5日目|4 胃
1胃の構造
消化管の最も膨らんだ部分で,食道と十二指腸の間にある.
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
2胃壁の構造
表層から順に
①漿膜(腹膜):胃の表面を包む腹膜で,大弯では大網,小弯では小網に移行する.
②筋層:浅層から順に縦筋層,輪筋層,斜線維からなる.また,輪筋層は幽門で肥厚し,幽門括約筋を形成する.
③粘膜:縦に走行する胃粘膜ヒダが多数みられる.胃粘膜ヒダは胃壁の収縮時にはみられるが,食物を
1蠕動 運動と消化
噴門から胃に入った食物は蠕動運動により,胃液と
①食物を一時的に収納して消化し,少量ずつ十二指腸へ送る.
②ガストリンにより,胃酸の分泌を促進する.
③胃酸による殺菌作用,酵素の活性化(ペプシノゲンなど),鉄のイオン化※1などを行う.
④ペプシンにより,タンパク質をポリペプチドに分解する.
⑤粘液により,胃壁を保護する.
⑥内因子により,ビタミンB12の吸収を促進する.
2胃腺とその分泌物
胃の粘膜の表面は
①副細胞:胃腺の開口部付近に多く,粘液を分泌する.胃の上皮細胞の表面を覆い,胃酸やペプシンによる障害を防ぐ.
②壁細胞:胃酸と内因子を分泌する.胃酸は塩酸ともよばれ,pHが約1前後の強酸性となっている.食物とともに胃に入った細菌を滅菌する働きをもつ.また,内因子はビタミンB12の吸収に関与している.
③主細胞:ペプシノゲン(塩酸によって分解され,ペプシンというタンパク質分解酵素になる)を分泌する.
また,幽門部には幽門腺があり,ガストリン(塩酸の分泌を刺激する)を分泌するG細胞が多数存在する.