エコーで全身を診察し,迅速に判断を下すための必須ポイント・考え方がわかる!緊急度・重症度の評価・診断やマイナーエマージェンシー,穿刺補助,モニタリング…等,救急医が押さえたい各場面での活かし方を1冊にギュッと凝縮!
−後略−
救急患者の診察にあたる際には,問診をして,身体診察を行って,鑑別診断を考えるうえで必要な検査をオーダーして診断を確定する.緊急度が高い場合には,必要な検査結果が揃う前に患者の状態が悪化することがあるため,つい多くの検査をオーダーしてしまう.治療経過を振り返ると必ずしも必要な検査であったのか,患者に不必要な侵襲を与えているのではないか,と議論することが往々にしてあるが,超音波検査は侵襲の少ない検査法として重用されている.
本書の監修と編集にあたった森村先生と本多先生は,書中で超音波を検査でなく“超音波診”として,問診,視診,聴診,打診,触診に続く身体診察の一法に位置づけている.なるほど最近の超音波検査機器はサイズも小さく機能も優れており,超音波検査をオーダーして専門の技師や医師に行ってもらう必要がなければ,ベッドサイドで身体診察の一環として行うことが可能なのである.
ベッドサイドでのスクリーニング的な超音波診として,すでに外傷患者の初療に行うFAST(focused assessment with sonography for trauma)が一般的である.しかし内因性の救急搬送患者にスクリーニングとして超音波診を行うことは一般的とはなっていない.なぜならFAST のF にあたる,急性期に何に焦点を当てるか,が理解されておらず時間をかけ過ぎることが原因と思われる.
本書では救急患者の“身体診察”として行う超音波診と,その後の確定診断に有用なマイナーエマージェンシーに対する超音波診について丁寧に解説されており,本書を通読すればER 診療に使える武器が増えることは間違いない.研修医はもちろん,救急現場で働く看護師や救急救命士にも読んでもらいたい内容である.本書は“J-POCKEYS(Japan Point of Care & Know-How for Emergency Sonography)”という美味しそうな名前のセミナーを書籍化したものであり,多くの研修医や看護師に教育してきたノウハウを積み重ねたことがうかがわれる.
さっそく当院でも研修医たちの教育にとり入れるとしよう.だがその前に,超音波検査機器の台数が少なくとても重くて,十分にその教育を受けてこなかった自分たちが,こっそりと復習することも忘れずに….
本書は,経験年数や職種に限らず,救急医療にかかわる医療従事者に間違いなく有用である.
杉田 学(順天堂大学医学部附属練馬病院 救急・集中治療科 教授)
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