免疫という言葉は広く世間に浸透していますが，その実際は語りつくせないほど深いものです．それだけに，常に世界中で関心を集めてやまない分野として追究され続けています．今月，笹月健彦先生の企画で特集いたしましたMHCはその中枢に位置するもので，臨床医学への応用が可能な段階まで解明されてきました．研究に携わらない人々にまで直接に影響を与えつつあるといえるのではないでしょうか．

特集

MHCとペプチド

企画／笹月健彦

＜序文＞レセプター，リガンド，トランスポーター，トランデューサーとしてのMHC【笹月健彦】

MHCクラスⅠ分子の構造と自己ペプチドとの邂逅【滝口雅文】

MHCクラスⅡ分子の構造と抗原ペプチドの提示【西村泰治】

クラスⅠ結合ペプチドの解析【上川路信博】

クラスⅡ結合ペプチドとT細胞応答【松下　祥】

自己免疫疾患とペプチド【吉田謙二／菊谷　仁】

MHC／ペプチドの医療への応用【小笠原一誠】

トピックス

CURRENT TOPICS

線虫細胞死遺伝子ced-3とプロテアーゼICE【三浦正幸】

IRF-1欠損マウスにおけるインターフエロン系とT細胞分化の異常【松山俊文】

インターロイキン8と再灌流障害【向田直史／松島綱治】

連載

続・大いなる仮説

蛋白の機能を担う活性部はごく平凡なペプチドより成っているという観察【大野　乾】

クローズアップ実験法

急速凍結法とケージド化合物を応用した時分割電子顕微鏡法【船津高志】

注目されるシグナル伝達因子＜細胞外因子ハイライト＞

VEGF-Fltキナーゼのリガンド−血管内皮細胞増殖因子【渋谷正史】

SCF／MGF−c-kitのリガンド−血液幹細胞増殖因子【金倉　譲／北村幸彦】

neuregulin／heregulin【本田繁之】

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【本書名】実験医学：ＭＨＣとペプチド
【出版社名】羊土社

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