初期臨床研修指導の実践ガイド〜いかに良医を育てるか
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初期臨床研修指導の実践ガイド

いかに良医を育てるか

  • 宮城征四郎/著
  • 2006年01月20日発行
  • B5判
  • 157ページ
  • ISBN 978-4-7581-0605-4
  • 4,180(本体3,800円+税)
  • 在庫:あり

※本書の正誤表はこちらをご参照下さい.

「宮城征四郎先生」待望の書き下ろし!沖縄県立中部病院・群星沖縄を人気・実力ともに日本が誇るトップ臨床研修指定病院に育て上げた著者が,良医育成のノウハウを初めて語ります.指導医,後輩をもつ先輩医師必見!

目次

概論編

指導医として求められる心構えや,各臨床研修指定病院の研修指導体制はいかにあるべきかなど,良医を育てるための環境整備のノウハウを解説します.見開きページごとに「指導ポイント」をまとめているので,忙しい仕事の合間にサッと確認できます.


第1章 臨床研修の重要性

1)初期臨床研修必修化の真の目的
  1. 総合的臨床教育の不備または欠如
  2. 革新的な教育システムが成果を上げにくい理由
  3. 臨床研修必修化でプライマリ・ケア能力を培う
2)指導医の心得
  1. 研修必修化は患者のため
  2. 指導の見返りを求めない
  3. 臨床の基礎をstep by stepに指導する
  4. 指導医による討論の内容
  5. 先手必勝の医療を教育する
  6. 指導医の心得
3)研修医の心得
  1. 国民のための必修化と認識せよ
  2. global standard medicineを身につける
  3. 研修医の心得

第2章 研修医と指導医はどう向き合うか

1)研修医は今,何を求めているか
  1. 研修医の望み
  2. 指導医に求められるもの
  3. best teacher of the yearに選ばれる方法
2)指導医たちは今,何に戸惑っているのか
  1. 論文至上主義と臨床指導
  2. 論文至上主義の変化への戸惑い

第3章 研修指導体制をどう構築するか

1)主治医制度の利点と欠点
  1. 主治医制度の問題点
  2. 当直医のためのoff duty note
  3. 屋根瓦方式が構築されない
  4. 担当患者数が少ない
  5. 責任の所在が明確ではあるが…
2)チーム医療とは何か? その利点と欠点
  1. チーム医療での役割分担
  2. 年次ごとの到達目標を設定する
  3. 医療過誤防止 vs. 責任の所存の希薄さ
  4. 教育システムとしても優れたチーム医療
3)臨床研修におけるチーム医療を阻むもの
  1. 他人の介入を受けつけない風土
4)臨床研修プログラムにおける研修委員会のあり方
  1. 活発な研修委員会なくして良き教育環境はなし
  2. 沖縄県立中部病院研修委員会はいかに運営されているか
  3. 群星沖縄の研修委員会はここが違う
  4. 群星沖縄における臨床研修委員長会議の実際


実践編

臨床指導の具体的内容を解説し,沖縄県立中部病院・群星沖縄で好評を博している宮城医師の教育回診の実践法を明らかにします.さらに,よくある指導医の悩みにQ&A形式で宮城医師が明快に答えます.


第4章 臨床研修における双方評価

1)指導医による研修医の評価
  1. 研修医の評価は姿勢に重点を
  2. 適性を欠く研修医
  3. 評価の低い研修医をどうするべきか
2)研修医による指導医の評価
  1. 指導医の評価対象
  2. 批判される指導医とは
  3. 指導医のあるべき姿とは
3)研修医の身分と労働環境
  1. 研修医は労働者である
  2. 米国の研修医の労働環境
4)日本の指導医の労働環境
  1. 指導医のマンパワー不足
  2. 今こそ改革のとき

第5章 ベッドサイドにおける臨床指導の実際

1)必要な基本的知識と手技の指導の実際(What to teach and How ?)
  1. 問診,身体所見,バイタルの読みおよび自覚症状の生理学的解釈法
  2. カルテの記載方法(discharge summaryを含む)
  3. 動・静脈血採血法,血液培養法
  4. 心電図,動脈血ガス分析(ABG)の読み方
  5. 分泌物,尿,痰,便,髄液,体液(胸水,腹水など)のグラム染色,抗酸菌染色,メチレンブルー染色とその解釈
  6. 各種ラインの確保
  7. 各種単純X線の読影法とできればCTの読影法
  8. 胸水穿刺,腹水穿刺,腰椎穿刺,関節腔穿刺,ときに胸膜生検
  9. 挿管およびマスク法による人工換気
  10. 心肺蘇生法(DC shockを含む)の実施と緊急内視鏡,エコー検査
  11. 抗生物質およびその他の薬の薬理作用,使用方法,特に使用ルートと期間の検討
  12. transient pacemakerの挿入
  13. minor surgeryと外科的,整形外科的処置,眼科,耳鼻科的処置
  14. 簡単な皮膚科学
  15. その他
  • 【付録】動脈血ガス分析の臨床
2)身体所見の重要性
  1. 一般的な身体所見の取り方
  2. 呼吸器疾患における身体所見の取り方
  3. 呼吸器疾患における胸部身体所見
3)研修医ならびに指導医のメンタルケア
  1. スーパーローテーションによる問題点
  2. 研修医のメンタルケアに向けて
  3. 指導医にも大きなストレス

第6章 ベッドサイドにおける教育回診の実際

1)患者ケアと研修医に役立つ回診法
  1. 教育回診
  2. 回診中に挿入するミニレクチャーの実例
2)呼吸器病学における問診
  1. 呼吸器病学における問診の臨床的意義
  2. 呼吸器疾患特有の病歴聴取
  3. 呼吸器疾患に特有な症状
  4. 呼吸器症状の詳細と診断学的意義
3)教育回診実録症例


実際編

臨床研修制度の実際を批評するとともに,国内屈指の人気と実力を誇る沖縄県立中部病院の臨床研修の秘密を公開.注目を集める病院群プロジェクト群星沖縄がめざす理想の臨床研修とは何かがわかります.


第7章 日本における臨床指導医の位置付け

1)日本の医療社会における基礎医学研究偏重
  1. 医学史上,確かに基礎研究は重要だったが…
  2. 臨床医療をないがしろにしてはならない
  3. 国民のニーズに応えて臨床医を育てよう
2)指標で表し難い臨床指導評価
  1. インパクトファクターで評価される基礎研究
  2. 評価指標のない臨床教育
3)日本人の肩書き偏重,出世主義
  1. 国の資格や肩書きは国際社会では通用しない
  2. 肩書きではない本当のプロ
  3. 医師にとって最良の資格・肩書きは患者からの高い評価

第8章 沖縄における学外臨床研修プログラムの実際

1)沖縄県立中部病院卒後臨床研修プログラム
  1. 沖縄における臨床研修の重要性
  2. 沖縄県立中部病院の実態と研修プログラムの実際
2)臨床研修病院群「群星沖縄」プロジェクト
  1. 群星沖縄プロジェクトの発足
  • 【参考】群星沖縄立ち上げの趣意書

第9章 群星沖縄病院群プロジェクトの問いかけるもの

1)スタートした病院群「群星沖縄」臨床研修プロジェクト
  1. 沖縄での病院群臨床研修
  2. スタートした群星沖縄プロジェクト
2)群星沖縄プロジェクトが問いかけるもの
  1. 研修病院の理念と使命
  2. 指導医講習会(FD)と日米医学交流
  3. プライマリ・ケア研修の重視
  4. スキル・ラボ構想
  5. 後期研修のあり方
  6. 地域医療貢献

指導医によくあるQ
Q1.無気力なやる気のない研修医の場合,一体,どう付き合えばよいのでしょう? 無視してもよいでしょうか?
Q2.明らかに指導医の方に知識の誤りがあると思われる場合でも,それを指摘できるような雰囲気ではありません.一体,どうしたらよいのでしょうか?
Q3.研修医は午後5時になると,当直でもなければ当然の権利のごとくさっさと帰宅するが,本当にそのようなことが許されるのでしょうか? 甘やかされ過ぎでは?
Q4.実際のところ,研修医も指導医も問診や身体所見などにそんなに時間をかけていたらほかの仕事ができません.問診などは通り一辺でよいのでは?
Q5.痰や尿などの塗抹グラム染色細菌検査を,なぜ研修医にやらせる必要があるのかわかりません.優秀な検査技師がいるのだし,検査を指示するだけでよいのでは? また,喀痰塗抹グラム染色細菌検査などはATSの呼吸器感染症ガイドラインでも起炎菌検索法としての有用性に疑問がなげかけられているはずですが?
Q6.どんなに教えても,不器用でなかなか手技を修得できない研修医に遭遇することがあるのですが,どのように指導すればよいのでしょう?
Q7.胸水が少量の場合,穿刺部位に迷うことがあるのですが,どこが最も適切なのでしょう?

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  • 【本書名】初期臨床研修指導の実践ガイド〜いかに良医を育てるか
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