さまざまな情報伝達機構のモジュールとして働くタンパク質リン酸化反応．この反応を触媒する酵素として，忘れてはならないのがセリン/スレオニンキナーゼです．受容体型セリン/スレオニンキナーゼの発見やMAPキナーゼに代表されるような新しいシグナルカスケードの発見など，この酵素に関する研究は，再びプロテインキナーゼ研究の最先端を担うものとなりつつあります．本号では，名古屋大学の日高弘義先生にご企画いただき，セリン/スレオニンキナーゼ研究をめぐるトピックスについて特集いたしました．

特集

セリン／スレオニンキナーゼ－そのトピックス

企画／日高弘義

<序にかえて>今，なぜセリン／スレオニンキナーゼなのか【日高弘義】

膜型セリン／スレオニンキナーゼファミリー【土田邦博】

Ca2+／カルモジュリン依存性プロテインキナーゼⅠの構造と活性調節【Angus C. Nairn】

核内セリン／スレオニンキナーゼによる細胞周期，癌化，老化の制御　サイクリン依存性キナーゼを中心に【冨永　薫／金子葉子／中西　真】

スプライシングのリン酸化制御【萩原正敏】

MAPキナーゼの標的タンパク質　転写因子とMAPKAPキナーゼファミリー【福永理己郎】

プロテインキナーゼとして機能するPI3キナーゼファミリー【下村俊泰／安藤聖子／杉本勝則】

キナーゼの高次構造情報に基づく阻害分子の理論設計【日高弘義／斎藤　望】

トピックス

CURRENT TOPICS

チロシンキナーゼ下流の情報連結因子Dok　７年目のrasGAP結合タンパク質p62【山梨裕司】

ウイルスベクターを用いた抗血管新生療法【田中俊英】

ATP合成酵素は回転している【吉田賢右／野地博行／久堀　徹】

連載

クローズアップ実験法

ピコモルレベルのリン酸化部位同定法　質量分析をタンパク質構造解析へ応用する【山内英美子／谷口寿章】

ONE POINT実験法

Real-time detection PCRを用いたRNAの定量【勝目朝夫／竹内朋子／小原道法】

生命科学者になるための10か条

第７条（後半）－研究テーマを見つけよう【柳田充弘】

先祖物語

３.脊椎動物が脊椎動物たる理由【大野　乾】

ラボレポート

パリ・ヴァンセンヌの森より(Institut d’Embryologie Cellulaire et Moléculaire)【渡辺裕二】

WIDE VIEW

電磁波は本当に危ないのか？　電磁界が環境や生体に与える影響【菊地　眞】

研究室の小さな生きものたち

いそいそとイソアワモチと【西　孝子】

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【本書名】実験医学：セリン/スレオニンキナーゼ　そのトピックス
【出版社名】羊土社

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