一人ひとりの体質に合った最適な食事・栄養とは?
実験医学増刊号『健康と疾患を制御する精密栄養学』
体に良いとされる食品成分を摂取しても、効果を実感できる人とそうでない人がいるのはなぜか?
「体に良い」「健康に良い」といわれる食品成分の情報は色々と多く知られていますが、効果を実感できる人と、そうでない人がいるのはなぜでしょうか?
実験医学増刊『健康と疾患を制御する精密栄養学』(國澤 純/編)では、このような個人差を生むメカニズムを解明し、個々人に最適な食の提案をめざす精密栄養学(Precision Nutrition)の最新研究を紹介しています。
健康志向とともに私たちの食に対する意識もますます高まり、世の中には体に良いといわれる食品の情報があふれています。
そこからさらに一歩踏み込んだ「精密栄養学」とは、いったいどのようなものでしょうか?
「精密栄養学」とは?
「精密栄養学」という言葉は、Precision Nutrition を日本語に訳したものです。
Precision Medicine(精密医療)という言葉はすでに広く知られていますが、その考え方を栄養学に適用したものというとイメージしやすいのではないでしょうか。
その人の遺伝的背景や腸内細菌の状態などの違いによって、食べたものに含まれる成分の代謝のされ方や作用の仕方が異なるため、同じ体に良いとされる食品を食べても、効果がある人とそうでない人がいるということにつながります。
そこで、そのメカニズムを解明することによって、一人ひとりの体質に合った最適な栄養指導・食事摂取をめざすというのが、精密栄養学のコンセプトです。
栄養学も、一人ひとりの体質の違いを考慮する時代が来ているのですね。
体型や健康状態が気になる今日このごろ、自分の体質に合った、健康維持に最適な食事がどのようなものであるか、とても興味深く感じます。
食品機能解析、個人差のメカニズム解明の基盤技術から
社会実装への取り組みまで、研究の最前線が一冊でわかる
本書では、精密栄養学に必要な大規模なデータの収集・解析から、基礎研究によるメカニズムの解明、それを支える最先端の技術、実際に人々の生活に還元するための取り組みなどを紹介しています。
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【本書の目次】
- 第1章 コホート研究から⾒えてきた精密栄養学の実情
- 第2章 精密栄養学を⽀える基盤技術
- 第3章 精密栄養学の基盤となる⾷・栄養の分⼦作⽤メカニズム
- 第4章 社会実装に向かう精密栄養学
本書では、精密栄養学の各分野の最先端研究を数多くご紹介しています。
個々人に最適化された栄養学研究を知り、末長い健康をめざすための第一歩として、ぜひご一読いただければ幸いです!
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実験医学増刊 Vol.41 No.10
『健康と疾患を制御する精密栄養学』