改訂の序【後藤惠子】

初版の序【後藤惠子】

平成25年度改訂版・薬学教育モデル・コアカリキュラム との対応表

第1部　薬剤師の使命

【① 医療人として】

常に患者・生活者の視点に立ち，医療の担い手としてふさわしい態度で行動する（態度）

■患者の苦情からコミュニケーションを考える（SGD）【高中紘一郎】

生と死を通して，生きる意味や役割について，自らの考えを述べる（知識・態度）

様々な死生観・価値観・信条等を受容することの重要性について，自らの言葉で説明する（知識・態度）

■あなたは輸血拒否を肯定しますか?（教育ディベート）【富澤　崇】

【② 薬剤師が果たすべき役割】

患者・生活者のために薬剤師が果たすべき役割を自覚する（態度）

■「もの」から「人（ひと）」へ（SGD）【上村直樹】

医薬品の創製（研究開発，生産等）における薬剤師の役割について説明できる

■新薬のリスクおよびやさしい製剤について患者やその家族の気持ちから考える（SGD）【樽野弘之】

健康管理，疾病予防，セルフメディケーション及び公衆衛生における薬剤師の役割について説明できる

■顧客のニーズとセルフメディケーション（SGD，シミュレーション）【鹿村恵明】

薬物乱用防止，自殺防止における薬剤師の役割について説明できる

■薬育・薬物乱用防止教育・自殺防止ができる（SGD）【福島紀子】

【③ 患者安全と薬害の防止】

医薬品のリスクを認識し，患者を守る責任と義務を自覚する（態度）

代表的な薬害の例（サリドマイド，スモン，非加熱血液製剤，ソリブジン等）について，その原因と社会的背景及びその後の対応を説明できる

代表的な薬害について，患者や家族の苦痛を理解し，これらを回避するための手段を討議する（知識・態度）

■今もサリドマイド薬害が現代医療に問うもの（SGD & Reporting & Sharing）【増山ゆかり，東京理科大学薬学部ヒューマニズム教育担当チーム】

医療に関するリスクマネジメントにおける薬剤師の責任と義務を説明できる

■調剤事故発生時の初期対応（SGD）【小茂田昌代】

医薬品が関わる代表的な医療過誤やインシデントの事例を列挙し，その原因と防止策を説明できる

■過去の医療過誤事例から学ぶ（SGD）【小茂田昌代】

【④ 薬学の歴史と未来】

薬物療法の歴史と，人類に与えてきた影響について説明できる

■日本における病気と差別の歴史を学び，医薬品と薬剤師の果たす役割について考える（SGD）【根岸健一】

第2部　薬剤師に求められる倫理観

【① 生命倫理】

生命倫理の諸原則（自律尊重，無危害，善行，正義等）について説明できる

■A）医療現場における説明義務とは（SGD，ロールプレイ）【神谷惠子】

■B）がんにまつわる倫理的問題を考える（SGD）【山崎浩司】

■C）HIV/AIDSにまつわる倫理的問題を考える（SGD）【山崎浩司】

■D）尊厳死の意味を考える（SGD）【竹下 啓】

生と死に関わる倫理的問題について討議し，自らの考えを述べる（知識・態度）

■激論!「トリアージ」（PBL，SGD，ディベート，プレゼンテーション）【塩田澄子】

科学技術の進歩，社会情勢の変化に伴う生命観の変遷について概説できる

■A）先端技術を用いる治療にまつわる倫理的問題（SGD）【田村智英子】

■B）あなたは心臓移植を受けますか?（ブレインストーミング，ロールプレイ）【田村智英子】

【② 医療倫理】

薬剤師が遵守すべき倫理規範（薬剤師綱領，薬剤師倫理規定等）について説明できる

■医薬分業とその役割を患者さんに理解してもらう（ロールプレイ）【井手口直子】

医療の進歩に伴う倫理的問題について説明できる

■立場によって受けとめ方が異なる技術と向き合う（SGDもしくはTBL）【齋藤有紀子】

【③ 患者の権利】

患者の価値観，人間性に配慮することの重要性を認識する（態度）

■パートナーを理解しよう（SGD）【田村 豊】

患者の基本的権利の内容（リスボン宣言等）について説明できる

■薬局で遭遇する倫理問題から考える（SGD）【堂囿俊彦】

患者の自己決定権とインフォームドコンセントの意義について説明できる

■治験の同意説明場面からインフォームドコンセントを考える（ロールプレイ）【有田悦子】

【④ 研究倫理】

臨床研究における倫理規範（ヘルシンキ宣言等）について説明できる

■ヘルシンキ宣言成立の歴史を考える（SGD）【氏原　淳】

第3部　信頼関係の構築

【① コミュニケーション】

言語的及び非言語的コミュニケーションについて説明できる

■非言語的メッセージから何を読み取りますか?（SGD）【土屋明美】

相手の立場，文化，習慣等によって，コミュニケーションの在り方が異なることを例を挙げて説明できる

■A）薬の難しい説明をどう伝えますか?（SGD，SPセッション）【後藤惠子】

■B）伝えようとする意志と伝わったことの違いを認識する（SGD）【西村亜佐子】

相手の心理状態とその変化に配慮し，対応する（態度）

■A）サポート体験実習（ブラインド・ウォーク，ミニレクチャー，SGD）【野呂瀬崇彦】

■B）受け止め,共感することを体験する（SGD，ロールプレイ，ミニレクチャー）【有田悦子】

■C）死を迎えようとしている患者（がん末期）への対応（PBL）【寺町ひとみ】

適切な手段により自分の考えや感情を相手に伝えることができる（技能・態度）

■他専門職種に自分の意見を上手に伝えましょう（SGD，ロールプレイ）【後藤惠子】

【② 患者・生活者と薬剤師】

患者や家族，周囲の人々の心身に及ぼす病気やケアの影響について説明できる

■A）自分の病気について話せない患者の気持ちを知る（SGD，SPセッション）【桜井なおみ】

■B）終末期医療と死別ケア（SGD）【山崎浩司】

患者・家族・生活者の心身の状態や多様な価値観に配慮して行動する（態度）

■A）患者シナリオを作る体験を通して（SGD）【富澤　崇】

■B）患者の語りに耳を傾ける（SGD，プレゼンテーション）【後藤惠子】

第4部　多職種連携協働とチーム医療

チーム医療に関わる薬剤師，各職種，患者・家族の役割について説明できる

■チーム医療体験ゲーム【野呂瀬崇彦】

チームワークと情報共有の重要性を理解し，チームの一員としての役割を積極的に果たすように努める（知識・態度）

■アクションラーニングでの問題解決（アクションラーニング）【井手口直子】

第5部　自己研鑽と次世代を担う人材の育成

【① 学習の在り方】

医療・福祉・医薬品に関わる問題，社会的動向，科学の進歩に常に目を向け，自ら課題を見出し， 解決に向けて努力する（態度）

■問題解決技法を学ぶ（KJ法，二次元展開法，ブレインストーミング）【富澤　崇】

必要な情報を的確に収集し，信憑性について判断できる（知識・技能）

得られた情報を論理的に統合・整理し，自らの考えとともに分かりやすく表現できる（技能）

■医療情報のリテラシーを身につける（SGD）【山崎浩司】

【③ 生涯学習】

生涯にわたって自ら学習する重要性を認識し，その意義について説明できる

■キャリアデザインをしよう!（インタビュー，SGD）【井手口直子】

索引

執筆者一覧