概論　腫瘍免疫学の発展とがん免疫療法の開発に向けて【河上　裕】

Overview　腫瘍抗原同定のあゆみ【高橋利忠】

第Ⅰ部　腫瘍免疫応答の制御法と基本

第1章　腫瘍免疫における免疫担当細胞と免疫分子の役割

1.T細胞を介した抗腫瘍免疫応答【塚本博丈／西村泰治】

2.制御性T細胞による抗腫瘍免疫抑制 ─そのコントロールによる効果的ながん免疫療法の可能性【西岡めぐみ／西川博嘉】

3.腫瘍会合性マクロファージ【松島綱治／上羽悟史／寺島裕也】

4.樹状細胞：腫瘍免疫制御のkey player【北脇年雄／門脇則光】

5.NK細胞およびNKT細胞の腫瘍免疫応答における役割【早川芳弘】

6.腫瘍抗原の分類と抗原特異的免疫療法の免疫学的評価法【澤田　雄／中面哲也】

7.サイトカインと担がん個体の生体応答【向田直史】

第2章　腫瘍免疫に重要な免疫病態

1.免疫療法の標的としてのがん細胞亜集団【廣橋良彦／鳥越俊彦／佐藤昇志】

2.炎症反応によるがんの発生と悪性化促進【大島正伸】

3.がん免疫編集機構における自然免疫系と適応免疫系の役割【松下博和】

4.がん関連微小環境における免疫病態【河上　裕】

第3章　がん免疫応答の制御

1.抗がん免疫アジュバント: 歴史から現状まで【瀬谷　司／松本美佐子】

2.化学療法・分子標的薬による抗腫瘍免疫応答の制御【谷口智憲／里見良輔／西尾　浩／杉山重里／大村　学／中村謙太／川村　直／小林明日香／河上　裕】

3.抗がん細胞抗体 ─その開発のあゆみとがん抗体療法の新たな可能性【安井　寛／今井浩三】

4.免疫チェックポイント阻害療法【玉田耕治】

5.共刺激分子に対するアゴニスト抗体【東 みゆき】

第Ⅱ部　がん免疫療法の開発と臨床試験

第1章　がん抗原ワクチン

1.がん抗原ワクチン【藤井眞一郎／山崎　哲／佐藤悠輔／清水佳奈子】

2.WT1ペプチドがんワクチン【杉山治夫】

3.Oncoantigenを用いたがんワクチン療法の現状と課題【硲　彰一／岡　正朗／奥野清隆】

4.革新的がんワクチンH/K-HELP（helper/killer-hybrid epitope long peptide）の開発【増子和尚／大竹淳也／喜多俊行／北村秀光／西村孝司】

5.テーラーメイドペプチドワクチン ─個人の免疫記憶に基づくワクチン選択と治療【小松誠和／伊東恭悟】

第2章　樹状細胞療法

1.樹状細胞を用いたがん免疫療法 ─現在までの治験の総括および今後の展望【上野英樹】

2.ヒトiPS細胞からの樹状細胞作製法の進歩【千住　覚】

3.養子免疫細胞療法に最適な人工抗原提示細胞の開発とその臨床応用【中津川宗秀／茶本健司／平野直人】

第3章　エフェクター細胞療法

1.T細胞輸注療法 ─TIL，T細胞クローン，遺伝子改変T細胞【池田裕明／珠玖　洋】

2.γδT細胞によるがん免疫治療【垣見和宏／宮井まなみ】

3.頭頸部　がんに対するiNKT細胞療法【國井直樹／本橋新一郎／中山俊憲】

4.iPS細胞技術を用いたがん抗原特異的T細胞の再生【河本　宏】

第4章　臨床試験実施における重要点

1.免疫誘導効果評価法 ─T細胞モニタリングを例に【葛島清隆】

2.免疫バイオマーカーと抗腫瘍効果【和田　尚／中山睿一】

3.最新のがんワクチン治療効果判定法 ─FDAガイダンス，日本バイオセラピィ学会ガイダンスを踏まえて【勝田将裕／山上裕機】

4.免疫療法の臨床試験を行う際に考えること【平家勇司】

おわりに

がん免疫の展望と課題 ─がん免疫療法の実用化を見据えて【珠玖　洋】