レジデントノート増刊 Vol.12 No.6

感染症専門医がいなくても学べる、身につく 感染症診療の基本

  • 青木 眞/編
  • 2010年06月18日発行
  • B5判
  • 235ページ
  • ISBN 978-4-7581-0501-9
  • 4,290(本体3,900円+税)
  • 在庫:なし
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感染症科がない,相談できる上級医もいない…そんな環境でも正しい感染症診療ができる!多くの症例や先輩医師たちの経験談による実践的な解説で感染症診療に悩む若手医師をサポートする,必読の一冊!

目次

【座談会】感染症専門医がいないなかで いかに学び,良い環境を作るか【青木 眞(司会)/藤田芳郎/中村 朗/星 哲哉】

第1章 微生物検査室がない【小栗豊子】

  • 微生物検査が外部委託検査となる背景
  • FMS,ブランチラボは自前の検査室とどう違うか
  • 微生物検査を施設内で行うには
  • 微生物検査の実際
  • 塗抹検査,“グラム染色は医師にとっても必須技術”
  • 血液培養は微生物検査のなかで2番目に大事な検査
  • 感染症のPOCTは微生物検査室がなくともできる迅速検査
  • 微生物検査オーダで注意すべきこと
  • おわりに

第2章 感染症科コンサルテーションのコツ

1.感染症コンサルテーションの流れを知る【中村 造/松永直久】

  • はじめに
  • 症例
  • コンサルテーションの目的が何か,何に困っているのかを明確化する
  • 非典型的な病像になりうる患者背景を押さえる
  • 培養検査は適切なタイミングで十分になされているか
  • 主治医がどうしたいのかを踏まえたうえで,治療の選択肢を複数個示す
  • Step Up Lecture:CD関連腸炎とWBC上昇
  • おわりに

2.一般内科医として感染症コンサルトをどう活かしているか【遠井敬大/大滝純司】

  • はじめに
  • コンサルトの際に注意している事項
  • コンサルトしなくて済むようになった事項
  • やはりコンサルトが必要な事項
  • おわりに

3.感染症ローテーションの経験をどのように活かしているか【関 正康/平本 淳】

  • はじめに
  • コンサルトされた症例
  • どのように考える?
  • Step Up Lecture
  • おわりに

第3章 疫学の基礎を学ぶ

1.感染症診療と疫学の接点-なぜここで疫学なのか【具 芳明】

  • はじめに
  • 感染症診療と疫学の接点
  • 疫学の定義
  • 感染症分野における疫学
  • おわりに

2.検査結果をどう考えるか?-なんとなくオーダーしていませんか?【山岸拓也】

  • 検査はどこまで信じられるか?
  • 感度と特異度はどういうときに考えるのだろう?
  • 感度と特異度からわかること,わからないこと
  • 連続した数として得られる検査
  • 検査前に考えるべきこと
  • 最後に

3.この治療は正しい治療なの?-研究デザインをどう意識するか?【岸田直樹】

  • はじめに
  • RCTの位置づけ
  • RCTのチェックポイント
  • RCTを読み込む際の5つのコツ
  • さいごに

4.感染症を予防するということ-ワクチンの疫学【神谷 元】

  • はじめに
  • すべての道は2×2表に続く!
  • VE=Vaccine Efficacy? Vaccine Effectiveness?
  • ワクチンのIndirect Effect (Herd Immunity)
  • ワクチンの有効性(VE)の計算 Step Up Lecture
  • おわりに

5.日本における発生動向の調査-感染症サーベイランスの仕組み【島田智恵】

  • はじめに
  • サーベイランス,感染症発生動向調査とは
  • 発生動向調査の意義
  • 発生届の流れ
  • 届出対象疾患についての情報還元
  • 地方衛生研究所(地衛研)
  • 最後に

第4章 感染管理と抗菌薬適正使用プログラムの基本を学ぶ

1.抗菌薬適正使用プログラムの立ち上げ-武蔵野赤十字病院の場合【本郷偉元】

  • はじめに
  • 本郷の5つの軸
  • おわりに

2.抗菌薬適正使用プログラムの立ち上げ-財団法人太田綜合病院附属太田西ノ内病院の場合【成田 雅】

  • はじめに
  • 当院の紹介
  • 感染症診療の基本と,fever workup
  • 血液培養とグラム染色
  • 細菌検査室の充実とコミュニケーション
  • 総合診療科としての感染症診療
  • 薬剤師との関わり-抗菌薬適正使用に向けての取り組み
  • 指導医とのコンフリクト
  • おわりに-「変化はいつの間にか生じる」

3.後期研修医と学ぶ抗菌薬の適正使用【嶋崎鉄兵/椎木創一】

  • はじめに
  • 症例を通しての学び
  • No stain, No life(スメアをしなけりゃ,意味がない)
  • 後期研修医と学ぶ抗菌薬の適正使用
  • On the job trainingとOff the job training
  • おわりに

4.感染管理の基本である標準予防策と感染経路別予防策を徹底する【遠藤和郎】

  • はじめに
  • 標準予防策と感染経路別予防策とは
  • 研修開始前の教育と訓練
  • 臨床現場での実践のための準備と教育
  • おわりに

5.安全な医療のための職業感染対策【水谷 哲/寺地つね子】

  • はじめに
  • 職業感染を起こした場合の不利益は?
  • 職業感染対策と医師の役割
  • 医療者が身につけておかなければならない感染防御技術とは?
  • ワクチンプログラムとワクチン接種の実際について
  • 結核対応のためのツベルクリンとQFTについて
  • 血液体液曝露の予防と曝露時の対応について
  • 医療者が感染性疾患を発症した際の二次感染予防対応について
  • おわりに

第5章 集中治療室で熱やCRPに溺れない!

1.私はこうしてCRP依存症を止めました【山口征啓】

  • はじめに─私が研修を始めたころの抗菌薬治療
  • “CRP大明神”にふり回される日々
  • 「感染症診療の原則」との出会い
  • CRPを見ない診療への転換
  • クレッシェンド,デクレッシェンドの法則
  • CRPはどのような場面に活用すべきか
  • おわりに

2.CRPはなぜ使っちゃいけないの?【小松真成】

  • はじめに
  • CRPとは?
  • 実のところCRPは使える?使えない?
  • おわりに

3.CRPを使わずに,こうやって診断しよう【乗井達守】

  • はじめに
  • 重症細菌感染症を除外(Rule-out)する手段としてのCRP
  • 重症度評価におけるCRP
  • 稀に診断に寄与するCRP
  • CRPの限界
  • Step Up Lecture:z 市中肺炎,x 胆嚢炎,c 急性腎盂腎炎
  • おわりに

4.CRPを使わずにフォローする【大城雄亮】

  • はじめに
  • 経過観察の基本と臓器特異的なパラメーターによるフォロー
  • 臓器特異的なパラメーターによるフォローとそれでも改善しないCRP
  • 臓器特異的なパラメーターの明らかでない場合
  • まとめ

第6章 感染症のエビデンスを探す

1.食べ歩きにたとえる文献検索のやり方【山本舜悟】

  • 「何か食べたいな」と思ったときに…
  • 疑問の整理の仕方
  • 周りに感染症の専門家がいないというあなたに
  • おわりに

2.私の文献検索のやり方-文献ソムリエの場合【清田雅智】

  • はじめに
  • 文献を検索する前に
  • 最初に頼る教科書は?
  • 文献を調べる手順は?
  • おわりに

3.私の情報収集,整理のやり方-最強のガジェット使いの場合【岩渕千太郎】

  • はじめに
  • なぜガジェットを使うか?
  • インターネットは発達し,電子媒体での記憶容量は格段に進歩した
  • 実際にどのように活用しているか?
  • 注意 ー買い換えないとできないか?ー
  • 最後に

4.私の文献検索のやり方-米国内科レジデントの場合【小林美和子】

  • はじめに
  • そもそもいつ情報検索をするの?
  • コンサルタントのいない夜間に疑問が生じた!
  • マニュアルは読んでも読まれるな!
  • 緊急性が低いが気になる疑問はどう解決?
  • おわりに

第7章 忘れられない,忘れてしまいたい感染症診療失敗談

第7章のはじめに-体験の積み重ねが名医を作る【藤田芳郎】

1.忘れられない症例【檀原 敦】

  • Case 1 「胃腸炎」に気をつけよう
  • Case 2 ステロイド加療中の不明熱

2.発熱なんか3分診療??【河合良介】

  • Case 1 「炎症反応が上昇しているので抗菌薬でも処方しておきましょうか?」
  • Case 2 「発熱の原因がわからないので抗菌薬処方は控えましょうか?」
  • Case 3 「感染症なのかな? じっくり調べて適切な治療をしましょうか?」
  • まとめ

3.「咳」や「胃腸炎」を軽くみてはいけない!【志水英明】

  • Case 1 病歴は役に立つ!?
  • Case 2 術後の急性胃腸炎!?

4.今ふりかえってみると【富野竜人】

  • Case しばしば救急外来を受診するひと 
  • tep Up Lecture

5.免疫不全の2例【三木祐介】

  • はじめに
  • Case 1 物のありかがわからなくなった70歳の男性
  • Case 2 ステロイドを投与された急性腎障害の80歳の男性

6.患者の話の中に答えが…?【渥美宗久】

  • Case1 初めての症例
  • Case 2 起き上がりにくい高齢者
  • まとめ

第8章 番外編

1.イギリス人内科医から見た日本の感染症診療(内科編)【Joel Branch】

  • 病歴と身体診察
  • 救急医療サービスと第三次医療機関へのアクセス
  • 抗菌薬の使用について
  • 尿パッド,尿道カテーテルと感染症
  • 日本における放射線と感染症
  • まとめ

2.アメリカ人外科医から見た日本の感染症診療(外科編)【Alan Lefor】

  • 外科における感染症診療のインパクト
  • 皮膚前処置
  • 手術における予防的抗菌薬使用
  • ドレーン
  • 膿瘍の経皮的ドレナージ
  • 創傷ケア
  • まとめ

3.研修医のIDATEN利用法【大曲貴夫】

  • IDATENとは何か?
  • IDATENの目的
  • IDATENにはどのようなひとが参加しているのか?
  • IDATENの活動と,その活かし方
  • IDATENの活動に参加することで得られるものとは…
  • 最後に:IDATENに入るには

4.薬剤師に聞いてみよう-感染症治療に困ったときの薬剤師の活用法【吉田眞紀子】

  • はじめに
  • そもそも,「薬」とは
  • 薬剤師の2つの顔
  • 抗菌薬が効かない
  • 感染症治療の戦略
  • 最後に

5.グラム染色コーナーを創る【千葉 大】

  • はじめに
  • 現任地までの経過
  • これから設置する病院のために
  • グラム染色を医師が行うメリット
  • 懸念されること,その真実
  • 必要な物品や体制
  • おわりに

6.細菌室研修のカリキュラム-初期研修医・後期研修医におすすめプラン【鈴木智一】

  • はじめに
  • 自分の勤務する病院で実習を行うには…?
  • こんな実習プログラムはいかが?
  • まとめ

7.シカゴ感染症レビューコース参加体験記【関谷紀貴】

  • はじめに
  • 感染症分野の奥深さ
  • 米国感染症レビューコース
  • おわりに

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