[副院長兼消化器内科主任部長兼健診センター長]藤田直孝 [部長]野田 裕 [副部長]小林 剛,伊藤 啓,平澤 大,尾花貴志 [医長]菅原 俊樹,洞口 淳 [副医長]2名 [医員]9名 [レジデント]3名
消化器内科は先進的な体制で臨床研究を行い,それが日常臨床に直結するように努めています.受診される患者さんに最適な診断,治療を提供することを心がけ,スタッフ一同,日々向上を目指して努力しています.
公益財団法人仙台市医療センター仙台オープン病院は,1976年,仙台市と仙台市医師会の協力によって,公設民営型の紹介外来型の医師会病院として開設されました.そのため一般外来は行わず,かかりつけ医からの紹介による特殊外来・救急外来と入院が主となっています.?98年には全国第1号の地域医療支援病院施設として承認され,登録医からの紹介率も常に80%以上となっています.また,建物は東日本大震災のような大規模災害時にも,病院としての医療機能を維持しつつ,救急患者の受け入れが可能なように,ヘリコプター離着陸施設を備えた免震構造を有しています.一般病床は330床で,消化器病センターにおける消化器内科は120床前後を担当します.健診センターでは,人間ドック,職場健診や大腸癌集団健診など,がん検診や生活習慣病の早期発見・予防に力を注ぎ,2007年8月には日本病院学会,日本ドック学会による「人間ドック・健診施設機能評価」施設に認定されました.また,病院の現状を客観的に把握するため,病院機能評価の認定(Ver.5)を受けており,さらに,?11年4月より公益財団法人へ移行が認められました.
消化器内科の外来は紹介型の専門外来とし,消化器系の癌および慢性疾患を中心とする患者の診療にあたり,急性疾患は救急部から腹痛,消化管出血,黄疸など広範囲な疾患を受け入れています.特に食道,胃,大腸の消化器癌,ポリープ,膵臓・胆道疾患の画像診断・内視鏡治療に力を入れています.
消化器内科の構成は?11年8月現在,スタッフ19名とレジデント3名からなり,日本消化器病学会指導医3名,専門医5名,日本消化器内視鏡学会指導医3名,専門医3名,日本超音波医学会指導医3名,日本消化器がん検診学会指導医2名,認定医2名,日本胆道学会指導医5名を中心として日常診療と臨床研究を行っています.当科で行っている専門的診断,治療手技を下記に列記しますと,
などがあります.
消化器内視鏡センターでは,9室の内視鏡室と3室のX線テレビ室を使用して,ハイビジョン画像ビデオスコープ,電子式超音波内視鏡などを駆使して診療を行っています.特殊内視鏡,CT,MRI,超音波,血管造影などを用いて,常に最新の画像診断・治療を目指しており,そのため内視鏡センターと放射線部門を隣接して配置し,必要に応じてスムーズに連携させることで診断・治療の継続を可能にしています.
内視鏡検査室は完全個室化し,周りの状況に影響されずに検査を受けられるように配慮し,検査終了後の経過観察が十分に行えるように広い回復室も用意しています.また,清潔で安全な内視鏡検査を実現するため約50本の内視鏡を準備し,日本消化器内視鏡学会の推奨する方法に従って,8台の自動洗浄機による洗浄消毒を検査中休まず稼働させています.
2010年 | ’09年 | ’08年 | ’07年 | ’06年 | |
---|---|---|---|---|---|
上部消化管検査 | 10,147 | 9,449 | 9,176 | 9,276 | 9,362 |
上部消化管治療 | 708 | 707 | 537 | 544 | 559 |
大腸検査 | 7,406 | 6,687 | 7,017 | 7,223 | 6,709 |
大腸治療 | 1,000 | 860 | 945 | 1,015 | 940 |
胆膵検査 | 569 | 632 | 625 | 639 | 580 |
胆膵治療 | 361 | 344 | 333 | 346 | 375 |
超音波内視鏡検査 | 1,142 | 1,099 | 1,108 | 1,268 | 1,232 |
(件) |
救急は?09年1月から12月までの受診総数9,370名(前年7,000名程度)と延びており,入院となった患者数は2,784名(約30%)で,このうち消化器内科は1,209名(43%)という現況です.また,外科的な緊急手術は年間180名であり,緊急内視鏡は3,076名に対し施行されています.
日常臨床に最先端,最善の医療を提供するために,臨床研究,国内外の学会活動への積極的な参加を目指しています.最新の診療に役立つ有用な情報の収集のみならず,当センターでの研究成果を論文にまとめ広く共通の知見となるように活動し社会貢献に努めています.
2010年 | ’09年 | ’08年 | ’07年 | ’06年 | |
---|---|---|---|---|---|
論文 | 35(11) | 34(9) | 34(11) | 35(9) | 24(2) |
発表 | 107 | 112 | 85 | 84 | 94 |
( ):英文論文 |
仙台ライブ?治療内視鏡ワークショップ(Sendai Workshop on Therapeutic Endoscopy)は毎年8月の最終土曜日に開催し,本年で9回目を迎えます. この仙台ライブは消化器疾患の内視鏡治療を中心として,内視鏡室2カ所とレントゲン透視室1カ所からの3元中継で行われます.消化器関連学会を中心に,全国規模で会の案内していますが,事前応募が毎年150名を超え,このうち半数を東北地区以外からの参加者が占めています.本ライブでは毎回,全国から高名な術者を招待し,10数例の診断,治療手技を呈示します.内視鏡治療の最大のメリットである患者負担の軽減,術後の回復の速さが実感されるライブです.
私たち消化器内科は受診される患者さんに対し,負担が少なく最大の効果を目指した診断,治療を目標に努力しています.
※本ページの情報は消化器BooK「緊急時に迷わない!消化器症状への救急対応」掲載時のものです.
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