現在の糖尿病の分子生物学的研究は,IDDMを除くと遺伝子の研究よりもインスリンの分泌,作用に関わる蛋白の研究が多く見られる.本書は,その様な研究の現状をまとめ,インスリンに関わる病態,研究を解説した.
目次
第Ⅰ章 インスリン分泌機構の分子生物学
1 インスリン遺伝子の発現と調節【佐倉 宏】
2 膵島b細胞グルコキナーゼ−グルコースセンサーとしての意義と最近の知見【清水孝郎】
3 K+,Ca2+チャネルとインスリン分泌【清野 進】
4 膵ラ氏島の糖輸送担体【清野 裕/安田浩一朗】
5 PI代謝回転,Cキナーゼとインスリン分泌【山谷利幸/千葉 勉】
6 IAPP遺伝子とその病態生理学的意義【三家登喜夫/西 理宏/南條輝志男】
第Ⅱ章 インスリン作用の分子生物学
1 インスリンレセプター遺伝子とその発現調節【村上 尚/荒木栄一/金井文彦/城谷哲也/蛯名洋介】
2 レセプターキナーゼとシグナル伝達【春日雅人】
3 インスリン作用のセカンドメッセンジャー,イノシ卜ールグリカンとジアシルグリセロール【鈴木 進】
4 糖輸送担体遺伝子の構造と発現調節【福本博文/清野 進/G. I. Bell】
5 糖輸送担体の構造と機能【岡 芳知/浅野知一郎】
6 へキソキナーゼとグルコキナーゼ【西 重生/日向真一/吉見輝也】
7 インスリン効果器官におけるホスホフルクトキナーゼ遺伝子の機能とその異常【中島 弘/河野典夫/垂井清一郎】
8 インスリン分解酵素とその病態学的意義【小川 渉/志伊光瑞/横野浩一】
第Ⅲ章 糖尿病発症の分子機構
1 異常インスリンによる糖尿病【西 理宏/三家登喜夫/南條輝志男】
2 インスリン受容体の遺伝子変異と糖尿病【門脇 孝】
3 インスリン依存性糖尿病(IDDM)とHLA【池上博司/荻原俊男】
4 糖尿病モデル動物における糖尿病発症遺伝子の解析−NODマウスを中心として【福田正博/服部正和】
5 糖尿病とトランスジェニックマウス【寺内康夫/門脇 孝/春日雅人】
6 NIDDMと発症遺伝子−RFLP解析法による研究【加来浩平】
7 糖尿病におけるインスリンレセプター【島田典生/鈴木義史/牧野英一/吉田 尚】
8 糖尿病と糖輸送担体【小崎篤志/葛谷英嗣】
第Ⅳ章 糖尿病合併症の分子機構
1 蛋白グリケーションの機構【宮田 哲】
2 ポリオール経路とミオイノシトール【堀田 饒/坂本信夫】
3 アルドース還元酵素の分子生物学【谷本 剛/西村千尋】
4 コラーゲンと腎合併症【羽田勝計】
5 高血糖とCキナーゼの活性化【柴 輝男/井口登与志/George L. King】
6 糖尿病の分子機構−増殖因子と血管合併症【梅田文夫/中島直樹】
第Ⅴ章 糖尿病治療への分子的アプローチ
1 インスリン遺伝子による糖尿病の遺伝子治療【板倉光夫】
2 NODマウスの遺伝子治療【山村研一】
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- 【本書名】実験医学増刊:糖尿病の分子生物学
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