
混合効果モデル

● グルカゴン(バクスミー®点鼻粉末剤)
Matsuhisa M, et al:Diabetes Obes Metab, 22:1167-1175, 2020

[コラム] 低血糖時に点鼻で処置する国内初の医薬品:バクスミー®点鼻粉末剤
臨床試験で実施される安全性解析とは?

第4章 心疾患

● イバブラジン(コララン®錠)
Tsutsui H, et al:Circ J, 83:2049-2060, 2019

[コラム] 心不全の薬物治療
心不全の重症度の評価:NYHA心機能分類
LVEFとは?

第5章 脳血管障害

● エドキサバン(リクシアナ®錠)
Giugliano RP, et al:N Engl J Med, 369:2093-2104, 2013

[コラム] 直接経口抗凝固薬(DOAC)の種類とその選択

第6章 精神神経疾患

● レンボレキサント(デエビゴ®錠)
Kärppä, M, et al:Sleep, 43:1-11, 2020

[コラム] デエビゴ®錠開発の背景
Cochran-Mantel-Haenszel検定(CMH検定)
対数変換とは?
最小二乗幾何平均とは?

● ナルメフェン(セリンクロ®錠)
Miyata H, et al:Psychiatry Clin Neurosci, 73:697-706, 2019

[コラム] アルコール依存症治療薬の特徴
事後解析とは?
臨床試験のモデル式に含まれる固定効果と交互作用とは?
臨床論文で頻用されるくり返し測定の混合効果モデルを用いた解析法と最小二乗平均とは?

● ルラシドン(ラツーダ®錠)
Iyo M, et al:Psychiatry Clin Neurosci, 75:227–235, 2021

[コラム] 陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)
医療従事者が知るべき身近な疾患:統合失調症
くり返し測定とは?
Cohenのdとは?
臨床試験における効果量の役割

第7章 免疫アレルギー疾患

● デルゴシチニブ(コレクチム®軟膏0.5%)
Nakagawa H, et al:J Am Acad Dermatol, 82:823-831, 2020

[コラム] アトピー性皮膚炎における外用薬の位置づけ
皮膚疾患の評価尺度:mEASI,IGA,そう痒NRS
オープンラベル試験とは?
P値の記載方法

● ジファミラスト(モイゼルト®軟膏1%)
Saeki H, et al:J Am Acad Dermatol, 86:607-614, 2022

[コラム] 1%,0.3% 2つの規格の違いは?
層別因子
臨床試験に用いられる評価尺度

● ルパタジン(ルパフィン®錠)
Okubo K, et al:Allergol Int, 68:207-215, 2019

[コラム] T4NSS:total4 nasal symptom score, 総鼻症状スコア
抗ヒスタミン薬の効果や有害事象の違いは?

第8章 感染症

● ポサコナゾール(ノクサフィル®錠)
Cornely OA, et al:N Engl J Med, 356:348-359, 2007

[コラム] 好中球減少患者に対するポサコナゾールの投与

● アメナメビル(アメナリーフ®錠)
Kawashima M, et al:J Dermatol, 44:1219-1227, 2017

[コラム] 帯状疱疹の注意事項と50歳を過ぎてからのワクチン接種の有効性

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