本書を手にした今日、心電図が読めるようになる!
『読み方だけは確実に身につく心電図』
「心電図が読めなくて、勉強しなきゃ!」「何よりも、まずは読めるようになりたい‼︎」と思っている方におすすめの新刊をご紹介します。
『読み方だけは確実に身につく心電図』(米山喜平/著)は、多くの方が苦手と感じている心電図について、実践演習で楽しくスピーディに学ぶことができると話題の本です。
書店、Amazon、楽天ブックスなどで注文が殺到し、即重版となりました!ぜひチェックしてください。
本書は、研修医や看護師などのメディカルスタッフの方におすすめです。
「どうやったら読めるようになるの?」と思った方は、著者の米山 喜平先生による本書「はじめに」をぜひ立ち読みしてみてください。
「今日読めるようになる!」本書の使い方
- 1章 心電図の読み方はこれだけ! 短時間で見落としなく心電図を読む方法を紹介。心電図が読めるようになるという目的のために、解説は読み方に特化して、原理とか理屈とかの解説は極力省きました。もやもやするかもしれませんが、20ページちょっとなので、まずは読み切っちゃいましょう。
- 2章 心電図トレーニング(全40問) 実際の心電図を1章で紹介した判読法に沿って読んでいきましょう。答え合わせをしながら、説明がよくわからなかったら3章で確認。心電図を読む順番、ルーチン読みを徹底的に身につけます。読んでいくうちに読み方が身についてくるのを実感するはずです。
- 3章 もう少し詳しく教えて! 読み方のコツやポイントをもう少し詳しく解説。バリエーションや間違えやすい心電図などを知って、読み方がより確実に身につくこと請け合いです。2章でつまずいたときに見ることをおすすめします。きっと実感を伴って知識が入ってくるでしょう。
見やすい、読みやすいと好評いただいている紙面をご紹介します。
「見開き」で心電図を掲載! 判読結果や解説は次のページで解説
12誘導全体の波形が判読しやすいよう、見開きで掲載しました。1章で紹介した10ステップ判読法に沿って順番に読んでいきましょう。右上の「判断の10ステップ」に書き込んでもOKです!
解説と解答も見開き完結! 各ステップのどこを見て判読したかを確認
左ページは判読過程と、そこからの診断を解説しています。右ページは10ステップの判読結果とどこを見て判読したかが示されています。
前の心電図のページでつまずいたら、チラッとめくって、右ページの判読結果をカンニングちょっと確認するという使い方も…
ブラウザで読みやすい「Web立ち読み」公開中!
最後に、近畿大学医学部循環器内科学 主任教授の中澤 学先生の書評をご紹介します。
人間は高度な言葉を操る唯一の動物ですが、子どもがどのように言語を獲得していくかというと、周りの人が話している言葉をオウム返しすることによって徐々に言語を獲得していきます。私自身、34歳で米国に留学し現地で英語を話す必要があったわけですが、中学高校で学んだ文法に従った英語を駆使してもなかなかうまくコミュニケーションができなかったのを覚えています。しかし、途中からあるテレビドラマ(同じもの)を繰り返し見ることで文章ごと覚えることに成功し、そこから急速に英語力が上がりました。こういう場面ではこの文章という感じに、頭で考えることなく、パターン認識で文章が口から出てくるように徐々になっていきました。すなわち、言語獲得で重要なのは文法ではなく実践であるということです。
本書は心電図を判読するということにフォーカスをしているのですが、“考えるんじゃない、読むんだ!”というフレーズが強調されています。本書ではもちろん通常の“心電図本”で見られるような基本的な心電図を構成する要素の説明もあるのですが、第2章ではひたすら実践的な心電図が紹介されています。考えている暇はありません。読むしかないのです。そう、実臨床での現場と同じように。前述の通り、何か新しく複雑なことを学ぶときには、最低限必要な基本的なことをサクッと学んであとは実践で慣れていく、実践演習という方法が効率いいのです。本書ではこの実践演習により“心電図”という、多くの人が苦手と感じる分野を楽しくスピーディに学ぶことができます。ただし、注意点として、1回読むだけではダメです。繰り返し繰り返し繰り返し本書を読むことで、いちいち“P波は…”というように考えなくても自然に心電図を読めるようになります。子どもが言語を覚えることができるのですから、皆さんももちろんできるはずです。
米山喜平先生は超一流の循環器内科医であることを疑う余地はありませんが、ひとたび対面で話してみると竹を割ったような性格と情熱的な口調で誰もが米山ワールドに引き込まれてしまいます。彼のYouTube動画や心電図講習の評価は非常に高く、多くの人に支持されていますし、私も彼の“ファン”の一人です。本書を多くの人に読んでもらい、皆様の心電図判読のハードルが下がり、ひいては多くの人の命を救うことを願って書評を締めさせていただきたいと思います。
評者 中澤 学(近畿大学医学部循環器内科学 主任教授)