みる見るわかる脳・神経科学入門講座 改訂版 後編
はじめて学ぶ，情報伝達の制御と脳の機能システム
- 2008年11月20日発行
- B5判
- 189ページ
- ISBN 978-4-7581-0730-3
- 3,960円（本体3,600円＋税）
- 在庫：あり
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基礎知識が一気に学べると好評の入門書が大幅改訂！読みやすいボリュームながら重要事項を網羅．簡潔な解説で驚くほど理解が進みます．伝達物質で切った構成は類がないわかりやすさ！初学者〜研究者までお勧めです．
目次
第4章 脳のシグナル伝達（２）：全体的な神経機能調節
1 アセチルコリン─認知機能の調節
1．アセチルコリンシグナル伝達システム
- アセチルコリンの合成と代謝
- アセチルコリンの小胞充填
- 受容体その1：ニコチン性アセチルコリン受容体（nAChR）
- 受容体その2：ムスカリン性アセチルコリン受容体（mAChR）
- アセチルコリンの除去
2．アセチルコリンと認知・学習機能
- 前脳基底部のコリン作動性ニューロンが関与
- 認知症とアセチルコリンの関係？
3．アセチルコリンとレム睡眠の開始
- 中脳橋被蓋のアセチルコリン作動性ニューロンが関与
4．アセチルコリンと覚醒
- 上行性脳幹網様体賦活系：感覚情報による脳幹網様体の活性化
- 上行性脳幹網様体賦活系の実体はモノアミン・アセチルコリン作動性ニューロン
5．線条体コリナージック介在ニューロンと運動調節
2 セロトニン─多彩な神経機能の調節
1．セロトニンシグナル伝達システム
- セロトニンの合成と代謝
- セロトニンの小胞充填
- セロトニン受容体の種類と機能
- セロトニンの除去
2．セロトニン作動性ニューロンが形成する縫線核
- 縫線核の種類と機能
3．セロトニンとレム睡眠の抑制
- 睡眠覚醒とロックしたセロトニン作動性ニューロンの規則的活動
- レム睡眠の抑制
4．セロトニンと抗不安作用
- 不安（恐怖）の神経回路
- 細胞外セロトニン濃度増加による抗不安作用
- 5-HT1Aアゴニスト慢性投与による抗不安作用
5．セロトニンと海馬θ波抑制
- 海馬θ波と記憶強化
- 海馬θ波の抑制
6．セロトニンと下行性疼痛抑制系
7．セロトニンと血圧調節
8．セロトニンとリズム性運動パターン
3 ドーパミン─運動と精神の調節
1．ドーパミンシグナル伝達システム
- ドーパミンの合成と代謝
- ドーパミンの小胞充填
- ドーパミン受容体の種類と機能
- ドーパミンの除去
2．ドーパミン作動性ニューロンの投射部位と役割
3．ドーパミンによる運動発現調節
- アセチルコリンとドーパミンの相反的制御
- 黒質による運動発現制御
4．ドーパミンと情動行動・薬物依存症
- 腹側被蓋野→側坐核投射系が情動行動の鍵
- 腹側被蓋野→側坐核投射系と薬物依存症
4 アドレナリン・ノルアドレナリン─脳内の警戒システム
1．アドレナリン・ノルアドレナリンシグナル伝達システム
- アドレナリン・ノルアドレナリンの合成と代謝
- アドレナリン・ノルアドレナリンの小胞充填
- アドレナリン受容体の種類と機能
- アドレナリン・ノルアドレナリンの除去
2．ノルアドレナリン作動性ニューロンの投射部位と役割
- 青斑核からの汎性投射系
- 睡眠覚醒に伴う活動変動と刺激への反応性
3．アドレナリン作動性ニューロンの投射部位と役割
4．ノルアドレナリンとストレス反応
- HPA axisとストレス反応
- 青斑核がストレス反応を増強させる
5．ノルアドレナリンと認知機能
6．ノルアドレナリンと覚醒
5 ヒスタミン─覚醒・食欲・嘔吐の制御
1．ヒスタミンシグナル伝達システム
- ヒスタミンの合成と代謝
- ヒスタミンの小胞充填
- ヒスタミン受容体の種類と機能
- ヒスタミンの除去
2．ヒスタミン作動性ニューロンの投射部位と役割
3．ヒスタミンは第3の覚醒系
4．ヒスタミンと摂食抑制
5．ヒスタミンと動揺病・嘔吐
第5章 脳のシグナル伝達（３）：局所的な伝達調節
1 内在性カンナビノイド─脳内マリファナによる逆行性伝達
1．内在性カンナビノイドシグナル伝達システム
- 内在性カンナビノイドの合成
- 内在性カンナビノイドの放出
- カンナビノイド受容体の活性化
- 内在性カンナビノイドの除去
2．逆行性シナプス伝達抑制の仕組み
- 脱分極による逆行性EPSP抑制（DSE）と逆行性IPSP抑制（DSI）
- 生理的な逆行性伝達抑制の鍵はGq共役型受容体の共刺激
3．カンナビノイド受容体CB1の脳内発現
4．CB1受容体と食欲
- レプチンによる食欲抑制作用
- グレリンと食欲増進
- オレキシンによる食欲増進
5．マリファナの中枢作用
2 一酸化窒素（NO）─末梢での血管拡張作用
1．NOシグナル伝達システム
- NOの合成
- NOの作用
第6章 脳の構造と機能
1 神経系の構成
1．神経系の解剖学的構成
- 中枢神経系
- 末梢神経系
2．神経系の機能的構成
- 3つの機能システム：感覚系，統合系，運動系
- 末梢神経の機能的分類
2 感覚系
1．感覚系の構成
- 一般感覚と特殊感覚
- 感覚受容器の機能
- 感覚の伝導路
2．体性感覚系：一般感覚の神経系
- 体性感覚にある4つのモダリティー
- 受容器の種類と機能
- 最初に情報を伝える一次感覚ニューロン
- 体性感覚の伝導路
- 体性感覚野の脳地図
- 神経伝達系の異常で起こる慢性疼痛
- 痛みと温度受容の分子機構
- モルヒネと鎮痛系
3．視覚系：特殊感覚の神経系（１）
- 視覚器の構造
- 視細胞の種類と機能
- 網膜内神経回路：ON経路とOFF経路
- 視覚認知の伝導路
- 視覚反射の伝導路
4．聴覚系：特殊感覚の神経系（２）
- 聴覚器の構造
- 音を感知するコルチ器の有毛細胞
- 聴覚の伝導路
5．前庭系（平衡覚）：特殊感覚の神経系（３）
- 前庭器官の構造
- 膨大部稜による回転加速度の感知
- 平衡斑による直線加速度・頭部の傾きの感知
- 平衡覚の伝導路
6．嗅覚系：特殊感覚の神経系?
- 嗅覚器
- 嗅細胞による匂いの受容
- 嗅覚の伝導路
7．味覚系：特殊感覚の神経系?
- 味蕾による味覚の受容
- 味細胞の化学・電気信号変換
- 味覚の伝導路
3 運動系
1．随意運動の実行系
- 一次運動野の上位運動ニューロン
- 下位運動ニューロン
2．随意運動の計画系
- 補足運動野
- 運動前野
- 帯状回運動野
3．随意運動の調節系
- 大脳基底核
- 小脳
4 神経系各部の構造と機能
1．終脳
- 大脳皮質
- 海馬
- 大脳基底核
- 扁桃体
2．間脳
- 視床
- 視床上部
- 視床下部
3．中脳
- 上丘
- 下丘
- 黒質
- 赤核
- 脳幹網様体
4．橋
- 橋核
- 青斑核
5．延髄
- 後索核
- 下オリーブ核
6．小脳
7．脊髄
- 灰白質と白質の区分
- 脊髄灰白質の層構造
- 脊髄上行路系
- 脊髄下行路系
5 脳の発生
1．神経管の形成
- 脊索による神経管の誘導
- 神経管壁の分化
2．ニューロンの移動
- 放射移動
- 接線移動
- 放射状グリアと神経幹細胞
3．神経管の領域特異化
- 脳胞の分化：前後軸の領域化
- 基板・翼板・底板・蓋板の分化：背腹軸の領域化
コラム
- ヘビ毒のα-ブンガロトキシン
- サリンの特効薬はmAChRの阻害剤アトロピン
- コカインの報酬行動とモノアミン
- 百日咳毒素とアドレナリン受容体が進めたシグナル研究
- 狭心症とニトログリセリンとノーベル賞
- バイアグラとNO
- ロボトミーと前頭連合野
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