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第7章 膝
78徒手療法
腓腹筋内側頭周囲の徒手療法
腓腹筋内側頭周囲の徒手療法
適応となる機能障害
- 膝伸展制限
- 足背屈制限
適応となる動作障害
- 立脚終期での膝伸展不足
- 立脚中期での足背屈不足
手順
- 肢 位:
- 腹臥位
- 手 順:
- 負荷量:
- 腓腹筋内側頭の圧痛が消えるまで実施する.
3分程度実施しても圧痛が残存する場合には,半膜様筋などの近接組織を狙う(第7章-79参照)
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腓腹筋内側頭起始部周囲の構造
- 腓腹筋内側頭の起始部は表層に半膜様筋,半腱様筋があり(fig1),外側には脛骨神経(fig2), その深層には関節(滑膜)に分布する中膝動脈の枝や内側下膝動脈がある(fig3).
- なお,腓腹筋内側頭の起始部には内側腱下包と呼ばれる滑液包があり(fig4),この滑液包が腓腹筋内側頭の滑走性を保持していることが推察される.
![](/yodobook/booksample_img/9784758102575/fig003.png)
![](/yodobook/booksample_img/9784758102575/fig004.png)
![](/yodobook/booksample_img/9784758102575/fig005.png)
![](/yodobook/booksample_img/9784758102575/fig006.png)
理学療法のピットフォール
1)脛骨神経の圧迫
- 過度な腓腹筋内側頭の圧迫は脛骨神経が圧迫されることによる疼痛を引き起こす可能性がある. 過度な疼痛を誘発しないように神経を避けて筋腹を触れる技術が必要になる.
2)腱下包の機能
- 腓腹筋内側頭の滑走性に対しては,表層にある半腹様筋との間の疎性結合組織にはアプローチしやすいが,腓腹筋内側頭の深層にある腱下包へのアプローチが難しい.
- 深層ほど,ゆっくりと指を入れる必要があり,表層から順次滑走性を作っていく.