大好評既刊『日常診療のよろずお助けQ&A100』の第2弾が登場!今回はポストレジデントの聞くに聞けない疑問・悩みを解決します.林 寛之先生編集によるおなじみの軽快な語り口で,エビデンスもしっかり掲載!
研修医の指導からカンファレンス、診療録、医療コストなど日常業務にまつわる疑問を解決!
診断・治療の現場でわきあがる問題に適切に対処できる医師になるためのコツを伝授!
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2004年から日本中の研修病院で初期臨床研修が開始されている。初年度に実施する研修は、内科、外科、救急医療であるが、内科や外科はともかくとして、救急医療の研修を適切に実施できる施設は多くない。その理由は、ERでの良い指導医が少ないからである。救急医療研修には、ERで、様々な傷病、年齢、重症度の救急患者を、指導医が研修医と一緒に診療する方法がベストである。今後、良い研修病院を作ろうとすれば、良いERが欠かせない条件となった。良い ERには良い指導医が必要である。
本書は、ER診療を担当する指導医にむけた、一見、気軽な教科書であるが、内容は深い。ERの指導医は、患者と研修医の両者に対処しながら仕事を行う。このため、医学を、患者や研修医の視点からも見直す眼力が求められる。本書の特筆すべき点は、この作業を、レベルを下げず、文献を網羅しつつ、しかも楽しくまとめあげたことである。著者の林、太田、岩田先生の卓越した臨床教師としての能力に敬意を表したい。一読を進める読者の対象は、ER指導医や救急医学の後期研修医のみならず、救急医学以外の指導医、あるいは総合診療を行う医師にも役立つであろう。医師が教科書を読み、多数の患者を診療し、その上で足りない「何か」がある。その「何か」を本書は平易に示している。一読すれば、この本の価値が分かる。
(評者)慶應義塾大学救急医学 堀 進悟
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