細菌は原核生物であり,DNAが核膜に覆われていない核様体として細胞質に存在する.また,ミトコンドリアやゴルジ体などの細胞小器官をもたないという特徴がある.細菌は,細胞壁構造の特徴からグラム陽性菌とグラム陰性菌に分けられる.さらに,その形態で球菌,桿菌,らせん菌に分けられる.本章では,その分類に対応して,各細菌の特徴を説明する.…
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微生物の基礎知識から院内感染対策,手指消毒やマスクの脱着方法まで,将来医療に従事する学生にとって必要な知識をコンパクトにまとめた教科書.看護師国家試験に頻出の内容も網羅.臓器・組織別感染症の章も必見
長年、看護や歯科衛生の数校で微生物学を担当してまいりましたが、困ってましたのは教科書でして、感染制御を実践かつ実戦的に向かう立場(コロナ禍で明示)の看護系の教育には必ずしも向かないものしかないため、それら本の中身を自身で再編などして使っておりました。そういう中で登場したのが増澤著の感染制御の基本がわかると副題された本でした。学生にとっては、時宜を得たという前に基本を踏まえた分かりやすく、かつ学ぶことが楽しい本、その的確かつ多彩な図解の面を捉えるならば、まるで児童に夢を与える絵本のような、そんな感すら覚えます。新年度からはこの本を採用させていただきます。
私立大学教員
この度の増澤教授の著書で初めて真に適切な素晴らしい教科書に出会った。該博な知識と豊富な経験に裏打ちされ、最新の知見も取り入れながら感染症の制御を軸に、いわゆる総論から各論に至るまでバランスよくまとまった好著となっている。一方、読者にとってすぐに役立つ実用的な一面も見えている。比較的簡潔な記述と適切な設問、図表のイラストは読者に負担を感じさせることなく、いわば自然に理解を深めていく効果がある。この好著の背景に一貫して横たわる著者の哲学をみることができる。
公立大学名誉教授