PT・OT 臨床につながる物理学

  • 望月 久,棚橋信雄/著
  • 2022年07月21日発行
  • B5判
  • 264ページ
  • ISBN 978-4-7581-0260-5
  • 3,300(本体3,000円+税)
  • 在庫:あり
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身体の位置や運動も座標を用いて表す.身体は大きさをもっており,頭部,頸部,体幹,上肢,下肢などの身体部位(体節)に分けられる.身体の運動を表すときは,身体の特定の点※1を決め,その特定の点が空間座標の中でどのように運動するかという視点と,身体部位の相対的な位置関係が時間とともにどのように変化していくかという2つの視点がある.…

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ヒトの運動や物理療法の理解に欠かせない物理学.現場でのより良い実践につながるよう,理学・作業療法の臨床に関わる事象を取り上げ,基礎からわかりやすく解説しました.長く役立つ知識を修得したい方におすすめ!

目次

はじめに

第1章 運動の表し方 運動とは何か?

基礎編

1 物理量とその表し方

2 スカラー量とベクトル量

3 運動とは?

■ 物体の位置と座標
■ 変位と速度
■ 加速度

4 さまざまな運動

■ 等速直線運動
■ 等加速度直線運動
■ 重力の下での物体の運動

5 微分・積分と運動

■ 微分の考え方と計算
■ 積分の考え方と計算

column

ベクトルの表し方と合成の計算
微分の表し方
微分と積分の関係

臨床編

1 身体運動における位置・変位・速度・加速度の測定

■ 臨床における身体の位置や運動の表し方
■ 臨床における変位の測定
■ 臨床における速度・加速度の測定

2 関節の運動と極座標による位置の表し方

■ 関節運動の表し方
■ 極座標による運動の表し方

column

躍度

第2章 身体運動と力 力によって運動はどのように変化するか?

基礎編

1 力とは

■ 力の定義
■ 力の3要素
■ 力の合成

2 運動の3法則

■ 慣性の法則(ニュートンの第1法則)
■ 運動方程式(ニュートンの第2法則)
■ 作用反作用の法則(ニュートンの第3法則)

3 さまざまな力

■ 重力
■ 垂直抗力
■ 張力
■ 摩擦力
■ 弾性力
■ 圧力
■ 慣性力

column

近接作用と遠隔作用
粘性
医療現場で用いられる圧力の単位

臨床編

1 身体運動にはたらく種々の力

■ 垂直跳び時にはたらく力
■ 歩行時にはたらく力

2 骨格筋の筋張力特性

■ 骨格筋の構造
■ 骨格筋の筋線維の配列と筋張力の関係

3 腱や骨の力学的特性

4 筋腱複合体の収縮特性

■ 骨格筋の長さ-張力関係
■ 筋腱複合体の張力特性

第3章 力のつりあいと回転運動 並進運動と回転運動の静止と運動を決めるものは?

基礎編

1 並進運動と回転運動

■ 前提条件:物体=剛体
■ 並進運動と回転運動

2 力のモーメントとは

3 力のモーメントのつりあいと回転運動

4 物体の重心と重心の求め方

■ 重心とは
■ 重心の求め方

5 3つのてこ

■ 第1のてこ
■ 第2のてこ
■ 第3のてこ

column

並進運動と回転運動の対応関係

臨床編

1 関節運動のコントロールと力のモーメントのつりあい

■ 関節運動のコントロール
■ 関節間力と力のモーメントのつりあい

2 姿勢と筋活動

3 身体重心の求め方

■ 力のモーメントのつりあいから重心を求める方法
■ 身体部位ごとの重心から推定する方法

column

重心動揺計による足圧中心の計測

第4章 物体の安定性と不安定性 安定性は何によって決まるか?

基礎編

1 物体の安定性

2 支持基底面の大きさと物体の安定性

3 重心の高さと物体の安定性

4 支持基底面の大きさと重心の高さが変化するときの物体の安定性

5 物体の重量と安定性

6 倒れるとは?

column

物体が傾き始める条件
姿勢と安定性

臨床編

1 ヒトの姿勢の安定性

2 ヒトの姿勢の安定性を決める要因

3 姿勢の安定性の調節――身体重心制御と足圧中心制御

■ 身体重心制御
■ 足圧中心制御

4 動作における安定性

■ 慣性力と見かけの重力作用
■ 起き上がり動作の安定性
■ 椅子からの立ち上がり動作の安定性
■ 静的バランスと動的バランス

column

疾患によるバランス低下の特徴
歩行中の床反力の変化

第5章 エネルギーと運動 運動量・仕事・エネルギーとは何か?

基礎編

1 運動量と力積

2 仕事と仕事率

3 運動エネルギー

4 位置エネルギー

5 力学的エネルギー保存の法則

6 力学的エネルギーからみた物体の安定性

7 エネルギー保存の法則

column

仕事の原理
身体運動とパワー

臨床編

1 運動量と動作

2 運動量と角運動量

3 角運動量と動作

4 力学的エネルギーと動作

5 回転運動の仕事および仕事率

第6章 熱の性質と利用 熱とは何か?

基礎編

1 熱と温度

2 セルシウス温度と絶対温度

3 熱量,比熱と熱容量

4 熱の伝わり方

■ 伝導
■ 対流
■ 放射

5 気体の体積,圧力,温度の関係

6 粒子の運動と温度の関係

7 熱力学第一法則

8 熱平衡と熱力学第二法則

column

水分子の形と大きさ
魔法瓶による保温
気体定数Rの単位
不可逆現象と確率

臨床編

1 熱が生体に及ぼす影響

2 温熱療法と寒冷療法の種類と熱伝導

3 生体のエネルギー代謝

4 酸素摂取量とエネルギー代謝

第7章 波の性質と利用 波の性質は何で決まるのか?

基礎編

1 波とは

2 波の性質を決める物理量

3 横波と縦波

4 波の性質

■ 重ね合わせの原理
■ 波の干渉
■ ホイヘンスの原理
■ 波の反射と屈折
■ 波の回折

5 音の性質

■ 音とは
■ 音の3要素
■ 音のドップラー効果

6 光の性質

■ 光とは
■ 物体の色
■ 光の直進性,反射,屈折

column

音圧レベル
光の偏光

臨床編

1 超音波療法の基礎

■ 超音波の作用
■ 超音波の発生
■ 超音波の振動数
■ 超音波の吸収,反射,屈折,干渉

2 光線療法の基礎

■ 光の強さの光源からの距離による変化――逆2乗の法則
■ 光の強さの光線の角度による変化――ランバートの余弦の法則

第8章 電気の性質と利用 電子,イオンの動きと電気

基礎編

1 原子の構造と電気

2 電荷の間にはたらく力 ――クーロンの法則

3 電場

4 点電荷によって生じる電場

5 帯電した1組の金属板の間に生じる電場

6 電位

■ 重力による位置エネルギーと電位

7 電流

8 導体と不導体の性質

■ 導体と不導体
■ 静電誘導と誘電分極
■ 導体内の電場と電圧
■ 誘電体内の電場と電圧

9 オームの法則

10 電力と電気量

■ ジュール熱
■ 電力量と電力

column

静電遮蔽

臨床編

1 電気機器の取り扱い

■ 漏電と感電
■ アース

2 抵抗のはたらきと接続

■ 抵抗のはたらき
■ 抵抗の直列接続
■ 抵抗の並列接続

3 コンデンサーのはたらき

■ コンデンサーに蓄えられる電気量
■ コンデンサーの充電と放電

4 半導体のはたらき

■ P型半導体とN型半導体
■ 半導体ダイオードのはたらき
■ 交流を直流に変換する回路

5 細胞膜の電気的活動

■ 膜電位

6 筋の電気的活動と筋電図

column

可変抵抗器による電流調整
筋電図電極の貼付位置

第9章 磁気の性質と利用 電気と磁気の密接な関係

基礎編

1 磁気とは

2 磁気と電気との相違

3 磁場

4 磁場と磁束密度

5 磁気誘導

6 電流と磁場

■ 直流電流
■ 円形電流
■ ソレノイドを流れる電流

7 運動している電荷が磁場から受ける力

8 電磁誘導と電磁波

column

磁気の正体
右ねじの法則とベクトルの外積
マクスウェル(Maxwell)の方程式

臨床編

1 コイルに生じる電磁誘導

■ 自己誘導
■ 相互誘導

2 コンデンサーとコイルの関係

3 コンデンサーとコイルのフィルター作用

4 物理療法で用いられる電磁波

■ 極超短波による温熱作用
■ 経頭蓋磁気刺激の神経作用

column

変圧器
容量リアクタンス,誘電リアクタンス,インピーダンス

第10章 原子の世界 物理学が描く世界とは?

基礎編

1 物質を構成する微粒子

2 原子の構造

3 原子核の分裂と融合

4 半減期

5 質量がもつエネルギー

6 素粒子の世界

■ クォーク
■ レプトン
■ 反粒子と対消滅・対生成

7 自然界を支配する4つの力

8 宇宙の歴史と生命

9 現代の物理学

column

炭素を用いた年代測定
相対性理論
量子論

臨床編

1 放射線と放射能

2 放射線の単位と人体への影響

3 放射線の医療への応用

付録

公式一覧

索引

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  • 【本書名】PT・OT 臨床につながる物理学
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