自信をもって正しく巻ける シーネ・ギプス固定手技〜事前準備から完成・患者指示まで、専門医がいなくても迷わずに対応できる!

自信をもって正しく巻ける シーネ・ギプス固定手技

事前準備から完成・患者指示まで、専門医がいなくても迷わずに対応できる!

  • 高畑智嗣/著
  • 2024年10月10日発行
  • B5判
  • 138ページ
  • ISBN 978-4-7581-2421-8
  • 4,620(本体4,200円+税)
  • 在庫:あり
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第2章 各論

§2 上肢外固定の作成
7 前腕逆シュガートング

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手技のまとめ

  • 特徴
  • 手と前腕を前後からはさむシーネで,遠位は母指〜示指間でつながっています.前後からはさむので,固定性がよいです.前腕回内外と肘屈伸ができるので,患肢を使うことができます.
  • 適応
  • 橈骨遠位端骨折,手関節捻挫,手根骨脱臼
  • 用意するもの
  • スプリント材3インチ,包帯,ハサミ,水,タオル,首から下げる場合はストッキネット2号または三角巾(巻いて帯状にして使います)
  • 助手への指示
  • 片手で患者の指先を掴んで手〜前腕を垂直に保持し,反対の手でスプリント材がズレないように保持しつつ,手関節を固定肢位で保持してもらいます.
  • 注意
  • 手背側が短くなることが多いので注意します(手背側は中手骨頭まで覆うこと).小児の橈骨遠位骨幹部骨折では上腕までの外固定が必要なので,この前腕逆シュガートングを用いてはいけません.

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完成イメージ

1出来上がり

掌側(前方)のシーネと背側(後方)のシーネが,母指〜示指間で連続した構造です.手の安定のために手背側は長く,MP関節屈曲のために手掌側は短く作ります(a).

写真の外固定は,長めに切り出したスプリント材の近位端を折り返しました.短く作るよりもはるかによいですが,掌側と背側で近位端の長さが違っているのはよくないです(b).

2出来上がり(装着)

前腕回内外と肘屈伸ができるので,手を対象物にもっていけます.手関節を軽度背屈位にすると手指が使いやすいです.母指球部を切除したので,母指でつまむことができます.包帯は母指球を避けて巻くようにします.

写真は図示のために包帯を薄く巻きましたが,実際はもっとしっかり巻いてください.

実際の手技

1患者の体位①

患者は仰臥位で,患肢の肘をベッドに接地し,助手が指先を持って手〜前腕を垂直に保持します.写真は肘が浮いていますが,ベッドに接地させる方が安定します.

2患者の体位②

患肢の痛みが軽く安定していれば,助手なしで患者は座位でも可能です.

3患者の前腕の長さを測る

前腕近位(肘窩から3 cm程度)から遠位手掌皮線までの長さ()を測り,その2倍の長さに数cm足した長さでスプリント材を切り出します(短くなるよりは,長くて余る方がよいです).

4切り出したスプリント材を合わせる

スプリント材を二つ折りにして,患肢に合わせて長さを確認します.スプリント材が長い場合は近位端を切って,長さを調節します(巻き終わりに折り曲げてもよいです).

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自信をもって正しく巻ける シーネ・ギプス固定手技〜事前準備から完成・患者指示まで、専門医がいなくても迷わずに対応できる!

自信をもって正しく巻ける シーネ・ギプス固定手技

事前準備から完成・患者指示まで、専門医がいなくても迷わずに対応できる!

  • 高畑智嗣/著
  • 4,620(本体4,200円+税)
  • 在庫:あり