特別対談 指揮者×救急医 プロフェッショナルに求められるリーダーシップ

レジデントノート2012年5月号掲載

 救急医療とオーケストラ, ―それぞれかけ離れた世界に思えるが,“さまざまな分野のプロフェッショナルが1つになり,常に最高のパフォーマンスをめざす(患者にベストな医療を施す・良い音楽を作る)”という点は共通であり,そのために指揮者にも救急医にも,随所に的確なリーダーシップが必要となる.今回,世界的に活躍する指揮者,下野竜也さんと救急医療の最前線で活躍される岩田充永先生にプロフェッショナルのなかで求められるリーダーシップについて語っていただいた(編集部).

プロフィール

下野竜也氏
下野竜也(読売日本交響楽団正指揮者)
1969年鹿児島生まれ.鹿児島大学教育学部音楽科を経て,桐朋学園大学音楽学部附属指揮教室で学ぶ.1997年~1999年まで大阪フィルハーモニー交響楽団指揮研究員として,故朝比奈隆氏の薫陶を受ける.朝比奈氏の推薦により,1999年4月の大阪フィルハーモニー交響楽団定期演奏会で,楽壇デビュー.2006年11月,読売日本交響楽団の「正指揮者」に就任. 2007年4月からは上野学園大学音楽文化学部教授に就任.各地でのマスタークラスなど,後進の指導にも力を入れている.
岩田充永氏
岩田充永(名古屋掖済会病院副救命救急センター長)
1973年愛知県生まれ.1998年名古屋市立大学卒業.麻酔・内科・老年医学を研修後,ER型救急にあこがれ,救命救急センターで勤務.2008年より現職.学生時代はオーケストラ(チェロと指揮)に熱中し,実はプロ指揮者に習いに行ったことも.ERで1年目からベテランまで,様々な職種が一緒に「患者さんの最善」をめざして治療を進めてゆく様子は,交響曲を奏でるオーケストラと似ていて気に入っている.著書に『救急外来でのキケンな一言』(羊土社),『〈JJNスペシャル〉高齢者救急――急変予防&対応ガイドマップ』(医学書院)など.

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