麻酔科専攻医が本格的に呼吸管理を学ぶための入門書!呼吸生理から気道評価,人工呼吸器の設定,抜管,鎮静の考え方まで,手術の流れに沿った構成でわかりやすい!周術期管理に携わるすべての医師におすすめ!
目次
序【磯野史朗】
巻頭カラー
第1章 呼吸器系の機能解剖と臨床麻酔
1 呼吸調節【大島 勉】
❶呼吸調節の全体像
❷呼吸調節のメカニズム
❸麻酔(全身麻酔薬,麻薬など)の呼吸調節系への影響
2 上気道:気道維持【磯野史朗】
❶咽頭気道維持のメカニズムと全身麻酔の影響
❷喉頭気道維持のメカニズムと麻酔や手術の影響
❸気管気道病変
3 下気道,肺胞,呼吸筋:酸素化と換気 【内田篤治郎】
❶下気道の構造と気道維持のメカニズム:換気における重要性
❷肺胞の構造と虚脱防止のメカニズム:酸素化における重要性
❸呼吸筋(横隔膜,肋間筋)の役割
❹麻酔薬の呼吸筋,末梢気道,機能的残気量への影響
4 酸素運搬【北村祐司】
❶酸素運搬の目的と因子
❷大気から肺胞までの酸素運搬:呼吸活動による能動的運搬
❸肺胞から血液への酸素運搬
❹血液による酸素運搬
❺末梢組織での酸素運搬
5 気道防御【石川輝彦】
❶鼻・鼻腔での防御
❷咽頭での防御
❸喉頭での防御
❹気管・気管支での防御
❺食道機能における気道防御
第2章 術前管理
1 麻酔前の気道評価【山下 博】
❶さまざまな気道確保困難
❷マスク換気困難と直視型喉頭鏡を用いた喉頭展開困難が同時に起こる場合
❸覚醒時気道確保の適応
2 呼吸機能評価【倉橋清泰】
❶術前に呼吸機能評価が必要なわけ
❷呼吸機能評価法
❸評価結果の解釈と対策
3 画像診断【青山和義】
❶胸部単純X線写真
❷頸部側面単純X線写真(特に関節リウマチ患者の術前評価について)
❸麻酔科医におけるCT検査の有用性
❹術前上気道内視鏡検査
4 睡眠検査【北村祐司】
❶周術期管理における睡眠検査の目的
❷睡眠検査適応患者のスクリーニング:STOP-BANG問診法
❸理学所見によるOSAのスクリーニング
❹周術期睡眠検査の方法
❺小児の術前睡眠検査:MOS分類
❻周術期における睡眠検査実施体制の整備
5 禁煙【甲斐哲也】
❶周術期禁煙ガイドライン
❷喫煙と周術期合併症の関係
❸術前禁煙の効果
❹禁煙期間の問題
❺禁煙の方法
❻禁煙補助薬
❼周術期に禁煙を推進する意義
6 周術期リハビリテーション 【黒澤 一】
❶リハビリテーションの目的・対象
❷リハビリテーションの実際
❸インセンティブスパイロメトリーなどの方法,効果
❹リハビリテーションの効果
7 周術期の口腔管理 【梅田正博】
❶挿管時の歯の損傷と予防法
❷手術部位感染(SSI)
❸術後肺炎と口腔ケア
❹口腔ケアの実際
第3章 導入時
1 日本麻酔科学会 気道管理ガイドライン2014 【 車 武丸】
❶本ガイドラインの基本理念
❷“JSA気道管理アルゴリズム”の要点
2 グリーンゾーン 【鈴木昭広】
❶概説 グリーンゾーンの重要性
❷導入前の準備
❸頭位も事前準備の1つ!
❹マスク換気を確実に行うテクニック
❺器具を用いた気道確保法
❻声門上器具を介した挿管
❼気管支ファイバーによる挿管
3 意識下気管挿管方法【内田寛治】
❶意識下気管挿管の適応患者
❷意識下気管挿管で用いる方法
❸意識下ファイバースコープの適応
❹準備(器具,体位など)
❺意識下気管挿管時の実際
❻実際の挿管手順
❼意識下気管挿管時の合併症とその対応
4 フルストマック【増田孝広,中澤弘一】
❶全身麻酔とフルストマック
❷フルストマックを考慮すべき症例
❸フルストマック症例の気道確保戦略
❹迅速導入について
❺誤嚥の診断と治療
5 イエローゾーンとレッドゾーンでの対応【水本一弘】
❶イエローゾーンの判断
❷覚醒と呼吸再開の方法
❸イエローゾーンでの声門上器具の使用方法
❹イエローゾーンでのV1,V2達成後の対応
❺レッドゾーンの判断
❻輪状甲状膜周囲の解剖
❼輪状甲状膜アプローチの方法と酸素化維持確立後の対応
❽気管切開の判断,PCPSの判断
6 小児の全身麻酔導入 【鈴木康之】
❶小児と成人との違い
❷「日本麻酔科学会 気道管理ガイドライン2014」に準拠した全身麻酔導入方法について
❸小児の困難気道のマーカーは何か?
❹導入時気道確保困難予測小児への対応
❺イエローゾーンでの対処
❻レッドゾーンでの対応
第4章 手術中
1 人工呼吸管理【花崎元彦】
❶全身麻酔中の人工呼吸の特徴
❷換気モードと設定
2 麻酔中のモニタリングと血液ガス分析 【小倉玲美,大塚将秀】
❶換気様式ごとに正常波形(呼吸流量・気道内圧波形)を理解する
❷呼吸流量・気道内圧波形の異常
❸カプノグラムから換気状態を把握する
❹麻酔中の血液ガス分析
3 肺保護戦略【中里桂子,池崎弘之,竹田晋浩】
❶PPCs(postoperative pulmonary complications)とは
❷肺保護戦略の目的・効果
❸術中肺保護戦略の適応患者
❹肺保護戦略の方法
4 片肺換気【石川晴士】
❶片肺換気の目的と適応
❷片肺換気の呼吸生理
❸片肺換気の方法
❹片肺換気中の異常の発見と対処
5 声門上器具による呼吸管理 【金 史信】
❶SGDの利点と欠点
❷SGDの種類
❸SGDの適応
❹SGDの留置方法
❺自発呼吸か陽圧換気か
❻SGDによる呼吸管理中のトラブルとその対処
6 小児の術中呼吸管理
❶小児でカフ付き気管チューブを用いることの有用性と問題点
❷人工呼吸モードの選択について【小原崇一郎】
❸人工呼吸中の呼吸に関するモニター
❹よくあるトラブルとその対処【古賀洋安,蔵谷紀文】
第5章 覚醒・抜管
1 覚醒・抜管の方法【菅沼絵美理】
❶覚醒・抜管の評価~深麻酔期~
❷抜管準備・覚醒~浅麻酔期~
❸抜管・抜管後の評価
2 抜管前後の上気道機能評価【田垣内祐吾】
❶“直死につながる病態”~抜管後の上気道機能低下とその臨床的意義
❷抜管前に上気道機能を評価する方法
❸抜管後上気道閉塞の症候
❹抜管後上気道閉塞の原因
❺陰圧性肺水腫
3 抜管後の呼吸トラブルとその対処方法【中川雅史】
❶覚醒抜管(通常の抜管)
❷深麻酔(覚醒前)抜管の適応
❸麻酔覚醒に関連したトラブル,覚醒時興奮
❹抜管後再挿管の判断基準
❺抜管後再挿管の方法
❻AEC留置後抜管対応アルゴリズム
4 小児の覚醒・抜管【堀木としみ】
❶抜管のガイドライン
❷小児の全身麻酔後の抜管手順
❸日常の抜管時に考慮するべき因子
第6章 術後呼吸管理
1 呼吸管理方法(抜管しない場合)【平林 剛】
❶術後人工呼吸管理の適応
❷国際標準化機構ISOによる呼吸モードの標準化
❸呼吸モードの選択
❹鎮静
❺ウィーニング
2 術後呼吸管理(抜管患者)【花崎元彦】
❶術後低酸素血症
❷酸素療法
❸その他
❹術後酸素投与はいつまで行うか
❺呼吸のモニタリング
3 小児の術後人工呼吸管理【稲田 雄,橘 一也,竹内宗之】
❶術後人工呼吸管理の適応
❷人工呼吸中の小児特有の問題点
❸人工呼吸中の鎮静
❹抜管と抜管後の注意点
第7章 鎮静中の気道・呼吸管理
1 歯科鎮静:適応,方法,呼吸モニタリング【飯島毅彦,幸塚裕也】
❶局所麻酔補助としての鎮静の適応,禁忌と方法
❷目的とする鎮静レベルと評価
❸鎮静薬の種類と目的,投与方法
❹鎮静中の呼吸モニタリングの種類と方法〜精度と限界
❺術後の管理
2 鎮静の原則,方法,呼吸モニタリング 【磯野史朗】
❶鎮静,鎮痛のどちらが必要なのか?
❷鎮静のリスク評価と施行前チェックリスト
❸鎮静薬,鎮痛薬の投与方法
❹鎮静中のバイタルサインチェック
❺鎮静中の呼吸状態変化とその対応
❻鎮静後の患者管理
3 小児の鎮静【三浦由紀子,香川哲郎】
❶鎮静レベル
❷患者評価
❸術前準備
❹鎮静中の気道管理
❺鎮静の実際
第8章 術前呼吸器系合併症とその対策
1 閉塞性睡眠時無呼吸:小児【北村祐司】
❶小児OSAの特徴
❷術前評価
❸術中・術後管理
2 閉塞性睡眠時無呼吸:成人【田垣内祐吾】
❶OSAの病態生理
❷OSA患者はどの程度存在するのか?
❸麻酔上の対策
❹術後のOSA治療方法
3 病的肥満患者の周術期呼吸管理【菅沼絵美理】
❶肥満のタイプと解剖学的・生理学的変化
❷術前気道評価
❸麻酔導入
❹麻酔からの覚醒・抜管
4 COPD【五藤恵次】
❶病態生理の特徴
❷周術期のリスク:「何が」「なぜ」怖いのか?
❸術前の呼吸管理
❹全身麻酔中の呼吸管理
❺術後の呼吸管理
5 喘息 【内田篤治郎】
❶病態生理
❷管理の基本
❸気管支喘息患者の麻酔管理
6 特発性肺線維症/特発性間質性肺炎 【五藤恵次】
❶病態生理の特徴
❷周術期のリスク:「何が」「なぜ」怖いのか?
❸術前管理
❹術中の呼吸管理
❺術後管理
7 頭頸部腫瘍【飯島毅彦,嶋根俊和】
❶頭頸部腫瘍に伴う呼吸器系合併症の特徴
❷一次治療の場合
❸救済手術,あるいは二期的手術の場合
❹化学療法,放射線治療後の手術
❺進行した気道狭窄により,局所麻酔下での気管切開もリスクが高い症例
8 縦隔腫瘍【内田寛治】
❶縦隔腫瘍の分類
❷縦隔腫瘍症候群とは?
❸MMSのリスク評価
❹縦隔腫瘍患者の麻酔管理
❺術後
9 ARDS【川村 篤,橘 一也,竹内宗之】
❶ARDSの定義と病態
❷呼吸管理の実際
10 顎顔面奇形【鈴木康之】
❶頭蓋骨早期癒合症
❷術前の呼吸の評価
❸頭蓋顔面奇形に伴う睡眠時無呼吸
❹鰓弓異常に伴う症候群
❺唇裂,口蓋裂
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- 【本書名】麻酔科医として必ず知っておきたい周術期の呼吸管理〜解剖生理から気道評価・管理、抜管トラブル、呼吸器系合併症の対策まで
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