もちろん,薬を飲むことで安心したり満足したりするという患者さんもいます.でも,「こんなに薬飲んでて大丈夫かなあ?」という漠然とした不安を抱えながら医者には言えなかったり,実際に処方された薬を全部は飲んでいない患者さんもたくさんいます.先生には絶対に言わないで…と言いながら,毎回もらった薬を全部捨てていたという患者さんがいました.在宅訪問診療で自宅に伺ったら,薬の問屋さんか?と思うほど,多くの残薬を抱えている患者さんもいました.そもそもそれが嫌で通院しなくなってしまう方もいます.医者が思っている以上に患者さんは薬を飲みたくない,飲んでいないというのも事実です.「クスリのリスク」という表現で副作用については啓蒙されていますが,1つ1つの薬の副作用というだけではなく,薬をたくさん組み合わせて飲むことによって,実は害が起こるかもしれないということはあまり知られていないのではないでしょうか? 薬が増えれば増えるほど,組み合わせによる相互作用は指数関数的に増えていきますし,本来飲むべき薬が飲まれなかったり,処方自体がされなかったりということにも繋がっていきます.
(中略)
今回は「ポリファーマシー」の特集です.まだまだ日本では十分浸透しているとは言えないこの概念について,新進気鋭の若手総合診療医を中心に健筆を振るってもらいました.この言葉を聞いたことがある人もない人も,本特集を通じてその概念・問題点・具体的な介入方法などを学んでいただければ嬉しいです.「薬が多いのはいかん!」とか「薬をドンドンやめればいいんだ!」といった短絡的なメッセージが伝わるのも問題ですが,盲目的に「薬を飲んでいれば大丈夫」と思っている患者さん,「薬は多いとは思うけど,しかたないよね」と思っているような医療者がポリファーマシーについて考える機会になればと思います.これから臨床の現場で活躍していく若手の先生方がこの概念を知って,処方をするときに意識したり,情報提供したりしていくことが,これからの日本のポリファーマシーを変えていく1つの方法だと思っています.皆さんにとって,今回の特集が何かしらのきっかけになることを願っています.
薬のリスクがまるごとわかる!薬の相互作用,副作用,処方の見直し方を解説.救急外来や病棟で出会うポリファーマシーの「何が問題なの?」「危険な薬の組み合わせは?」「具体的にどうしたらいいの?」に答えます.
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