細菌検査が正しく行われないと起因菌が同定できず,正しい抗菌薬を選択できません.抗菌薬投与前に血液培養や感染巣と思われる部位の細菌検査を行わなくてはいけません.また,sepsis bundleでは救急外来では来院してから3時間以内,ICUであれば1時間以内に抗菌薬を投与することが必要とされています.敗血症を疑った段階で,細菌培養検体を数検体採取しながら呼吸循環管理をし,さらに抗菌薬を投与する,まさしく時間との戦いです.
一方,Early Goal Directed Therapy(EGDT)として,救急外来にいる早期の段階から,CVP(central venous pressure:中心静脈圧)や混合静脈血酸素飽和度(SvO2)または中心静脈血酸素飽和度(ScvO2)をモニタリングし,大量輸液し,カテコラミンを使用することが推奨されています.場合によっては積極的な輸血も必要かもしれません.これらは従来から研究されてきた酸素運搬量を高める治療ですが,敗血症性ショック発症後,ICUに入室してから開始しても有効でないことが証明されています.つまり,EGDTは,救急外来などで発症早期から開始することが必要で,ここでも時間との戦いです. よって,敗血症はICUに入ってから治療する疾患ではなく,救急外来や病棟で敗血症患者と認識した時点で積極的に治療を行うことが必要で,これが患者の生死を決めると言っても言い過ぎではありません.この点で,患者さんと接する機会の多い研修医が敗血症をいち早く認識し,適切な初療ができるようになる意義はとても大きいでしょう.この特集では日本の敗血症診療の現場で活躍されている第一人者の方々に執筆いただきました.その点で,最新の,かつ,日本の実状に合った最良の敗血症診療のノウハウをお届けできたと思っております.ぜひ,この特集に書かれている内容を実践で生かし,1人でも多くの敗血症患者を救ってもらえることを祈念しています.
発見が難しい症例でも,敗血症の初期サインを見逃さず早期に認識するためのポイントと呼吸管理,輸液,抗菌薬投与など,迅速かつ適切な初療を解説.研修医から寄せられた疑問に合わせた内容でわかりやすく,役立つ!
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