今号の特集は，医学・生物学研究の中で，今もっとも熱い視線が注がれている研究のひとつである，「細胞外マトリックス」をとり上げました．序文でも述べられている通り，「多機能分子集合体としての細胞外マトリックスを共通の視点として，これからの細胞外マトリックスの研究に何が必要であり，重要であるか」を，第一線でご活躍されている先生方に自由に論じていただきました．ご企画は，大阪府立母子保健総合医療センター研究所の関口清俊先生にお願いいたしました．

特集

細胞外マトリックスの構築と機能発現

企画／関口清俊

＜序文＞超分子集合体としての細胞外マトリックス−三次元メッシュワークに隠された生理機能の解明を目指して【関口清俊】

フィブロネクチンマトリックスの形成機構【関口清俊／市原啓子】

コラーゲンゲルを用いた細胞分化・増殖の誘導−組織・器官形成のモデル系としての三次元コラーゲンゲル培養法【𠮷里勝利】

免疫組織化学と電子顕微鏡による基底膜の構築過程【門谷裕一／山科正平】

プロテオグリカンによる細胞接着・細胞増殖の制御【木全弘治】

細胞間相互作用における細胞外マトリックス−特にテネイシンの場合【坂倉照妤】

上皮創傷治癒における細胞外マトリックスの役割【西田輝夫】

人工細胞外マトリックスによる器官形成の誘導【竹澤俊明】

トピックス

CURRENT TOPICS

HLH，ロイシンジッパー，ZnフィンガーとSH2構造をもつ癌遺伝子Vav【審良靜男】

rasGAPをめぐる新しい展開【小林まり子／岩下新太郎】

T細胞の成熟と抗原レセプタ一発現調節【植松寧史】

寿命蛋白質発見の過程【米村　勇／岡野　照／支倉逸人】

連載

Developmental biotechnology［発生工学実験法シリーズ］

マウス遺伝子ターゲティングの実際【塚田晃代／八木　健】

総説

MADS boxをもつ転写因子SRFによる細胞性初期遺伝子群の発現制御機構【藤井雅寛／清木元治】

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【本書名】実験医学：細胞外マトリックスの構築と機能発現
【出版社名】羊土社

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