「バーチャルスライド組織学」導入事例紹介

振り返り学習のしやすさが理解を深める.
いつでも確認できる手軽さが魅力

国立大学医学部教員

導入前の講義状況

座学と顕微鏡実習からなる講義で,実習は1人1台の顕微鏡を使って組織標本を観察.組織標本は,器官系ごとに3〜4枚程度を指定し,観察する組織/器官系により,1人1枚あるいは4人グループで1〜2枚準備.

導入した理由

COVID-19の拡大により,対面授業からオンライン授業へ変更となり,顕微鏡実習ができなくなったため導入を検討.2020年3月に「バーチャルスライド組織学」発売のお知らせを読み,まず1冊購入し内容を確認.講義担当教員で内容を確認し,実習の代わりとして使えるのではないかとの結論になり導入を決定した.

講義での使用方法

講義はすべてZoomを使って行った.私の場合は,PowerPointで,どの標本を見るのか,そこにはどんな細胞があるのか,を説明した後,あらかじめサイトにログインした状態のWebブラウザに切りかえ,バーチャルスライド(VS)の画面で先にスライド全体を説明し,徐々に拡大し,組織,細胞の説明を行った.

講義ごとに,観察したスライドのなかからスケッチを指示して課題とした.

学生の声
  • モニターに表示されるので,観察しやすく,細かい部分まで観察することができた
  • とても細かいところまで見ることができるので,観察するのがおもしろかった

本書の評価

使いやすい,良いと思った点

VSなので,同じスライドを観ることになることから,学生の振り返り学習でも組織や細胞を理解しやすいように思えた.また,講義の準備をしているときに,PCでいつでもスライドを観察できるのはよかった.

学生の声
  • 標本が同じなので,先生が説明したものと同じ視点で見ることができ,組織や細胞の同定がしやすかった
  • 手元に標本や顕微鏡がなくても,いつでも復習することができるので,理解を深めることができたのでよかった

使いにくい,改善を希望する点

スライドによっては染色があまりよくないスライドや,これまで観察対象としていた部位のスライドがないことが残念だった.

授業中は大人数がアクセスする関係から,説明時に拡大ができないあるいはすごく遅いなどの問題もあった

顕微鏡での観察だと何倍になっているのかがわかるが,バーチャルスライドだとできないので,スケールが欲しいと感じた.

※ 羊土社注:2020年9月にサーバー強化により改修

学生の声
  • 読み込みが遅くストレスを感じることがままあった
  • ピントあわせができないので,見たい部分のピントが甘いところは細かい部分が観察できなかった

来年以降の活用について

来年度は,まだ授業形式が未定なのでなんともいえないが,対面授業となっても器官,臓器によりVSも併用して実習を行うことも検討中である.

その他,医学部の声

公立大学医学部教員

Webのバーチャルスライドは,自在に,高倍率まで,高解像度に観察可能で,非常にきれいです.これに特殊染色標本が少し加わると(例えば,血管の弾性染色)完璧だと思いました.学生にとっても,自宅で復習しながらスライド標本が観察できるのは,高い教育効果につながると思います.遠隔講義に限らず,普段から,顕微鏡を用いた自ら行う観察を一部残しつつも,このテキストを用いた講義,実習とのハイブリッド学習など,新しい教育法が可能だと思います.これを利用する価値は,いろいろな側面で高いと思います.

国立大学医学部教員

解像度が高いバーチャルスライドを教員と学生が共有することで指導しやすい環境になると思いました.

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