Gノート 2015年2月号 Vol.2 No.1

これからの時代の在宅医療をはじめよう

多職種・家族とのチームづくりから 老老介護、認知症独居などの悩ましいケースまで

  • 草場鉄周/編
  • 2015年01月30日発行
  • B5判
  • 148ページ
  • ISBN 978-4-7581-2305-1
  • 定価:2,750円(本体2,500円+税)
  • 在庫:なし
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特集にあたって(一部抜粋)

1.在宅医療の発展とその負の側面

いつから在宅医療の推進がここまで強く叫ばれるようになったのでしょうか? 15 年前に私が家庭医として働きはじめた頃,在宅医療をもちろん実施していましたが,それは特別なものではなく,外来に通えなくなった患者さんからの要望に応える形で自然に提供する日常診療の一部でした.時間あたりに診療できる患者数は限られますので,外来診療に比べると診療報酬の面で効率的とは言えないのはもちろんでしたが,お金に関係なく,継続的なケアを基盤とする家庭医としては当然提供すべき医療という考え方でした

しかし,2006 年頃より在宅医療の推進が重点的な医療政策として掲げられ,2 年ごとの診療報酬の改定では在宅医療に対する報酬がどんどん上がるようになりました.

(中略)

この政策はある程度奏功して,在宅医療を積極的に担う医療機関は都市部を中心に増えてきています.ただ,一部では在宅医療のみを専門的に展開する医療機関が,土地や建物,医療機器を必要とする一般診療所と異なって最小限の設備投資で高い収益が得られるモデルということで,もてはやされるようにもなりました.そこではややもすると外来からの継続性や患者さんや家族全体を捉える全人的なケアよりも,診療の効率性が重視される傾向があります.その一方で,患者数が少なく,診療報酬上のメリットも少ない地方や郡部では,在宅医療の普及はまだまだ遅れており,むしろ診療報酬の増加に伴い患者さんの自己負担も増えたことで敬遠されるケースもめずらしくありません.診療報酬で医療システムを変えようとするときの一種の歪みと言ってよいでしょう.

2.あるべき在宅医療への回帰

それでは在宅医療を推進するにあたり,これまで欠けていた視点は何なのでしょうか? それは,在宅医療を専門的分野と捉えるのではなく,プライマリ・ケアを形づくる1つの診療場面として捉える視点です.現在,わが国では総合診療専門医制度の創設が決まり,総合診療つまりプライマリ・ケア領域を1つの専門分野として認識し,それを担う医師の養成を推進することとなりました.早ければ,2017 年には専門教育が始まり,2020 年には第一号の総合診療専門医が誕生します.遅れていた日本のプライマリ・ケアも,総合診療専門医を軸にしながら,すでに地域で活躍する実地医家との緊密な連携のなかで,強化されていく流れが生まれつつあります.ですので,在宅医療もこうしたプライマリ・ケアのルネッサンスのなかで,もう一度その原点に立ち返り,重要なプライマリ・ケアの要素として認識される必要があります.

今回の特集では,こうした問題意識を基盤にしながら,総合診療医が担う在宅医療の在り方を多角的に学ぶためのテーマを選びました.

(後略)

経験豊富な在宅医の診療の様子をのぞいてみませんか?診療風景がみえてくる具体的な解説で,訪問時の工夫やコツがよくわかる!独居高齢者・ひきこもり患者など今後増えてくる悩ましいケースへの対応も解説します!

目次

特集

これからの時代の在宅医療をはじめよう
多職種・家族とのチームづくりから老老介護、認知症独居などの悩ましいケースまで
編集/草場鉄周
特集にあたって【草場鉄周】
地域包括ケア時代のこれからの在宅医療【飯島勝矢】
総合診療医の提供する訪問診療とは【西村真紀】
介護する家族と協働するには?【松下 明】
多職種チームによる協働12のコツ【吉村 学】
悩ましいケース(1) 老老介護家庭に対する訪問診療【和田忠志】
悩ましいケース(2) 認知症をもつ独居高齢者への訪問診療【中村琢弥】
悩ましいケース(3) ひきこもり患者への訪問診療【佐藤弘太郎】
悩ましいケース(4) 高齢者だけじゃない! 小児患者への訪問診療【富塚太郎】

interview

総合診療 十人十色
住民の1人として患者さんを診る“町医者”に【鈴木 央】

連載

どうなる日本!? こうなる医療!!
国際的基準による医学部の「分野別評価」
〜黒船がやってきた〜【北村 聖】
研修では教えてくれない! ノンテクニカルスキル
第6回 コミュニケーションスタイル 前編
~他者との違いを知ろう~【園田由紀】
医師として知っておくべき 介護・福祉のイロハ
第6回 在宅診療にかかわる保険点数の超基本
〜在宅診療は高点数,患者さんの自己負担は? これだけは押さえておきましょう〜【大橋博樹】
聞きたい! 知りたい! 薬の使い分け
第6回 神経障害性疼痛治療薬のエッセンス
〜“補助薬”なのに第一選択? 鎮痛補助薬の上手な使い方〜【江川健一郎/蔵本浩一】
誌上EBM 抄読会 診療に活かせる論文の読み方が身につきます!
第5回 末期腎不全患者は球形吸着炭を使うべきか?【米永暁彦/南郷栄秀】
Common disease診療のための ガイドライン早わかり
第6回 うつ病【森屋淳子】
知って得する! 日常診療の小ワザ・裏ワザ劇場
No.6 指先の魔術師!? 指のけがには…Part2
〜必殺! 身近な駆血帯止血法〜【林 寛之】
思い出のポートフォリオを紹介します
第6回 地域ヘルスプロモーション
~地域への取り組みを省察する〜【森 英毅/本村和久】

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  • 【本書名】Gノート:これからの時代の在宅医療をはじめよう〜多職種・家族とのチームづくりから 老老介護、認知症独居などの悩ましいケースまで
  • 【出版社名】羊土社

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第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) +780円
第2地帯(ヨーロッパ) +780円
第3地帯(アフリカ、南米) +1010円
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第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) +2000円
第2地帯(ヨーロッパ) +2200円
第3地帯(アフリカ、南米) +2400円

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interview

内容見本

総合診療 十人十色

住民の1人として患者さんを診る“町医者”に

【鈴木 央】

連載

内容見本

どうなる日本!? こうなる医療!!

国際的基準による医学部の「分野別評価」 〜黒船がやってきた〜

【北村 聖】

内容見本

研修では教えてくれない! ノンテクニカルスキル

第6回 コミュニケーションスタイル 前編 ~他者との違いを知ろう~

【園田由紀】

内容見本

医師として知っておくべき 介護・福祉のイロハ

第6回 在宅診療にかかわる保険点数の超基本〜在宅診療は高点数,患者さんの自己負担は? これだけは押さえておきましょう〜

【大橋博樹】

内容見本

聞きたい! 知りたい! 薬の使い分け

第6回 神経障害性疼痛治療薬のエッセンス 〜“補助薬”なのに第一選択? 鎮痛補助薬の上手な使い方〜

【江川健一郎/蔵本浩一】

内容見本

誌上EBM 抄読会 診療に活かせる論文の読み方が身につきます!

第5回 末期腎不全患者は球形吸着炭を使うべきか?

【植松高史/野口善令】

内容見本

Common disease診療のための ガイドライン早わかり

第5回 慢性腎臓病

【米永暁彦/南郷栄秀】

内容見本

知って得する! 日常診療の小ワザ・裏ワザ劇場

No.6 指先の魔術師!? 指のけがには… Part2 〜必殺! 身近な駆血帯止血法〜

【林 寛之】

内容見本

思い出のポートフォリオを紹介します

第6回 地域ヘルスプロモーション ~地域への取り組みを省察する〜

【森 英毅/本村和久】

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