実験医学別冊 目的別で選べるシリーズ:目的別で選べるタンパク質発現プロトコール〜発現系の選択から精製までの原理と操作
実験医学別冊 目的別で選べるシリーズ

目的別で選べるタンパク質発現プロトコール

発現系の選択から精製までの原理と操作

  • 永田恭介,奥脇 暢/編
  • 2010年03月25日発行
  • B5判
  • 268ページ
  • ISBN 978-4-7581-0175-2
  • 4,620(本体4,200円+税)
  • 在庫:なし
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必要な量は?翻訳後修飾は?精製はどうする?可溶化が必要?そもそも発現しない!目的タンパク質を絶対に得るため,あらゆる手段をナビゲーション.実験の原理,実験操作や試薬組成の根拠までもトコトン詳しく解説.

目次

1章 タンパク質の性質を知る

1 タンパク質が必要になるとき【奥脇 暢/永田恭介/加藤広介/川口敦史】

①タンパク質を解析するために
  • 精製タンパク質の意義
  • タンパク質発現系の利用
  • タンパク質の種類
②タンパク質を手に入れるための戦略
  • 未知因子の精製
  • 既知因子の精製
③本書の特徴および概要

2 タンパク質の性質は?【加藤広介】

①タンパク質の構造
②タンパク質固有の性質を知る
  • 分子量と等電点(pI)
  • タンパク質のドメイン構成
  • 複合体の有無
  • 細胞毒性
  • 修飾の有無
  • 細胞内局在
③タンパク質の安定性や溶解性に影響する要因
  • 温度
  • pH
  • 塩濃度
  • 界面活性剤
  • 変性剤
  • 二価金属と金属キレート試薬
  • プロテアーゼとプロテアーゼ阻害剤
  • SH 基保護剤,酸化防止剤
  • その他のタンパク質安定化因子
④未知タンパク質の性質を調べる方法
⑤タンパク質のデータベースや解析ツール

3 タンパク質を精製する【川口敦史/若井ちとせ】

①精製法の選択
  • 精製法選択の判断材料
  • 精製法選択の考え方
②タグの選択とタグを用いた精製の原理
  • 金属キレートによる精製
  • アフィニティー精製
  • 抗原抗体反応による精製
  • タグの切断
③カラムクロマトグラフィーによる精製
  • 各精製段階での選択肢
  • イオン交換クロマトグラフィー
  • 疎水性相互作用クロマトグラフィー
  • ゲル濾過クロマトグラフィー
  • アフィニティークロマトグラフィー
④変性と再生操作

2章 タンパク質発現系の種類と原理

1 発現系の種類と特徴【内藤忠相/川口敦史】

①各発現系で発現するタンパク質の特徴
②各発現系の発現量の目安
  • 発現量の調節
  • 宿主の培養スケールの選択
③目的に適した発現系を選択する
  • 結合活性を知りたい場合
  • 抗原を調製する場合
  • 酵素活性を測定する場合
  • 結晶化する場合
  • 放射性標識をする場合
④各発現系のベクターの特徴
⑤コストと時間

2 大腸菌【浅賀正充】

①大腸菌発現系の背景と原理
  • DNA複製メカニズム
  • RNA転写メカニズム
  • タンパク質翻訳メカニズム
  • バクテリオファージ
  • 大腸菌を用いた外来タンパク質発現系の確立
②ベクターの構造と特徴
  • ベクター改良の歴史
  • ベクターの複製と不和合性
  • タンパク質発現ベクターの構成
  • タンパク発現システム
  • 抗生物質と薬剤耐性遺伝子
  • プロテアーゼによるタグの除去

3 昆虫細胞【久武幸司/福田 綾】

①昆虫細胞発現系の背景と原理
  • バキュロウイルスについて
  • バキュロウイルスの増殖メカニズム
  • ウイルスのDNA複製メカニズム
  • ウイルスのRNA転写メカニズム
  • ウイルスのタンパク質翻訳メカニズム
  • 外来タンパク質発現系の確立
②ベクターの構造と特徴
  • 昆虫細胞内での組換えに用いるトランスファーベクター
  • 大腸菌内での組換えに用いるベクター

4 酵 母【内藤忠相/杉山賢司】

①酵母の種類と各発現系の概略
  • 出芽酵母
  • ピキア酵母
  • 分裂酵母
②酵母発現系の背景と原理
  • DNA複製メカニズム
  • RNA転写メカニズム
  • タンパク質翻訳メカニズム
  • 栄養要求性マーカーの確立
  • DNAの導入とトランスフォーメーション
  • 出芽酵母におけるプロモーターの選択
  • メタノール資化性ピキア酵母
  • その他の発現系
③ベクターの構造と特徴
  • 複製起点
  • プロモーター
  • 酵母ゲノムへの発現ユニットの組込み

5 哺乳動物細胞【村野健作/加藤広介】

①哺乳動物細胞発現系の背景と原理
  • DNAの複製メカニズム
  • RNAの転写メカニズム
  • タンパク質の翻訳メカニズム
  • 遺伝子導入の歴史・発展
②ベクターの構造と特徴
  • プロモーター
  • スプライシングおよびポリA付加シグナル
  • Kozak配列
  • 複製起点
  • 恒常発現細胞株の構築
  • IRESを用いたバイシストロニックな遺伝子発現
  • 融合遺伝子
6 無細胞翻訳系【川口敦史】
①無細胞翻訳系の背景と原理
  • 細胞抽出液の種類
  • 翻訳反応
  • 翻訳反応を阻害する要因
②ベクターの構造と特徴
  • プロモーターとターミネーター
  • キャップ構造およびポリA鎖
  • 翻訳効率,mRNAの安定性を高める

3章 タンパク質発現プロトコール

1 大腸菌【浅賀正充/朴 三用】

①大腸菌株とベクターの種類
  • 大腸菌株の種類と特徴
  • ベクターの種類と特徴
②コンピテントセルの調製とベクターの導入
  • コンピテントセルの調製
  • ベクターの導入-コンピテンシーチェックを例に
③大腸菌の培養とタンパク質の発現
④大腸菌の破砕とタンパク質の抽出
  • 凍結融解法
  • 酵素(リゾチーム)消化法
  • 超音波処理法
  • 封入体に蓄積したタンパク質のカオトロピック塩による可溶化
⑤大量精製の際の培養とタンパク質発現
  • 培養方法
  • 培地
  • 培養条件
  • 細胞破砕
  • タンパク質精製

2 昆虫細胞【久武幸司/福田 綾】

①細胞株とベクターの種類
  • 細胞株の種類と特徴
  • トランスファーベクターの種類と特徴
②昆虫細胞の培養
  • 培地の準備
  • 細胞培養
③ウイルスの調製とPFUの決定
④ウイルス感染とタンパク質発現
⑤細胞の破砕とタンパク質の抽出

3 酵 母【内藤忠相/杉山賢司】

①酵母株とベクターの種類
  • 出芽酵母
  • 分裂酵母
  • ピキア酵母
  • ベクターの種類と特徴
②酵母の培養とベクターの導入
  • 培地
  • 酢酸リチウム法によるベクターの導入
  • グリセロールストック作製法
③タンパク質の発現
  • 出芽酵母におけるGAL-1プロモーターを利用したタンパク質発現
  • ピキア酵母におけるメタノールを用いたタンパク質発現−小スケールでの発現チェックおよび培養条件の至適化
  • ピキア酵母におけるメタノールを用いたタンパク質発現−大スケール
④細胞の破砕とタンパク質の抽出
  • タンパク質発現の確認のみを目的とした方法
  • ガラスビーズを用いた小スケールの方法
  • フレンチプレスを用いた大スケールの方法
  • 哺乳動物細胞【村野健作/加藤広介】
①培養細胞の選択
  • 普遍的な細胞機能の解析
  • 細胞分化および組織機能の解析
  • がん研究
  • ウイルス研究
②ベクターの種類と特徴
③細胞培養
  • 細胞を凍結ストックから起こす場合
  • 接着細胞の継代(HeLa細胞)
  • 浮遊細胞の継代(HeLa-S3)
④遺伝子導入
  • リポフェクション法
  • リン酸カルシウム共沈殿法
  • エレクトロポレーション法
⑤細胞の破砕とタンパク質の抽出
  • 発現の確認のみを目的とした細胞抽出液の調製
  • 精製を目的とした細胞抽出液の調製

5 無細胞翻訳系【五島直樹/山口 圭】

①鋳型DNAの調製と発現ベクターの種類
  • ウサギ網状赤血球発現系とその発現ベクター
  • コムギ胚芽発現系とその発現ベクター
  • PCR法による鋳型DNAの調製
②タンパク質発現
  • ウサギ網状赤血球発現系
  • コムギ胚芽発現系

6 タンパク質の精製【加藤広介】

①タグによる精製
  • Hisタグ精製
  • GSTタグ精製
  • FLAGタグ精製
②クロマトグラフィーによる精製
  • 抽出液の調製
  • カラムの作製法
  • 各種クロマトグラフィーによる分離操作
③その後の実験のために
  • 透析によるバッファー交換
  • 変性・再生操作
  • タンパク質の定量法
  • 試料の保存

4章 遺伝子組換え実験の法律および省令

1 問題となる法律および省令【竹内 薫】

  • カルタヘナ議定書
  • カルタヘナ法
  • 二種省令
  • 各研究機関の規程

2 申請の具体例【竹内 薫】

①種々の宿主を用いた実験の具体例
  • 大腸菌を宿主に用いた遺伝子組換え実験
  • 酵母を宿主に用いた遺伝子組換え実験
  • 培養細胞および無細胞翻訳系でのタンパク質発現
  • ウイルスを用いたタンパク質発現
②注意が必要な遺伝子組換え実験
  • 病原体タンパク質の発現
  • 大臣確認が必要となる実験
  • 遺伝子導入した培養細胞の動物個体への移植
  • 遺伝子組換え生物の譲渡
③遺伝子組換え実験申請書作成の具体例
付録 培地・試薬の調製法
タンパク質発現プロトコール 立ち読み タンパク質発現プロトコール 立ち読み

—中略—

タンパク質発現プロトコール 立ち読み

—中略—

タンパク質発現プロトコール 立ち読み
書評・感想
  • 原理などが詳しく載っているので、斬新さを感じました。(国立大学研究員)
  • 単なるプロトコール集を超えた良い実験参考書で、実際に実験を行う大学生・大学院生・実験補助員だけでなく、これから組換えタンパク質を研究に使用していきたいと考えている教員・研究指導者にとっても、たいへん有益になる情報が記載されている。組換えタンパク質の発現・精製に対する実験操作の解説にとどまらず、そのテクノロジーの原理や歴史的発展経緯についての丁寧な解説に多くのページを割いているので、そのこと自体が本当の意味でのトラブルシューティングとして役に立つ。(県立大学 准教授)
  • 内容は原理と実験手法と分かれていて充実しています。大腸菌・酵母・昆虫細胞・哺乳動物細胞・無細胞翻訳と全部やってきた身からすると、こういうのがあったら良かったなと思います。学生に教えるのにも使えると思います。またスタッフの立場からは最後の法令関係がありがたいです。自分でも組換え実験の申請を行っていますが、あまりよく分かっていませんでした。(国立大学 助教)
  • タンパク質の化学的性質から精製の方法論につなげる解説など,日本版「Current protocols in molecular biology」と言える(国立大学 教授)
  • トラブルシューティングがしっかり書いてある。「酵母」「哺乳類」など系統別に分かれているのは良い。(私立大学 研究員)

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  • 【本書名】実験医学別冊 目的別で選べるシリーズ:目的別で選べるタンパク質発現プロトコール〜発現系の選択から精製までの原理と操作
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