各疾患を「症状・障害の理解」「理学療法の理論と実際」の2項目から解説することで,座学と実践のつながりを強調した入門書.基礎医学などへの振り返り学習,国試キーワードなど学びに役立つ要素も充実.
目次
序【松尾善美】
第1章 総論
❶ 構造と機能【角田晃啓】
1.循環器系
1)心臓 2)冠動脈 3)固有心筋と特殊心筋(刺激伝導系) 4)血管の構造
2.呼吸器系
1)呼吸器の区分と機能 2)肺 3)胸郭 4)横隔膜の構造と運動 5)呼吸筋
6)外呼吸と内呼吸 7)呼吸のリズム 8)換気機能と拡散機能 9)呼吸の調節
10)ガス交換 11)酸素解離曲線
3.代謝系
1)三大栄養素 2)運動時のエネルギー代謝 3)代謝経路
❷ 内部障害の概要【松尾善美】
1.内部障害とは
2.社会保障制度
1)身体障害の認定 2)医療保険制度と介護保険制度
3.高齢患者の増加
4.重複障害としての内部障害
❸ 包括的リハビリテーション・チーム医療【松尾善美】
1.包括的リハビリテーション
1)内部障害における現状 2)包括的心臓リハビリテーション
3)包括的呼吸リハビリテーション
2.チーム医療
第2章 検査測定
❶ 身体所見の診かた【椿 淳裕,高橋祐介】
1.形態に関する検査測定と身体所見
1)体格 2)周径 3)皮下脂肪 4)疾患に起因する形態の変化
2.心血管疾患に関連する身体所見
1)血圧 2)心拍数 3)脈拍数 4)視診 5)触診 6)聴診 7)打診
3.呼吸器疾患に関連する身体所見
1)呼吸数・吸気と呼気の比 2)経皮的酸素飽和度 3)視診 4)触診 5)聴診 6)打診
7)呼吸困難
4.代謝疾患に関連する身体所見
5.身体機能の評価
1)関節可動域検査 2)筋力検査 3)感覚検査 4)バランス検査
❷ 呼吸機能検査【山科吉弘】
1.呼吸機能検査
1)呼吸機能検査の目的および種類 2)呼吸機能検査の注意点
2.スパイロメトリー
1)スパイロメトリーとは 2)肺活量(VC),パーセント肺活量(%VC) 3)VCの測定方法
4)努力呼気曲線,1秒量(FEV1.0),1秒率(FEV1.0%) 5)ATI指数 6)換気障害の分類
7)呼吸機能における姿勢の影響 8)スパイロメトリーで測定可能であるその他の指標
3.フローボリューム曲線
1)ピークフロー(PEF) 2)V75,V50,V25,V50 /V25
3)フローボリューム曲線およびFVCの測定方法
4.呼吸筋力
5.肺年齢
❸ 運動負荷試験と運動処方【関川清一】
1.運動負荷試験とは
2.運動負荷試験の目的
1)臨床診断 2)全身持久力の判定 3)運動処方のための情報収集
3.運動負荷試験の実施前チェック
4.運動負荷試験の実際
1)運動負荷機器を使用する場合:自転車エルゴメーターテスト,トレッドミルテスト
2)運動負荷機器を使用しない場合:歩行テスト
5.運動処方
1)運動療法を安全に取り組むためのリスク管理 2)運動処方の構成
3)身体活動によるエネルギー消費量
6.運動プログラム指針
❹ 心電図【田畑 稔】
1.心電図
1)心電図とは 2)心電図の種類と誘導法(測定方法) 3)心電図記録法と心拍数の計測
4)刺激伝導系と心電図の基本波形 5)心電図が正常範囲を逸脱する場合 6)電気軸判定
2.不整脈
1)不整脈とは 2)不整脈発生メカニズムと自覚症状 3)期外収縮 4)徐脈性不整脈
5)頻脈性不整脈 6)伝導障害(脚ブロック) 7)虚血性心疾患の心電図
第3章 内部障害理学療法
❶ 根拠に基づいた理学療法の実践【松尾善美】
1.科学的根拠とは
2.根拠に基づいた医療
3.根拠に基づいた理学療法
4.ベストプラクティス
❷ 理学療法の進め方【松尾善美】
1.日本人の疾病動向と理学療法
1)生活習慣病と身体活動性 2)運動療法の重要性 3)慢性患者の急増とチームアプローチ
2.理学療法の基本原則
1)基本原則 2)評価における国際生活機能分類(ICF)の利用
3)生活習慣および生活習慣病のスクリーニング
3.診療ガイドライン
4.理学療法の進め方
1)理学療法を実施するうえでの基本原則 2)急性期の離床
3)心疾患患者の回復期運動療法 4)呼吸器疾患患者の運動療法
5.高齢患者の対応
6.重複障害を有す患者に対する理学療法
7.症例検討の勧め:臨床意思決定のトレーニング
❸ リスク管理【平野康之】
1.なぜリスク管理が必要か
1)近年の医療(介護)分野の動向 2)リスク管理とは
2.理学療法実施におけるインシデントの現状
1)病状変化や急変の現状 2)理学療法実施時におけるインシデント(アクシデント)
3.理学療法実践におけるリスク管理の実際
1)リスク管理の実践に必要な情報とスクリーニング
2)リスク管理の実践に必要な機器・備品 3)リスク管理の実践に必要なスキル
4.リスクの層別化と運動実施(中止)の判断
5.リスク管理の課題および能力を高める方策
1)リスク管理の課題 2)リスク管理能力を高める方策
第4章 心血管疾患の理学療法
❶ 虚血性心疾患【田畑 稔】
症状・障害の理解
1)虚血性心疾患とは 2)疫学 3)虚血性心疾患の病態 4)虚血性心疾患の検査
5)虚血性心疾患の治療
理学療法の理論と実際
❷ 慢性心不全【泉 唯史】
症状・障害の理解
1)慢性心不全の定義 2)慢性心不全の代償機転とその破綻
3)慢性心不全によって運動耐容能が低下する 4)慢性心不全の症状
5)慢性心不全の病態把握 6)心不全の診断基準,重症度分類および病型分類
7)一般的な治療
理学療法の理論と実際
1)慢性心不全患者の運動反応 2)運動療法の効果 3)運動療法の適応と禁忌
4)運動負荷試験 5)リスクの層別化 6)運動療法(持久的トレーニング)
7)運動処方の方法 8)運動療法の手順 9)生活指導
❸ 大血管疾患【高瀬広詩,松尾善美】
症状・障害の理解
1)大血管疾患とは 2)大動脈瘤の概要 3)大動脈解離の概要 4)大血管疾患の診断
5)大血管疾患に対する外科手術
理学療法の理論と実際
1)大血管疾患に対する理学療法の目的と効果 2)大血管疾患に対する理学療法の実際
❹ 末梢動脈疾患・静脈疾患【高瀬広詩,松尾善美】
症状・障害の理解
1)末梢動脈疾患・静脈疾患とは 2)末梢動脈疾患 3)静脈疾患
理学療法の理論と実際
1)ASOに対する理学療法 2)VTEに対する理学療法
第5章 呼吸器疾患・呼吸障害の理学療法
❶ 呼吸器疾患と理学療法
A)慢性閉塞性肺疾患(COPD)【堀江 淳】
症状・障害の理解
1)慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは 2)病型 3)病期(進行の程度) 4)合併症
5)呼吸機能検査 6)動脈血ガス分析 7)胸部X線検査 8)薬物療法(気管支拡張薬)
9)在宅酸素療法(HOT) 10)在宅人工呼吸療法
理学療法の理論と実際
B)気管支喘息【柳澤幸夫】
症状・障害の理解
1)気管支喘息とは 2)気管支喘息の治療目標と薬物療法
理学療法の理論と実際
1)運動誘発喘息と運動誘発気道収縮 2)気管支喘息患者の運動能力 3)気管支喘息患者の運動療法の適応と効果 4)運動療法を導入しやすくするポイントおよび注意点
C)肺水腫【柳澤幸夫】
症状・障害の理解
1)肺水腫とは 2)肺水腫の分類 3)心原性肺水腫(CPE)と非心原性肺水腫(NCPE)の見分け方
理学療法の理論と実際
1)心原性肺水腫(CPE)の治療 2)非心原性肺水腫(NCPE)の治療
D)肺炎【柳澤幸夫】
症状・障害の理解
1)肺炎とは 2)肺炎診療におけるガイドライン
3)市中肺炎(CAP),院内肺炎(HAP),医療・介護関連肺炎(NHCAP)とは
4)重症度分類・治療区分の設定 5)病原微生物と耐性菌 6)肺炎の一般療法
7)肺炎の予防 8)誤嚥性肺炎の病態と治療の流れ 9)誤嚥性肺炎患者に対する各種評価
理学療法の理論と実際
1)呼吸理学療法 2)姿勢管理(ポジショニング) 3)頸部・体幹の関節可動域確保
4)口腔ケアの併用 5)早期離床・運動療法
E)肺結核後遺症【柳澤幸夫】
症状・障害の理解
理学療法の理論と実際
1)肺結核後遺症の治療(急性期と安定期) 2)肺結核後遺症と運動療法
F)肺がんを含む胸部外科手術前後【阿波邦彦】
症状・障害の理解
1)外科手術前後の病態 2)術後呼吸器合併症について
理学療法の理論と実際
1)肺がんを含む外科手術前後における呼吸リハビリテーションの目的 2)周術期呼吸リハビリテーション(術前)の評価と実際 3)周術期呼吸リハビリテーション(術後)の評価と実際
G)睡眠時無呼吸症候群【柳澤幸夫】
症状・障害の理解
1)睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは 2)OSASの病態 3)上気道閉塞をきたす形態学的因子 4)OSASの自覚症状・他覚徴候 5)夜間SpO2測定 6)診断基準
理学療法の理論と実際
1)経鼻的持続気道陽圧換気(CPAP) 2)口腔内装置(OA) 3)改善が期待できる生活習慣の是正ポイント(体重,喫煙,飲酒,姿勢)
H)神経難病の呼吸障害【石井光昭】
症状・障害の理解
1)筋萎縮性側索硬化症(ALS)の概要 2)呼吸障害
理学療法の理論と実際
❷ 気道クリアランス法【堀 竜次】
症状・障害の理解
1)気道内分泌物の量と性状の変化 2)粘液線毛輸送能の低下 3)換気運動の障害 4)咳嗽能力の低下 5)気道の障害 6)体位の制限
理学療法の理論と実際
1)気道クリアランスの評価 2)気道クリアランス法 3)無気肺改善のアプローチ 4)気道クリアランス法の選択基準と注意点
❸ 人工呼吸管理下の理学療法【笹沼直樹】
症状・障害の理解
1)人工呼吸器が担う役割 2)人工呼吸器の主な設定条件
理学療法の理論と実際
1)理学療法の基本的な考え方 2)呼吸理学療法の実際 3)在宅人工呼吸器管理の適応と運動療法の実際
第6章 糖尿病の理学療法
症状・障害の理解【森田恵美子】
1)糖尿病とは 2)糖尿病の判定・診断基準 3)血糖調節メカニズムと2型糖尿病の病態
4)糖尿病の指標 5)糖尿病の症状と合併症 6)運動機能への影響
理学療法の理論と実際【角田晃啓】
1)メディカルチェック 2)運動処方の作成 3)糖尿病の理学療法実践
第7章 腎疾患の理学療法【河野健一】
症状・障害の理解
1)慢性腎臓病(CKD)とは 2)保存期CKDに出現する症状と治療 3)末期腎不全(ESKD)とは 4)腎代替療法のうちの透析療法について
理学療法の理論と実際
1)CKD患者の理学療法評価 2)保存期CKD患者の理学療法プログラム 3)透析患者の理学療法プログラム
第8章 がんの理学療法【井坂昌明】
症状・障害の理解
1)がんは死因の第1位 2)がんと共存する時代へ 3)がんとは 4)がんの病態進行や治療による身体への影響 5)躍進するがん治療
理学療法の理論と実際
1)がんのリハビリテーションの歴史 2)がんのリハビリテーションの定義と理学療法のかかわり 3)がんのリハビリテーションに取り組む医療機関 4)がんにおける理学療法介入の意義 5)がんの理学療法評価 6)理学療法のリスク 7)主ながんの治療や病態における理学療法のかかわり 8)乳がんのリンパ節郭清術後の肩関節拘縮およびリンパ浮腫へのかかわり 9)骨軟部腫瘍・骨転移の理学療法 10)原発性・転移性脳腫瘍における多様な機能障害へのかかわり 11)血液腫瘍(造血幹細胞移植)のかかわり 12)化学療法,放射線療法中・後における理学療法のかかわり 13)維持的・緩和的な時期(在宅・終末期)における理学療法のかかわり
第9章 患者教育【永嶋道浩】
1.患者教育とは
1)心大血管疾患における患者教育 2)呼吸器疾患における患者教育 3)糖尿病における患者教育
2.患者教育の目的
3.患者教育の方法
4.患者教育の実際
1)患者指導をはじめるにあたって 2)行動変容へ向けた指導の実際(行動変容アプローチ) 3)医療面接における質問方法 4)エンパワーメント法
5.特定保健指導について
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- 【本書名】PT・OTビジュアルテキスト:内部障害理学療法学
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