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第3章 心エコーで心臓を観察・計測してみよう
5 心窩部断面での観察・評価
心窩部は下大静脈の描出が主体ですが,右室肥大の有無を評価するために右室壁厚の計測をする場合もあります.また,大動脈弁逆流症の重症度評価として腹部大動脈の血流速度を評価する場合や,肺気腫のように胸骨左縁から描出できない場合にも役立ちます.
また,救急の場合に仰臥位で急いで検査するときも心窩部からの観察が役立つことがあります.
1下大静脈長軸断面
2下大静脈短軸断面
- 下大静脈の径が小さい場合や観察しにくいときは短軸断面を描出して計測することも可能です(図2).
- 第2章-2の描出で説明しましたが,短軸断面で下大静脈が円形,かつ呼吸性変動が少ないときも右房圧が高いことが疑われるので,短軸断面でも確認しましょう.
3心窩部短軸断面
4心窩部4腔断面
- 下大静脈の長軸断面からプローブを時計方向に回転させながら頭側にスライドさせると4腔断面(図4)が描出できることがあります.
- 右室側壁の壁厚を拡張期に計測します.正常では5 mm未満です.右室肥大の診断には必須ですので必ず計測できるようになっておきましょう.
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やさしくわかる心エコーの当て方・見かた
- 4,620円(本体4,200円+税)
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