レジデントノート誌掲載
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船医?しかも来月から!?

  • ひとりぼっちの船医奮闘録~3年目医師の太平洋船上日記~
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ひとりぼっちの船医奮闘録
~3年目医師の太平洋船上日記~

著/内山 崇

  • 定価 (1500円+税) 四六判 197頁
  • ISBN9784897068442
  • 2009年7月15日発行
  • (発行 羊土社)
  • 『初期研修も終わりに近づいた2007年3月,突然思いがけない連絡が先輩医師から入ってきました.「4月から2カ月間,船医をやってみないか」・・・船医!? しかも来月から!? 』
  • 2カ月間に渡る不慣れな洋上生活,そのうえ医者は1人だけ(!).勢いで乗り込んだは良いものの,そこには想像を越える数々の体験が待っていた!
  • 好評を博したレジデントノート連載・同名ブログを単行本化!船医を疑似体験できる1冊となっています!
推薦のことば〔寺沢秀一(福井大学医学部附属病院)〕

推薦のことば

 私どもの部署内でも内山先生が初期研修修了直後であることから、いろいろなリスクを考慮して、今回の船医への挑戦に反対する声もありましたが、私は3つの理由ですぐ賛成しました。
 第一に、救急部と総合診療部が合体して、「救急診療にも総合診療にも強い医師」を養成しようとしているわれわれの部署で、この船医のお話をお断りするのは、われわれの部署らしくないと直感的に感じたからです。
 第二に、医学生時代から僻地の診療所で働きたいという強い熱意を表明し、福井県立病院で研修した内山先生なら、初期研修修了直後でも、必ず果敢なこの挑戦をこなすであろうという確信があったのです。
 そして、第三に、常に前例のない(リスクのある)ことへの挑戦こそが、人や組織の進歩を生むと信じているからです。

 私の予想をはるかに越える意気込みで、内山先生は船内で予防医学、慢性疾患のコントロール、マイナー外傷、そして救急疾患への対処をされました。特に気象条件が悪いなかでの重症な救急患者の移送は内山先生の医師人生に生涯残る経験になったと確信しています。彼が一回りも二回りも大きくなって帰ってきたことは言うまでもありません。
 出向に先立ち、内山先生に今後のためにしっかり記録を残すように指示しました。これも直感的に必要だと感じてのことでした。彼が船から帰ってから、羊土社の方々のご好意でレジデントノートに連載させていただき、今回それが単行本として出版されるに至りました。読者の方々には、ご自分が内山先生と一緒に船医になったつもりで、自分だったらどうするか考えながら、楽しんで読んでいただける内容になりました。

 僻地の診療所で働ける「救急にも強い総合医」をめざす内山先生にとって、病院までのアクセスが悪く、ほとんどハイテクの検査ができない環境で、独りで、予防医学から救急全般の対応まで行う船医は、私の予想以上に究極の研修の場でした。内山先生の働きぶりが高く評価された証拠に、本年度(2009年)も、同じ施設から今回よりもっと長期間の船医の依頼がありました。そこで、内山先生とわれわれの部署の徳永日呂伸先生が2人で分担してお引き受けしました。先日、その船の中で心肺停止の患者が発生した際の対応について内山先生から報告を受けました。やはり、「救急診療にも総合診療にも強い医師」こそが、船医にふさわしいのです。

寺沢 秀一  福井大学医学部附属病院 副院長、総合診療部 教授



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洋上で出会った船たち 船上から見る夕焼け 船上生活の様子1
船上生活の様子2 釣  果 単行本本文収録写真