PT・OTビジュアルテキスト専門基礎:生理学
PT・OTビジュアルテキスト専門基礎

生理学

  • 南沢 享/編
  • 2024年12月23日発行
  • B5判
  • 335ページ
  • ISBN 978-4-7581-1440-0
  • 5,500(本体5,000円+税)
  • 在庫:あり
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第5章 からだの中の情報を伝える(神経細胞・自律神経以外の末梢神経)

志牟田 美佐
(東京慈恵会医科大学薬理学講座 講師)

  • 神経系の構成,および末梢神経の解剖学的分類と機能的分類が説明できる
  • 神経細胞(ニューロン)と神経こう細胞(グリア細胞)の関係を説明できる
  • 脊髄神経と脳神経の解剖学的および機能的特徴を説明できる

神経系は,脳と脊髄からなる中枢神経系と,中枢神経と末梢臓器をつなぐ末梢神経系からなる.神経系は神経細胞(ニューロン)と,神経細胞の支持細胞である神経膠細胞(グリア細胞)から構成される.

この章では神経系の構成細胞である神経細胞と神経膠細胞,自律神経以外の末梢神経について解説する(自律神経については第7章参照).

神経系の構成図1

  • 神経系は中枢神経系と末梢神経系に大別される.
  • 中枢神経系は,頭蓋骨で囲まれた脳(大脳,中脳,きょう,小脳,延髄)と,脊柱管内に存在する脊髄(頸髄けいずい,胸髄,腰髄,仙髄,尾髄)で構成される(詳細は第6章参照).
  • 末梢神経系は中枢神経系と末梢臓器との情報伝達を中継する神経線維の束で,脳に出入りする12対の脳神経と脊髄に出入りする31対の脊髄神経に分類される.
図1 中枢神経系と末梢神経系の構成

末梢神経系の機能的分類図2

  • 体内・体外からの情報(信号)を受容器から中枢神経系へ伝える神経を感覚神経,中枢神経系からの指令を効果器へ伝える神経を運動神経という.
  • また,中枢へ向かう神経を求心性神経(線維),中枢から末梢へ向かう神経を遠心性神経(線維)という.したがって,感覚神経は求心性神経,運動神経は遠心性神経である.
  • 皮膚などの体表や,筋および腱などの深部の感覚の情報を中枢に伝達する感覚神経と,骨格筋を支配する運動神経を体性神経とよぶ(表1).
  • 内臓の感覚を伝達する感覚神経と,不随意的に内臓や血管の平滑筋や腺,および心筋を支配する運動神経を自律神経(内臓性神経)とよぶ(表1).
図2 末梢神経系の機能的分類(情報伝達の方向性による分類)
表1 末梢神経の機能的分類(情報伝達の場所による分類)
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