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目次
第1章 調剤の流れ
1.病院調剤の流れ【若林 進】
(1) 処方せんの発行から入院患者に投薬されるまでの調剤の流れ
- 医師による処方の作成
- 処方せんの受付
- 処方せんの鑑査
- 薬袋・薬袋ラベルの作成
- 錠剤・カプセル剤などの計数調剤
- 散剤調剤
- 液剤(水剤)調剤
- 調剤した薬剤の鑑査
- 患者への与薬
- 服薬指導
(2) 持参薬の管理
2.薬局調剤の流れ【下平秀夫】
(1) 調剤とは
(2) 調剤の流れ
- 処方せん受付(応需)
- 処方鑑査・処方せん疑義照会,薬歴の確認
- 薬袋作成
- 薬剤調製(調剤)
- 調剤薬鑑査
- 投薬・服薬指導・情報提供
- 調剤報酬の算定・一部負担金の算定
- 調剤録の作成
- 薬歴記載と再評価
- 調剤報酬請求書,調剤報酬明細書の作成
第2章 受付とインタビュー
1.病院薬剤師による初回面談【伊藤由紀】
(1) 初回面談
(2) 初回面談の順序
(3) 患者接遇における基本事項
(4) 初回面談のための情報収集
(5) 初回面談のテクニック
- 共感と傾聴の重要性
- 非言語的コミュニケーションスキル
- 医療面接
- コーチング
- SPIKES
2.薬局での処方せん受付と患者対応【出石啓治】
(1) 処方せん受付
(2) 薬局の整備
(3) 処方せん受け取り時の確認
(4) 初回来局者への対応
(5) 再来局患者への対応
(6) 来局者への対応
(7) 医薬品の在庫がない場合の対応
3.一般名処方【出石啓治】
(1) 一般名処方せん
(2) 一般名処方せんの受付時の対応
(3) 一般名処方せんの調剤後の対応
4.後発医薬品【出石啓治】
(1) 「後発医薬品への変更可」の処方せん
(2) 「後発医薬品への変更可」処方せんの受付時の対応
(3) 類似する別剤形の医薬品への変更
(4) 「後発医薬品への変更可」処方せんの調剤後の対応
第3章 処方鑑査と疑義照会【鹿村恵明】
(1) 疑義照会とは
(2) 処方せんの種類
(3) 処方せん鑑査
- 処方せんの形式的な事項の確認
- 薬学的な事項の確認
- 医薬品情報の収集
- 患者情報とその活用
(4) 疑義照会の手順 -疑義照会のシミュレーション
第4章 薬袋作成【出石啓治】
(1) 調剤設計
(2) 薬袋の分け方
(3) 薬袋に記載する事項
(4) 薬袋の種類およびサイズ
(5) 薬袋の形式
(6) 薬袋作成
- 手書きによる薬袋作成
- 印字システムによる薬袋作成
- 印字スタンプの利用
(7) 記載上の留意点
(8) 処方例と薬袋への記載例
第5章 計数調剤【出石啓治】
(1) 計数調剤の特徴
(2) 計数調剤の流れ
(3) 準備するもの
(4) 計数調剤(錠剤・カプセル剤)の手順
(5) 錠剤・カプセル剤計数調剤の例
- 調剤薬の特定
- 調剤する総量の計算
- シートと端数の取り揃え
- 調剤薬鑑査・調剤薬の状態確認
- 調剤薬を薬袋に入れる
- 適正使用情報(患者向け説明書)を添付する
(6) 過去に学ぶ調剤過誤の例
第6章 計量調剤
1.内用散剤【下平秀夫】
(1) 散剤計量調剤の特徴
(2) 散剤調剤の流れ
(3) 準備するもの
(4) 散剤調剤の手順
(5) 散剤計量調剤の例
2.内用液剤の調剤【川上美好】
(1) 内用液剤調剤の特徴
(2) 液剤調剤の流れ
(3) 準備するもの
(4) 液剤調剤操作の手順
- 液剤の処方鑑査
- 薬剤秤取量の計算(必要時には,賦形量,全量も計算)
- ラベルの作成
- 投薬瓶の選択および秤量用器具の準備
- 秤量(必要時には賦形)
- ラベルの貼付 /
- カップまたはスポイトを添付し,1回服用量を指示
- 調剤薬鑑査
(5) 内用液剤交付時の注意点
(6) 内用液剤計量調剤の例(mL投与の場合)
(7) 過去に学ぶ調剤過誤の例
3.一包化・分割・粉砕【杉浦宗敏】
(1) 錠剤・カプセル剤の一包化調剤
(2) 錠剤の分割 -錠剤分割の実際
(3) 錠剤の粉砕・カプセル剤の開封調剤
第7章 外用薬調剤(軟膏剤,外用液剤,坐剤,貼付剤)【出石啓治】
(1) 外用薬の種類と棚割
(2) 外用薬調剤の一般的注意事項
- 同一薬剤名で剤形が異なる場合
- 同一薬剤名で規格(濃度)・包装単位が異なる場合
(3) 軟膏剤調剤
(4) 軟膏剤の混合調剤
- 軟膏剤の混合調剤の流れ
- 準備するもの
- 混合の可否
- 軟膏板での混合
- 機械での混合
(5) 軟膏の特殊調剤
(6) 外用液剤
(7) 坐剤
(8) 外用薬の無菌調剤
第8章 調剤薬鑑査【鹿村恵明】
(1) 調剤薬鑑査とは
(2) 調剤薬鑑査の流れ
(3) 調剤薬鑑査ミスを防ぐための工夫
(4) 調剤薬鑑査の手順
- 計数調剤(錠剤・カプセル剤)の鑑査
- 計量調剤(散剤)の鑑査
- 計量調剤(水剤)の鑑査
- 外用剤の鑑査
- 注射剤の鑑査
(5) 調剤後の処方せんの保管・管理
(6) 調剤録の作成
第9章 注射剤調剤
1.注射剤調剤の流れ【杉浦宗敏】
(1) 注射剤調剤の定義
(2) 計数調剤と計量調剤
(3) 処方せんの受付と処方鑑査
(4) 薬剤の取り揃え(計数調剤)
(5) 調剤薬の鑑査
(6) 薬剤の混合調製(計量調剤)
(7) 計量調剤後の鑑査
(8) 薬剤の払い出し(病棟への供給)
2.注射剤処方せんの記載事項【杉浦宗敏】
(1) 注射剤処方せんの読み方
(2) 注射剤処方せんの形式および記載事項
(3) 薬名
(4) 分量
(5) 用法(投与方法,投与経路,投与回数,投与日時,投与速度)
(6) 用量(投与総量)
3.注射剤計数調剤【杉浦宗敏】
(1) 処方せんの受付
(2) 処方鑑査
(3) 処方医への疑義照会
(4) 薬剤の取り揃え
(5) 輸液などの取り揃え
(6) 中間鑑査
(7) 最終鑑査(調剤鑑査)
第10章 注射剤の計量調剤(無菌調剤)【青山隆夫】
1.衛生的手洗いと手袋の装着
(1) 手洗いの種類
(2) 衛生的手洗い(抗菌皮膚洗浄剤と流水を用いる)と滅菌手袋の着脱
2.注射剤の混合調製
a)注射剤の調製環境(クリーンベンチと安全キャビネット)
1.クリーンベンチ
2.安全キャビネット
b)高カロリー輸液の混合調製
1.高カロリー輸液(中心静脈栄養輸液)とは
2.高カロリー輸液の構成成分と基本的な処方指針
3.混合調製に使用する器具
4.ブドウ糖とアミノ酸を一剤化した輸液
5.高カロリー輸液の混合調製の実際
- 無菌室への入室手順
- 無菌室入室後の準備
- 基本操作
- 混合パターン
- 作業後の片付け,清掃,消毒
- その他
6.鑑査
c)抗がん剤の混合調製
1.はじめに
2.抗がん剤の混合調製に伴う危険性
3.抗がん剤の混合調製環境
4.混合調製に使用する器具
5.注射用抗がん剤の混合調製の実際
- バイアルからの薬液採取
- アンプルからの薬液採取
- 携帯型ディスポーザブル注入ポンプへの充填
- 閉鎖式薬物混合器具を用いた抗がん剤の混合調製
- 抗がん剤の廃棄処理
第11章 病院の院内製剤【奥山 清】
(1) 院内製剤の定義と種類
(2) 院内製剤に関する責任の所在
(3) 院内製剤の依頼から調製までの手順
(4) 院内製剤を行う環境と設備・機器
(5) 院内製剤の調製と保管
- フェノバルビタール10%希釈散の予製
- 健胃散(MM散)の予製・分包
- L-メントール入りレスタミン軟膏の予製と軟膏容器への充填
- 10%パテントブルー注射液アンプルの製剤
- 院内製剤の保管
(6) 院内製剤の品質試験
第12章 調剤機器
1.調剤機器【花島邦彦】
(1) 分包機
- 手分割分包機(パイルパッカー)
- Vマス型手分割自動分包機
- 全自動散剤分包機
- 全自動錠剤分包機
- 散剤自動分包機・全自動錠剤分包機一体型
(2) 一包化錠剤鑑査支援装置
(3) 全自動PTPシート払出装置
(4) 全自動液剤分注装置
(5) 錠剤粉砕器
(6) 錠剤半錠器
(7) PTP除包機
(8) 錠剤選別器
(9) 軟膏混和機
10.散剤鑑査システム,液剤鑑査システム
11.医薬品専用保冷庫
12.処方せん受付機
13.できあがり表示機
14.注射剤自動払出システム
2.レセプトコンピュータ,その他のシステム【花島邦彦】
(1) レセコン(レセプト専用コンピュータ)
(2) 電子薬歴
(3) 在庫管理システム
(4) 薬品発注システム
(5) 薬袋印字システム
3.オーダリングシステム【若林 進】
(1) オーダリングシステムとは
(2) オーダリングシステムの中の医薬品情報
- 実務手技の本質に大きな変更はないもの、近年の医薬品の多様化に伴い、様々な調剤手技・方法が必要になっている。また、診療報酬改定に伴う薬剤師業務内容の変化、薬価改定に伴う医薬品の変更など医療現場では常に変化している。現在、残念ながらこのような現状に合うテキストはほとんどなく、講義において修正・補足を行っている現状である。しかしながら、限られた時間内で膨大な内容を講義するにあたり、このようなところに時間を要することは決して好ましいことだとは思えない。今回、上梓された「新ビジュアル薬剤師実務シリーズ」は最新の内容を十分に反映しており、また、説明をするのが難しい実技部分を動画でみることができるなど、新しい試みも盛り込まれており、実務系のテキストとして最適であると考える。(私大薬学部教員)
- 写真がたくさん載っているため、実務実習前に行う講義でも、学生に現場をイメージさせやすい。(私大薬学部教員)
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すごい!この本.これが本書を一読した時の素直な感想. 何がすごいか? 病院の薬剤部,地域の薬局に薬剤師として勤務するのに必要な事柄がすべて盛り込まれており,しかも写真と一緒なので大変分かりやすい.
まず,感動したのがコンテンツの充実ぶりである.薬学6年生で半年間の実習が実施されることが決まり,本書の前身である「ビジュアル薬剤師実務シリーズ全4巻」が製作されたと思われる.そういう切羽詰まった状況であったからこそできたのかもしれないが,それまで地道な積み重ねがなかったら,これほど充実した書籍は作れなかったであろう.何より,執筆された方々の使命感,熱い思いが伝わってくる1冊である.
調剤技術などの技術,巻末の問題の解答と解説は,QRコードによりスマートフォンでいつでもどこでもすぐに見られる,実務実習モデル・コアカリキュラムと本文参照ページの対応表があるなど,現場でも実習時でも,いつでもどこでも確認できる仕組みになっており,便利である.
さらに,薬剤師を取り巻く環境や制度に合わせ,東日本大震災における薬剤師の活動,登録販売業者の出現,後発品の促進,フィジカルアセスメントの普及などに対する薬剤師の取るべき対応など,新コンテンツも盛り込まれたのに2冊にコンパクトにまとめられている.
薬学生,新人薬剤師,6年制制度のできる前に卒業し,十分な薬剤教育を受けておられない薬剤師,薬剤実習指導担当者,製薬企業から薬剤師への転身を考えている方・転身された方など,いろんな方にお勧めしたい.本書を読み終えたら,薬剤師としての誇りを感じられる名書である.
渡邉昭彦
『ファルマシア2014年6月号』より転載
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本書は薬剤師業務の基本を上下2巻に分けて解説した書籍である。上巻では、薬局管理から服薬指導、リスクマネジメント、在宅医療、後発医薬品、病棟業務までの「知識・態度」が、下巻では処方せん受付から調剤、鑑査までの病院・薬局の実務の「技能」が解説されている。
初版は4分冊で、薬局版2巻、病院版2巻となっていたが、調剤実務や法規などの薬局と病院での重複部分が統括されて新シリーズでは2巻にまとめられた。
本書は日本薬学会薬学教育モデル・コアカリキュラムの実務実習事前学習と薬局実務実習および病院実務実習の方略に沿って執筆されている。執筆には、病院や薬局で薬剤師として活躍されている方々と薬系大学の臨床系教員があたり、医療現場の最新の状況が反映された内容となっている。各章の冒頭には「実習のPoint」が書かれ、章末には「Advice」と「章末問題」があることで、学習者がその章で何を学ぶべきか明確にわかる。
本書の特筆すべき点は本のタイトルにもあるビジュアルであるという点である。医薬品の現物や医薬品棚、倉庫、調剤機器などの設備、調剤操作の流れなどが、カラー刷りの写真をふんだんに使って解説され臨場感のあるものとなっていてわかりやすい。特に、調剤(内服のみならず注射も含めて)に関わる技能の説明は圧巻である。
薬学生の実務実習事前学習にはもちろんのこと、既卒で調剤経験がないが、薬剤師としてこれから働きたいという方々にも必携の冊子であると思う。
望月眞弓(慶應義塾大学薬学部長)
『薬事 2014年1月号』より転載
購入方法・送料について
本書は全国の羊土社取扱書店にてご購入いただけます.店頭にて見当たらない場合は,下記情報を書店にお伝え下さい.
- 【本書名】新ビジュアル薬剤師実務シリーズ:下 調剤業務の基本[技能]〜処方せん受付から調剤,鑑査までの病院・薬局の実務
- 【出版社名】羊土社
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