レジデントノート増刊 Vol.18 No.14

救急・病棟での悩み解決!高齢者診療で研修医が困る疑問を集めました。

  • 関口健二,許 智栄/編
  • 2016年11月18日発行
  • B5判
  • 222ページ
  • ISBN 978-4-7581-1579-7
  • 定価:4,950円(本体4,500円+税)
  • 在庫:あり
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高齢者診療でぶつかる疑問の答えが必ず見つかります!基礎疾患がある,内服薬が多いなどの高齢者ならではの問題にどう対処すべきかを,現場でよく出会う場面ごとに解説!研修後にも必ず役立つ一冊です.

目次

序【許 智栄,関口健二】

Color Atlas

第1章 総論:高齢者診療のキホンを教えてください

1.高齢者の全体像をとらえる【関口健二】

1. 目の前の高齢患者のゴールは何か,常に自問する
2. 高齢者の機能障害を病名(病態)として理解する
3. 評価を難しくしている障害(コミュニケーションバリア)につまずくな,障害を同定してそこから回避する
4. スクリーニングツールを有効に使う
5. 「高齢者」を意識したプロブレムリストを立てる

2.高齢者特有の問題を理解する【狩野惠彦】

1. 高齢患者の特徴
2. 「フレイル」な高齢者
3. 老年症候群
4. 高齢患者へのアプローチ
5. 高齢者システムレビュー(geriatric review of system)

3.アドバンス・ケア・プラニング(ACP)をはじめよう!【許 智栄】

1. まずはACPについて知ろう
2. ACPをはじめるタイミング
3. ACPをはじめよう!
4. ACPは総合診療医の必須スキル

第2章 救急外来で困るあれこれ

1.ERですばやく患者把握するには?【許 智栄】

1. 高齢救急患者の評価に潜む危険
2. ERでの高齢患者の評価
3. 連携が大切

2.その救急外来の患者さん,どこまでの医療介入をすべき? ①救急医の立場から【太田 凡】

1. CPA症例から学ぶ
2. 肺炎からの敗血症性ショックが疑われる症例から学ぶ

②高齢者救急にかかわる救急医の立場から【岩田充永】

1. 高齢者の救急症例にどのように対応すべきか?
2. 医師の使命と臨床倫理

3.「元気がない」はどこまで検索する?【小野咲弥子,関口健二】

ステップ1. 「元気がない」を解剖しよう!
ステップ2. onset(発症)とprogression(経過)を把握する
ステップ3. 絞り込めなければ,疾患群にフォーカスを移す
ステップ4. 薬剤の可能性を必ず一度は考える
ステップ5. 鑑別診断を想定しながら身体診察・検査を行う
ステップ6. それでも病態が絞り込めないとき

4.熱源はどこまで検索する?【山田直樹】

1. 発熱精査はこれからはqSOFAが合言葉
2. 肺炎は高齢者のお友達!?
3. 尿路感染症は高齢女性の恋人!?
4. 衣類と戦え! 皮膚軟部組織感染症
5. 発熱精査では隙だらけ! 腹腔内感染症
6. レアだが生命にかかわる細菌性髄膜炎
7. その他の生命にかかわる感染症

5.様子がおかしい(意識変容)はとりあえず頭部CT?【松岡由典】

1. 高齢者における意識変容
2. 頭蓋外疾患
3. 頭蓋内疾患:発症時期,時間経過に注目する
4. 精神科疾患:意識変容をうつ病・認知症の視点から眺める
5. 医原性:高齢者の救急受診では常に薬剤による影響を考慮する

6.この症状,もしかして薬のせい?【佐々木隆徳】

1. 高齢者を診る際には薬剤有害事象を鑑別の1つにあげておく
2. 患者が服用している薬剤を把握する
3. ハイリスク薬をリストアップする
4. 多職種チームとして患者を診る

7.その転倒の患者さん「ナートして帰宅」でよい?【百武 威】

1. 頭から血を流している=死んでしまうんじゃないかと思うものである!
2. “普通とちがう”危険性を知る!
3. 100人の怪我に100とおりの物語がある!
4. 背後に隠れた物語に耳をそばだてる!
5. 正しく虐待を疑って関係者みんなを助ける!
6. 「ナートして帰宅」にはまさしく総合診療力が必要!

8.この患者さん,帰してもいいですか?【林 恒存】

1. 帰宅許可までの手順
2. 簡便なツールなどを活用しながら,CGAの項目に沿ってざっくりと情報収集を行う
3. 現時点で予後悪化に寄与するリスクを抽出し,それぞれに具体的介入策をたてる
4. 説明用の退院時サマリーを作成し,サマリーに沿って口頭で本人・家族に説明
5. 関係者に退院時サマリーを送付し可能なら口頭でも連絡しておく

第3章 病棟で困るあれこれ

1.家族の「認知症はありません」って信頼できない?【樋口雅也】

1. 認知症って? 軽度認知機能障害とは?
2. 病棟や救急研修で認知症,MCIを知っておくことはなぜ大事?
3. 研修医には,何ができる? 具体的に何をしたらよいのか?
4. 自然歴を知る,ステージングを知るtrajectory mapping

2.入院中のADL低下は防げない?【玉井杏奈】

1. 高齢者と入院
2. ADL低下につながる危険因子
3. まずは日々の回診時に機能評価を行う
4. ADL低下を防ぐには
5. 具体的にはどうしたらよいか
◦Advanced Lecture:在宅「入院治療」は難しい!?

3.入院中の不穏にどう対処する?【樋口雅也】

1. せん妄とは?「いつもと違う」からはじめよう
2. せん妄が初期研修のキモでハイライト? あなたが患者を救う
3. せん妄に気づこう!
4. 安全確保と治療できる疾患の検索・除外,システマチックな介入
5. せん妄予防は早期介入を兼ねる
6. 脱拘束!? は可能か? 必要か?
◦Advanced Lecture:1. IA-ADAPT
◦Advanced Lecture:2. 術後せん妄
◦Advanced Lecture:3. 迷ったときは「注意力」に注目,そして…

4.「家に帰る!」と言ってきかない患者,帰してもよい?【関口健二】

1. 患者の希望をそのままとり入れてよいか?
2. 意思決定能力
3. 患者の意思決定能力を評価しよう
4. そして治療方針決定へ:shared decision making ◦Advanced Lecture:軽度認知症患者の評価

5.入院中の「意識レベルが下がっています」にどう対処する? 【野木真将】

1. 病棟での鑑別疾患は,入院後経過から推理!
2. 鑑別疾患は1(ワン)―2(ツー)―あら?
3. 低活動性せん妄ってなに?

6.入院中の転倒にどう対処する?予防はどうする? 転倒の上流と下流にも目を向けよう【小坂鎮太郎】

1. 病院における転倒とその概要
2. 転倒予防のためのスクリーニング(リスク評価)
3. 多職種による転倒予防へのアプローチ
4. 転倒発生を認めたら
5. 症例への対応

7.入院中の発熱にどう対処する?【笹澤裕樹,片山充哉】

1. 高齢者の入院中の発熱
2. 感染症での発熱
3. 非感染症での発熱

8.入院中の食欲不振にどう対処する?【鄭 真徳】

1. 高齢者に多い食欲不振の原因
2. 入院している高齢者への対応の実際

9.入院前は嚥下できていたのに,入院したら食べられなくなった? 嚥下障害の評価と介入【山村 修】

1. 嚥下障害とサルコペニア
2. 入院に伴う嚥下機能低下の原因
3. ベッドサイドでの嚥下機能評価
4. 誤嚥予防のための介入
◦Advanced Lecture:脳血管障害における「抗誤嚥薬」

10.その入院患者さん,どこまでの医療介入をすべき? 病院総合医の立場から【平岡栄治】

1. 困難な意思決定
2. 症例での4つの要素
3. アドバンス・ケア・プラニングの重要性

11.スムーズな退院支援のために知っておくべき社会・医療資源は? 【小松裕和】

1. 入院前の生活状況を早期に把握する
2. スムーズな退院支援のための病状説明
3. 退院に向けて訪問看護と薬局とうまく連携する ◦Advanced Lecture:生物心理社会モデルで退院支援を考えよう!

12.終末期に酸素や輸液って止めていいの?【金子一明】

1. 家族だけでなく医療者も終末期の輸液に対してさまざまな意見をもっている
2. 終末期の輸液に対してのガイドライン
3. 輸液には延命効果,QOL向上の効果があるとは限らない
4. 酸素投与は呼吸苦を改善させるとは一概にはいえない
5. 倫理面で悩んだら,臨床倫理の4分割法を活用しよう
6. 輸液を止めると残り時間は1,2週間程度

13.病院での望ましい看取りって?【塚原嘉子,間宮敬子】

1. 治療から看取りへの転換
2. 臨死期の患者と家族の苦痛とその対応
3. 看取り

第4章 治療はどう考える?

1.この薬,いつまで続けるの?【渡部敬之,濱口杉大】

1. 服用しているすべての薬剤を把握すること,またその服用理由についても確認すること
2. どの程度処方を減らした方がよいのか,薬剤によって引き起こされる危険性は何か,について検討 
3. 処方を中断することが妥当かどうか薬剤ごとに考えていく
4. 中断する薬剤の優先順位をつける
5. 薬剤中断プランの実行と観察

2.薬は少なければ少ないほど良い?【伊藤有紀子,許 智栄】

1. ポリファーマシー:多量の薬剤を使用している状態
2. ポリファーマシーにおけるPPOsの関係
3. PPOsを発見するには
4. 開始する際に注意すること
5. 「start low,go slow」が当てはまらない薬剤:抗菌薬
6. PPOsを減らすこと
7. 本症例に対する対応

3.がん検診っていつまでするべき?【中村奈保子,許 智栄】

1. まずはガイドラインをみてみよう
2. 高齢者にとっての検診 ◦Advanced Lecture:高齢者の予後予測

4.高齢者,どうなったら「末期」と言われるの?【伊藤真次】

1. 末期の臨床像とは?
2. 次に何ができるだろうか?

『第1章 総論:高齢者診療のキホンを教えてください』より抜粋

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−後略−

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