アポトーシス研究の歴史から最新トピックスまでこの1冊で一気にわかる!アポトーシス誘導機構とその解明に貢献した実験法も解説.初学者が理解しやすいよう,研究の歴史の年表や,概略図,重要事項のまとめ付き!
目次
歴史編
1.研究の歴史
アポトーシス研究を推進したブレイクスルー 恵口 豊,辻本賀英
1.細胞死研究の夜明け−Kerr,Wyllie,Currieの研究以前
2.アポトーシスの提唱
3.線虫
C. elegansを用いた研究
4.Bcl-2とFas
1)Bcl-2ファミリー
2)Fas
5.カスパーゼの発見
6.シトクロムcの関与とApaf-1の発見
7.染色体DNA分解と核の形態変化
8.DNA傷害とp53依存的アポトーシス
9.キナーゼの関与
1)PI3KとAkt
2)ASK1とJNK
10.昆虫におけるアポトーシス研究と哺乳類アポトーシス研究の共同作業
まとめ
2.ブレイクスルーとなった実験法から最新技術まで
アポトーシス研究を支えた実験法 恵口 豊,辻本賀英
1.電子顕微鏡と光学顕微鏡による形態学的解析
2.DNAラダー検出法によるアポトーシスの検出
3.Cell free系で数多くの重要な因子が発見された
1)細胞抽出液を用いた実験系
2)単離核を用いた実験系
3)単離ミトコンドリアを用いた実験系
4.タンパク質間相互作用検出法
1)免疫沈降法
2)two-hybrid法
5.データベース解析によるアポトーシス関連遺伝子の探索
レビュー編
第1章
デスレセプターによる細胞生死決定 米原 伸
1.デスレセプターとそのアポトーシス誘導シグナル
2.デスレセプターを介するシグナルの制御
3.デスレセプター下流のアポトーシスシグナル分子のもつ多様な生理機能
4.今後の研究の展開
第2章
ストレスキナーゼによる細胞死制御−MAPキナーゼ:JNK,p38 武田弘資,一條秀憲
1.ストレスシグナル伝達系としてのMAPキナーゼ経路
2.JNK経路による細胞死の制御
1)JNKノックアウトマウスを用いた研究
2)c-Junを介した細胞死制御
3)Bcl-2ファミリー分子を介した細胞死の制御
4)TNF-αによる細胞死
5)14-3-3タンパク質のリン酸化制御
3.p38経路による細胞死の制御
1)p38ノックアウトマウスを用いた研究
2)p38の生理機能
3)p38による細胞死の誘導機構
4.今後の研究の展開
第3章
Bcl-2ファミリータンパク質によるプログラム細胞死の制御 清水重臣,辻本賀英
1.ミトコンドリアの膜透過性変化がアポトーシスのon/offを決定する
2.Bcl-2ファミリータンパク質にはアポトーシスを抑制するものと促進するものがある
1)Bcl-2ファミリータンパク質の構造と分類
2)BHドメインの機能
3.BH3-onlyタンパク質はアポトーシス実行の引き金となる
4.Bax/Bakの活性化機構
5.Bcl-2/Bcl-xLの多様な機能
1)アポトーシスの抑制
2)非アポトーシス細胞死の制御
第4章
p53によるアポトーシス制御のメカニズム 大木理恵子,田矢洋一
1.p53はアポトーシスを誘導することによりがん抑制的機能を発揮する
2.転写依存的経路を介したアポトーシスの誘導
1)p53活性制御にかかわる標的遺伝子
2)活性酸素ストレス応答を介したアポトーシス経路にかかわる標的遺伝子
3)細胞膜表面に存在するレセプターを介したミトコンドリアを介さないアポトーシスの経路
にかかわる標的遺伝子
4)ミトコンドリアを介したアポトーシスの経路にかかわる標的遺伝子
3.転写非依存的経路を介したアポトーシス誘導
第5章
キナーゼによる細胞生存の制御 青木一郎,後藤由季子
1.生存シグナルを伝達するキナーゼ
1)Aktによる生存促進のメカニズム
2)MAPK:ERK1/2による生存促進のメカニズム
2.生存シグナルと細胞死シグナルの収束点
第6章
モデル動物を用いたプログラム細胞死の解析—カスパーゼ経路の発見と生理機能 三浦正幸,殿城亜矢子
1.線虫を用いたプログラム細胞死の遺伝学的研究
1)線虫では特定の細胞が決められた時期に死ぬ
2)細胞死を制御するシグナル伝達遺伝子の解明
2.カスパーゼ活性化経路と細胞死
3.ショウジョウバエを用いたプログラム細胞死研究
4.細胞死経路と生理機能の進化的保存性と多様性
第7章
プログラム細胞死と神経変性疾患 高橋良輔,王 華芹,小林芳人
1.アルツハイマー病
2.パーキンソン病
1)α-シヌクレイン
2)Parkin
3.筋萎縮性側索硬化症
4.IAPと神経変性
5.今後の研究の展開
UP TO DATE
最新トピックスがわかる
1.シトクロム
cはミトコンドリア依存的アポトーシスに必須か?
(辻本賀英)
2.細胞は多様な死のメカニズムを準備している
(辻本賀英)
3.aspase-8はアポトーシス誘導だけでなく免疫細胞におけるNF-κB活性化にも関与する
(米原 伸)
4.caspase-8はneuroblastomaの転移抑制に関与するがん抑制遺伝子産物である
(米原 伸)
5.p38 MAPキナーゼの標的分子について再考する−より特異性の高い薬物治療へ向けて−
(武田弘資,一條秀憲)
6.キナーゼカスケードの混線を防ぐ
(武田弘資,一條秀憲)
7.Bcl-2ファミリータンパク質は非アポトーシス細胞死も制御する
(清水重臣,辻本賀英)
8.ネクローシスを制御するミトコンドリアの孔
(清水重臣,辻本賀英)
9.BH3-onlyタンパク質のBidは,核内においても機能していた
(大木理恵子,田矢洋一)
10.p53のN末端を欠損したp53アイソフォームはマウスの寿命を調節する
(大木理恵子,田矢洋一)
11.DNA損傷に伴ってcaspase-2を活性化するタンパク質複合体PIDDosome
(大木理恵子,田矢洋一)
12.アポトーシス制御に働くp53とMcl-1の両者をユビキチン化する新規ユビキチンリガーゼ
(大木理恵子,田矢洋一)
13.PDK2:PI3K-Akt経路に欠けていた重要なピース
(青木一郎,後藤由季子)
14.To be or not to be:「14-3-3タンパク質 = バッファー」説
(青木一郎,後藤由季子)
15.細胞死が組織のサイズを制御するメカニズム
(殿城亜矢子,三浦正幸)
16.細胞遊走におけるIAPとカスパーゼの役割
(殿城亜矢子,三浦正幸)
17.カスパーゼ阻害でハエの背中の毛が増加
(殿城亜矢子,三浦正幸)
18.神経細胞死を伴う神経変性疾患−ハンチントン病モデルショウジョウバエを用いた薬効評価−
(殿城亜矢子,三浦正幸)
19.ミトコンドリアへの移行を通せんぼ−もう一つのアルツハイマー病発症メカニズム−
(王 華芹)
20.HtrA2/Omi:細胞死制御とパーキンソン病にかかわるミトコンドリアタンパク質
(小林芳人)
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- 【本書名】バイオ研究マスターシリーズ:細胞死・アポトーシス集中マスター
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