読者の声
国立大学 医学部5年生
●病院実習期間の医学科5,6年生にとって、大変良いトレーニングが出来る参考書だと思う。そのように感じた理由は以下4点である
① 指導医とレジデントとの会話の中で解説が繰り広げられている。
文章の中で、指導医から「どう考えますか」などの、問いかけが沢山ある。次に書かれてあるレジデントの解答を見る前に自分なりの答えを考えておくことで、どのような着眼点や知識が足りていないかを分析できる。
② 病態のシェーマ
この参考書のイチ推しは「病態のシェーマ」である。実習では、毎度先生方から解説を受けられるわけではないため、自分の考えた患者の病態が本当にあっているのか答え合わせができない場合が多い。患者の病態について、原因、辿ってきた経過、結果(死亡)に至るまで、深くかつ詳細に考察したい学生に大変おすすめしたい。この検査値や所見にはこのような意味があったのか!と驚きの連続であった。
③ 臨床推論の練習
臨床経過から、症例の理解と鑑別・次に調べるべき事項を考えられることは、国試はもちろん、今後大変重要となってくると思う。臨床経過のページの後に、「臨床鑑別疾患および臨床学的問題点・臨床希望検索事項」の欄にて解説がまとまっている。自分1人で臨床推論出来ることが大変魅力的である。
④ 15個もの症例
勉強すべきポイントが多い患者を選択してくださっていると感じる。病院実習で学生が担当できる患者数は多くはないと思うので、より多くの実践的なトレーニングを、効率よく積みたい人におすすめである。
●病理と臨床を繋げるにおいて最適な参考書だと思う
病理写真の数がかなり多い。解説なしの病理写真と解説付きの写真が横に並べられている。解説なしの病理写真のみを見ることで、病理組織の画像を正しく読めるかどうか繰り返し確認できる。
「病理の目」という項目では最低限抑えるべき点がピックアップされており、病理医志望では無い私にとっても、病理を勉強しやすい構成となっている。正常組織と対応する形で載せてくださっているとより勉強しやすかったと感じる。