レジデントノート誌の人気連載の単行本化,待望の3巻目!敗血症の新定義や抗菌薬適正使用など,ICUの現場で注目されているトピックスについて,研修医目線でやさしく噛み砕いて教えます!
「教えて!ICU 集中治療に強くなる」のPart3 が出版された.著者は,集中治療という専門分野で活躍されているにもかかわらず,専門はないと言っておられるが,まさに集中治療とは,総合診療の重症版だと私の同感である.そんな著者が手がけている“教えて! ICU 集中治療に強くなる”シリーズがPart3 まで続いていることからも,臨床に携わっている読者からの大きな期待があることがうかがわれる.
それでは,この書籍はどのような特徴になっているのだろうか.研修医は,一般病棟の患者のプロブレムリストを挙げ,それに対するアセスメントと治療方針を立てることができるが,重症患者になるとどこから手をつけていいかわからず,途方にくれることが多くある.そんな時に,Part1 からPart3 まで読むと,頭の中でモヤモヤしている霧が少しずつ晴れて,集中治療の面白さにあらためて気づかされるようなイメージではないだろうか.理由として,内容が理解しやすい構成となっているばかりでなく,視覚的にわかりやすく図表が使用されている.そして,対話形式になっているので,それぞれの問題,回答がすんなりと頭に入りやすくなっている.そのように,集中治療をこれから始める方,集中治療をローテートされる方,医師以外で集中治療に携わっている方でも理解できるようになっている.筆者がベッドサイドで回診するときに,ティーチングで教えるツボが随所に含まれていて,要所はしっかりと押さえられている.
書籍の構成が,緊急対応,意識,呼吸,循環,血栓,感染となっており,著者は,常日頃横断的に患者管理をしていることが内容からも読み取れる.呼吸・循環は,すべてのシリーズに含まれており,2013 年のPart1出版以来,各Part ごとの発行当時の最新情報にも,若手読者目線で切り込んでいる.
今回のテーマで斬新なものとして,下記の2つが挙げられる.実は,神経集中治療がブームになりつつあり,各地でいろいろなセミナーなどが開催されて,今が旬である.その中軸をなす,ICU におけるてんかん発作,NCSE(non-convulsive status epilepticus:非けいれん性てんかん重積状態)などが盛り込まれ,持続脳波モニタリングについても記載されている.次に,“温故知新 スワンガンツカテーテルって何?”である.これは,多くの施設で最近,スワンガンツカテーテルの使用する頻度が減り,循環器・心臓血管外科でいまだ使用されているが,集中治療医が経験する機会は極端に減少している.あえて,若い読者層にどのような背景で,ICU で使用されなくなってきたかの説明と,症例を選べば,有用な可能性があることも示唆されている.それ故,完全に消滅せずに生き残っているのであろう.エビデンスがすべてでないことも,ピリッとフレーバー的に警鐘を鳴らしている.
まだまだ書評に記したいことはあるが,今後このシリーズが続くことを楽しみにしている.
藤谷茂樹(聖マリアンナ医科大学救急医学集中治療部)
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