PT・OTビジュアルテキスト専門基礎

解剖学

  • 坂井建雄/監,町田志樹/著
  • 2018年11月30日発行
  • B5判
  • 399ページ
  • ISBN 978-4-7581-0234-6
  • 6,160(本体5,600円+税)
  • 在庫:なし
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解剖学のセミナー実績多数,解剖経験も豊富な理学療法士による書き下ろし.運動器を中心に器官系まで,セラピスト目線で解剖学の基本をわかりやすく解説.近年注目の筋膜についてもしっかり記載.

目次

第1章 総論

1)身体の区分

1.体表での区分
2.体内の腔所
3.基本肢位
4.安静立位姿勢における重心線

2)面や方向を示す用語

1.人体の主要平面
2.人体の方向を示す用語
3.身体の基本的運動方向

3)骨の構造

1.骨の分類
2.骨の構造
3.骨単位
4.骨の再構築(リモデリング)

4)筋の構造

1.筋の種類
2.骨格筋の各部の名称
3.収縮の種類
4.骨格筋の形状による分類

5)関節の形態と可動域

1.連結の分類
2.関節の構造(滑膜性の連結の構造)
3.関節の形状と動き
4.関節とてこ
5.関節可動域
6.歩行周期

第2章 上肢

1)上肢の骨

1.肩甲骨
2.鎖骨
3.上腕骨
4.尺骨
5.橈骨
6.手根骨
7.中手骨
8.指骨

2)上肢の関節

1.胸鎖関節
2.肩鎖関節
3.肩関節(肩甲上腕関節)
4.肘関節
5.上橈尺関節
6.下橈尺関節
7.前腕骨間膜
8.橈骨手根関節
9.手根間関節
10.手根中手関節
11.中手指節関節
12.指節間関節

3)上肢の筋

1.胸部の筋
2.背部浅層の筋
3.肩甲骨周辺の筋
4.上腕の筋
5.前腕の筋
6.手の筋

4)上肢の筋膜

1.胸部浅層の筋膜
2.背部浅層の筋膜
3.肩甲骨周辺の筋膜
4.上腕の筋膜
5.前腕の筋膜
6.手の筋膜

5)上肢の神経

1.神経根
2.神経幹
3.神経束
4.鎖骨上部と鎖骨下部

6)上肢の脈管

1.上肢の動脈
2.上肢の静脈

第3章 下肢

1)下肢の骨

1.寛骨
2.大腿骨
3.膝蓋骨
4.脛骨
5.腓骨
6.足根骨
7.中足骨
8.趾骨

2)下肢の関節

1.股関節
2.膝関節
3.脛腓関節
4.距腿関節(足関節)
5.足の関節
6.足趾の関節

3)下肢の筋

1.大腿前面の筋
2.大腿内側の筋
3.殿部の筋
4.大腿後面の筋
5.下腿前面の筋
6.下腿外側の筋
7.下腿後面の筋
8.足の筋

4)下肢の筋膜

1.骨盤前面の筋膜
2.殿部と大腿の筋膜
3.下腿・足の筋膜

5)下肢の神経

1.腰神経叢
2.仙骨神経叢
3.尾骨神経叢

6)下肢の脈管

1.下肢の動脈
2.下肢の静脈

第4章 頭頸部・体幹

1)頭部の骨

1.頭蓋の骨
2.脳頭蓋を構成する骨
3.顔面頭蓋を構成する骨
4.頭蓋の前面の構造物
5.頭蓋の側面の構造物
6.頭蓋の上面の構造物
7.頭蓋の後面の構造物
8.頭蓋の下面(外頭蓋底)の構造物
9.内頭蓋底の構造物

2)椎骨

1.椎骨の基本形
2.各椎骨の形態と特徴

3)胸郭の骨

1.胸郭の骨格
2.胸郭口
3.胸椎
4.肋骨
5.典型的な肋骨の構造(第3〜10肋骨)
6.非典型的な肋骨の構造
7.肋軟骨
8.胸骨

4)頭頸部と体幹の関節

1.頭部の関節
2.脊柱の関節

5)頭頸部の筋

1.顔面の筋
2.頸部の筋

6)頸部の筋膜

7)体幹の筋

1.胸部の筋
2.腹部の筋
3.骨盤底の筋
4.背部の筋

8)体幹の筋膜

1.腹部の筋膜
2.背部の筋膜

第5章 循環器系

1.肺循環と体循環
2.血管の構造
3.心臓
4.全身の動脈
5.全身の静脈

第6章 呼吸器系

1.鼻
2.副鼻腔
3.咽頭
4.喉頭
5.気管と気管支
6.肺
7.縦隔

第7章 消化器系

1.口腔
2.口唇,頬,口蓋
3.舌
4.歯
5.唾液腺
6.咽頭
7.食道
8.胃
9.小腸
10.大腸
11.肝臓
12.胆嚢
13.膵臓
14.脾臓
15.腹膜
16.嚥下

第8章 内分泌系

1.内分泌と外分泌
2.内分泌腺の種類
3.ホルモンの特徴
4.視床下部
5.下垂体
6.松果体
7.甲状腺
8.副甲状腺(上皮小体)
9.膵臓
10.副腎
11.腎臓
12.性腺(生殖腺)
13.消化管
14.心臓
15.脂肪細胞

第9章 泌尿器系

1.腎臓
2.尿管
3.膀胱
4.尿道
5.生殖器

第10章 神経系

1.神経系の区分
2.神経系を構成する細胞
3.中枢神経系の構成
4.末梢神経系の構成
5.自律神経

第11章 感覚器系

1.外皮
2.視覚器(眼窩と眼球)
3.平衡聴覚器(耳)
4.嗅覚器
5.味覚器

巻末付録

1.人体の骨格,筋,動静脈
2.筋の起始・停止部
3.筋の英名
4.正常MRI画像
書評・感想
  • 図も文字も見やすい点と臨床のpoint、国試のpoint、画像もついた教科書で、実習でも国試対策としても使用できるのではないかと思いました。

    医療系専門学校教員

  • 私はスポーツ理学療法に特化した臨床活動を続けてきた.スポーツ現場では急性期対応が求められ,患部の特定と重症度を評価するため精度の高い検査・測定は必須の技術である.また,競技スポーツに関わるアスリートのニーズは早期の競技復帰であり,そのためのプログラム立案には組織修復過程を丁寧に評価する必要がある.私は触診や整形外科的テストの精度を高めるためにスキルアップをしてきたつもりであった.しかし,3年前に町田志樹先生に出会い自分の触診の未熟さを痛感する事となった.自分が触診のターゲットとしていた組織が解剖と一致していなかったからだ.また臨床で一般的に用いられている一部の用語が正式な解剖学用語ではないことも教えて頂いた.今でも日々の臨床に生かすべく,定期的に町田先生から解剖を学んでいる.

     理学療法は疾病により生じた損傷部位の組織修復のメカニズムを刺激し,また身体機能を改善するため環境調整を含めて手立てを講じることと理解している.その対象は年齢や性別を問わず,また内科系疾患から整形外科疾患など多岐にわたる.そのなかでも運動器を適切に評価し,組織修復メカニズムに応じた適刺激が与えられた時に組織修復や身体機能が速やかに改善することを経験した理学療法士は多いと思う.そのためには精度の高い評価技術が必須であり,その基礎は「解剖学」である.

     来たる2020東京オリンピック・パラリンピック総合競技大会まであと1年数ヶ月となった.世界の国・地域を代表するアスリートが日本に集結し競技する日も近い.オリンピック選手はその競技に特化したプロポーションをしており,実に神々しいものを感じる.私は一人でも多くの理学療法士がオリンピック・パラリンピックに関わりその神々しさを味わって欲しいと願っている.2020は日本の理学療法を世界にアピールするチャンスになるのと同時に,2020を経験した理学療法士達のパワーは日本の理学療法を大きく前進させる原動力になると信じているからである.これからの理学療法は新たな領域への参加が期待されており,再生医療や学校保健など,理学療法士を必要としている領域は目前にある.私はその領域に自信をもち進むため,本書により解剖学を学び基礎を固めたいと思っている.

     この度,町田志樹先生が理学療法士・作業療法士のための解剖学書を出版され,解剖学を学ぶ道程ができたと,実は密かに大喜びをしている.この解剖学書は理学療法士・作業療法士のために書かれた解剖学書であり,臨床で用いられている用語もわかりやすく解説されている.本書で解剖学を学ぶ理学療法士・作業療法士養成校の学生はうらやましい限りである.

    板倉尚子(日本女子体育大学健康管理センター)

  • 理学療法学科に入学して最初に出会う関門は,解剖学,生理学に基づく運動の解釈であろう.この関門をしっかりと実力でくぐり抜けたセラピストと,何とか?くぐり抜けてきたセラピストは,臨床で病態の解釈という大きな壁に挑む.しかし,この壁は学生時代のテストや国家試験のように解答を覚えたり,参考書を見たら常に解答が明示されている訳ではない.臨床で病態を解釈して,闘うためには,解剖学や生理学の知識が不足していることに気づく.著者は日本全国を飛び回りセラピストのための解剖学の再教育にモチベーションをもっている根っからの教育者である.セラピストになって解剖学研究に身を置くと,どうしても研究や臨床が楽しくなる.患者を救う方法を伝えたいが,学生時代に教わった内容くらいは自分で勉強し直すべきと考えてしまう.しかし,解剖学の成書の多くは図が多くあるものの,解説の少ないものが多い.また,セラピスト向けの解剖学書と言われると,全体を薄くして,簡素にした感じのものが目につく.そんな解剖学書を見ているだけでは中々理解しきれない基礎的な部分から話をしているのが『いまさら聞けない解剖学』なんだろう.本書はセラピストにとっては,学生時代に習ったはずであろう解剖学の知識を再確認するには最良と思われる.本書を手に取り,必要な論文を読むことで,専門誌としての論文の新しさに気がつくかもしれない.また,理学療法士の学生にとっては,現場に出てから,理学療法士としてスタートを切る上で,最低限身につけておくべきことが記されている.最低限というには少々分厚いかもしれない.しかし,日進月歩で進む医療に身を投じるものとしては,常に最新の情報に目を向ける必要がある.その上で本書には変わらないスタンダードが記されているという点から考えても最低限身につけておくことと認識して,隅から隅まで熟読してほしい.

    正直に言えば,解剖学をどんなに学んだとしても,患者は救われないし,救えない.セラピストである以上,患者を救う最短距離を走りたいと思うであろう.しかし,理学療法は魔法ではなく,科学である.科学としての理学療法に踏み入れるには,基礎としての解剖学が必要になる.理学療法の基盤を強くする一冊として,卒前・卒後の教育に手に取ってもらいたい.

    工藤慎太郎(森ノ宮医療大学保健医療学部)

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  • 【本書名】PT・OTビジュアルテキスト専門基礎:解剖学
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