ひとりぼっちの船医奮闘録
~3年目医師の太平洋船上日記~
著/内山 崇
- 定価 (1500円+税) 四六判 197頁
- ISBN9784897068442
- 2009年7月15日発行
- (発行 羊土社)
- 『初期研修も終わりに近づいた2007年3月,突然思いがけない連絡が先輩医師から入ってきました.「4月から2カ月間,船医をやってみないか」・・・船医!? しかも来月から!? 』
- 2カ月間に渡る不慣れな洋上生活,そのうえ医者は1人だけ(!).勢いで乗り込んだは良いものの,そこには想像を越える数々の体験が待っていた!
- 好評を博したレジデントノート連載・同名ブログを単行本化!船医を疑似体験できる1冊となっています!
本書の中身を少しだけお届けします!
プロローグ:船医!? しかも来月から!?
初期研修も終わりに近づいた2007年3月、突然思いがけない連絡が先輩医師から入ってきました。「4月から2カ月間、船医をやってみないか」・・・船医!? しかも来月から!? まだ医師として未熟な私に船医が務まるのか、そんな不安ももちろんありましたが、それ以上に、あまりに唐突な話で現実をよく飲み込めないまま、ただ「面白そう」という直感だけでOKしたような気がします。そんなこんなで話はとんとん拍子に進み、4月からお世話になる福井大学の寺沢秀一教授の快諾を得て、船医として2カ月の洋上生活を送ることが決まりました。行き先は・・・、残念ながら公表できません。国から情報開示の規制がかかっているからです。太平洋上の、とある熱帯地方の無人島(仮称:レジデン島)の国家機密工事にかかわる大型船(仮称:羊土丸)に船医として同行したわけです。 二カ月間、本当にいろいろなことがありました。不慣れな洋上生活、普段全くかかわることのない職種の方との交流、限られた環境のなかでの診療、急患発生と緊急搬送などなど、この船医をしなければ絶対に経験できなかったことが盛りだくさんの2カ月でした。初期研修を終えたばかりの未熟な医者が、船の上で何を考え何をしてきたか? そのすべてを詳細に記録するため、毎日船の上で日記を書き綴っていました。今回、船上での日記を元に、船医としての活動記録をまとめてみたいと思います。島の実名を出せないのが歯がゆいのですが、皆さんも船医になったつもりで、想像を膨らませながら読んでいただければ幸いです。 |