栄養科学イラストレイテッド

食品衛生学

  • 田﨑達明/編
  • 2017年02月03日発行
  • B5判
  • 224ページ
  • ISBN 978-4-7581-1352-6
  • 3,080(本体2,800円+税)
  • 在庫:なし
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学生が苦手とする食品衛生関連の法律・制度から,食中毒・有害物質の科学的な知識まで,オールカラーで解説!管理栄養士養成校の学生はもちろん,食品衛生監視員・食品衛生管理者養成校の教科書としても役立つ1冊.

目次

序【田﨑達明】

第1章 食品衛生と法規【田﨑達明】

1 食品衛生の概要

A 食品に起因する危害
B 食品衛生の定義
C 国際社会とのかかわり

2 わが国の法規

A 法規の成り立ち
B 食と法規

3 食品の安全性の確保

A 安全性確保のための行政方針
B リスク分析(リスクアナリシス)

4 食品安全基本法と食品衛生法

A 食品安全基本法
B 食品衛生法

5 食品衛生に直接関連する法規

A 食品表示法
B 健康増進法

6 食品衛生に間接的に関連する法規

A 医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律
B と畜場法
C 食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律
D 地域保健法

7 日本の食品衛生行政組織

A 食品安全委員会の構成と役割
B 厚生労働省等
C 地方自治体
D 食品衛生監視員などの人的制度

8 食品衛生にかかわる国際的組織およびその委員会

A 世界保健機構(WHO)
B 国際食糧農業機関(FAO)
C Codex委員会(CAC)
D その他の会議・委員会等
E 食品等にかかわるその他の国際機関

[食品衛生Case Study]食品と添加物,およびそれらを規定する法律

第2章 食品の変質【井部明広,笹本剛生】

1 食品の変質とは

A 変質の定義
B 腐敗,発酵,酸化,酸敗,変敗

2 微生物による変質

A 変質にかかわる微生物
B 微生物による成分変化

3 鮮度,腐敗度の判定法

A 官能検査
B 生菌数
C 揮発性塩基窒素(VBN)
D K値(K value)

4 化学的変質

A 自己融解・自己消化
B 酵素的褐変
C 非酵素的褐変
D 油脂の酸敗

5 酸敗の判定法

A 酸価(AV)
B 過酸化物価(POV)
C 判定法の利用

6 食品成分の変化により生じる有害物質

A トランス型不飽和脂肪酸(トランス脂肪酸)
B アクリルアミド
C カルバミン酸エチル
D グリシドール脂肪酸エステル
E クロロプロパノール類
F 多環芳香族炭化水素
G 複素環アミン

7 食品の変質防止法

A 微生物による変質の防止
B 化学・物理的反応による変質防止

[食品衛生Case Study]ポテトチップスからクレヨン臭

第3章 食中毒【平井昭彦,田﨑達明】

1 食中毒とは

A 食中毒の定義
B 細菌性食中毒
C ウイルス性食中毒
D 寄生虫
E 化学物質
F 自然毒
G 食中毒予防の三原則

2 食中毒の発生状況

A 年次別食中毒発生状況
B 月別食中毒発生状況
C 病因物質別食中毒発生状況
D 病因物質別1事件当たりの患者数
E 原因施設別食中毒発生状況
F 原因食品別食中毒事件数

3 細菌性感染型食中毒

A サルモネラ属菌
B 腸炎ビブリオ
C 病原大腸菌
D ウェルシュ菌
E エルシニア
F セレウス菌(下痢型)
G カンピロバクター
H ナグビブリオ,病原ビブリオ,エロモナス,プレジオモナス
I 三類感染症起因菌(コレラ菌,赤痢菌,チフス菌,パラチフスA菌)
J リステリア・モノサイトゲネス

4 細菌性毒素型食中毒

A ブドウ球菌
B ボツリヌス菌
C セレウス菌(嘔吐型)

5 ウイルス性食中毒

A ノロウイルス
B サポウイルス
C ロタウイルス
D A型肝炎ウイルス
E E型肝炎ウイルス

6 人獣共通感染症

A 概要
B 牛海綿状脳症(BSE)

7 食品と寄生虫疾患

8 魚介類から感染する寄生虫

A アニサキス
B クドア属粘液胞子虫
C 顎口虫
D 旋尾線虫
E 肺吸虫
F 肝吸虫
G 裂頭条虫

9 肉類から感染する寄生虫

A トキソプラズマ
B サルコシスティス・フェアリー
C 犬回虫
D トリヒナ(旋毛虫)
E アジア条虫
F 無鉤条虫
G 有鉤条虫
H マンソン孤虫

10 野菜・水から感染する寄生虫

A ジアルジア
B クリプトスポリジウム
C サイクロスポーラ症
D ヒト回虫症
E 鞭虫症
F 鉤虫症
G 肝蛭
H エキノコックス症

11 化学物質による食中毒

A ヒスタミン
B 有害元素(水銀,カドミウム,ヒ素,PCB,銅,スズ)
C 農薬

12 動物性自然毒

A フグ毒
B シガテラ毒
C 麻痺性貝毒
D 下痢性貝毒
E その他の動物性自然毒

13 植物・真菌性自然毒

A キノコ毒
B アルカロイド配糖体
C 青酸配糖体
D アルカロイド含有植物
E プロスタグランジンE2

14 食中毒の原因調査および統計的手法

A 食中毒の原因調査
B 統計的手法

[食品衛生Case Study]浅漬けによる腸管出血性大腸菌O157の集団食中毒からの教訓

第4章 食品中の汚染物質【笹本剛生】

1 カビ毒(マイコトキシン)

A カビ毒とは
B カビ毒の種類と汚染食品

2 化学物質

A 残留性有機汚染物質(POPs)
B 内分泌かく乱物質

3 有害元素

A ヒ素(As)
B カドミウム(Cd)
C 水銀(Hg)
D 鉛(Pb)
E スズ(Sn)

4 放射性物質

A 放射線の種類と単位
B 放射線の人体への影響
C 放射性物質による食品汚染
D 食品の放射能測定

5 異物混入

A 異物混入の概要
B 動物性異物
C 植物性異物
D 鉱物性異物
E フードディフェンス

[食品衛生Case Study]有害化学物質と食生活

第5章 食品添加物および残留農薬等【高野伊知郎】

1 食品添加物とは

A 食品添加物の概念と定義
B 食品添加物の指定基準
C 成分規格と使用基準

2 食品添加物の安全性評価

A 安全性の考え方と評価の方法
B 食品添加物の1日摂取量調査

3 食品衛生法による食品添加物の分類

A 分類
B 種類と用途
C 防かび剤の分類
D 使用を許可されていない食品添加物

4 農薬,動物用医薬品の種類と用途

A 農薬の種類と用途
B 動物用医薬品の種類と用途
C 飼料添加物の種類と用途

5 ポジティブリスト制度

6 器具および容器包装について

A 概要と定義
B 素材の特徴,用途および規格
C 廃棄とリサイクル
D 食品の包装技術

7 遺伝子組換え食品

A 遺伝子組換え食品とは
B 遺伝子組換え食品および添加物の安全性

[食品衛生Case Study]酸性飲料による金属容器の成分溶出に伴う中毒

第6章 食品衛生管理【豊福 肇】

1 食品衛生管理の重要性

2 食品工場等における一般的衛生管理とHACCP

A 一般的衛生管理の概要
B HACCPシステムの概要
C 適正農業規範,適正製造規範とHACCPとのかかわり
D GHPとHACCPとのかかわり

3 Codex委員会が定める食品衛生の一般原則の規範

A SectionⅠ:目的
B SectionⅡ:範囲,使用および定義
C SectionⅢ:一次生産
D SectionⅣ:施設:設計および設備
E SectionⅤ:操作の管理
F SectionⅥ:施設:保守およびサニテーション
G SectionⅦ:施設:従事者の衛生
H SectionⅧ:輸送
I SectionⅨ:製品の情報および消費者の認識
J SectionⅩ:教育・訓練

4 管理運営基準

A 管理運営基準の概要
B 管理運営基準の改正

5 HACCP7原則の適用と実施

A 対象とするハザード
B HACCP 7原則適用の準備段階
C HACCP7原則

6 集団給食施設等における衛生管理

A 対象
B 調理過程における重要管理事項

7 国際標準化機構(ISO)

A ISO
B ISO9000シリーズ
C ISO22000

8 日本におけるHACCPの普及推進

[食品衛生Case Study]食品製造・加工における食中毒事件発生例

第7章 食品表示制度【栗田滋通】

1 食品表示法の概要

A 食品表示がもつ役割と機能
B 食品表示に関連する主な法律
C 食品表示法の制定
D 食品表示法の目的と基本理念
E 食品表示基準と遵守
F 不適正な表示に対する措置
G 消費者の権利と自立支援
H 罰則(第17〜23条)

2 衛生事項および品質事項に関する食品表示基準

A 食品表示基準の概要
B 食品表示の方法
C 主な食品表示項目の概要

3 保健事項に関する食品表示基準

A 栄養成分の量および熱量
B 栄養成分等の表示方法

4 保健機能食品(任意表示)

A 特定保健用食品(通称:トクホ)
B 栄養機能食品
C 機能性表示食品

[食品衛生Case Study]ビタミンAの過剰摂取による健康被害

付録 関連法規および基準

付録1:食品安全基本法(抜粋)

付録2:食品衛生法(抜粋)

付録3:食品表示法(抜粋)

付録4:食品の規格基準

付録5:食品添加物の規格基準

書評・感想
  • 食品衛生学の基礎を学ぶ人にとって、分かりやすい内容だと思う。文章表現が平易であること、図が多いことは、初学者にはありがたい。コラムに具体的な事例が掲載されているのも、興味を持つきっかけになるので良い。

    私立大学生命科学部准教授

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