指導医と研修医の会話形式で,ブランチ先生の大人気カンファをついに書籍化!診断プロセスを定型化しどんな患者さんでも見抜く力が身につく!英語による症例プレゼンの実例が豊富で,自分の発表にもすぐ使える!
今回の症例は1カ月継続する発熱と胸部痛を訴えに来院された32歳女性です.頻度の高い訴えなので多くの鑑別診断をあげることができると思います.しかし,問診だけでかなり診断名を絞ることができます.どこがポイントか具体的に示しながらアプローチしてみます.
2回目の今回は神経学的所見の取りかたを学びます.神経学的所見の診察は多岐にわたり,ついつい敬遠されがちですが,系統的に理解すると身体所見で病巣を明確に言い当てられる分野でもあると思います.
皮膚は最も容易に接しやすい“臓器”と言えるので,鑑別診断の有効な根拠や所見となりえます.まずは正確にその所見を描出できるようにすることが,皮膚所見を学習するうえで重要です.そうすれば,その所見が何から来るものかわからない場合に,皮膚科専門医にたとえ電話で相談しても確定診断をつけることさえできるのです.
今回は高安病と診断されている患者さんが,労作時呼吸困難,間欠性跛行を主訴に他院より紹介受診されたケースです.そのため今回は鑑別診断はありません.ポイントは現代病といわれる心血管病の診察です.心臓の聴診以外にもいろいろ診察すべき箇所があることを,この機会に学びましょう.
鑑別診断の際には,頻度の高い疾患(Common diagnosis),可能性の高い疾患(Likely diagnosis),そして決して見逃してはならない疾患(Must not miss diagnosis)と順序づけをすることが大切です.今回の61歳男性のケースを通してみていきましょう.
前回のHickham’s dictumの考えかたで示したように,50歳以上の患者さんは複数の疾患に罹患しうることを十分に想定しないといけません.それに加え高齢者では上手に訴えを話すことができない方も大勢いらっしゃいます.そのようななかで正しい診断に結びつけるには,いくつかのアプローチ法を身につけなくてはなりません.今回は,その1つを学びましょう.
今回のケースでは,病態は痙攣というcommon diseaseですが,患者さんは発育障害も伴っています.24歳ですので,病気を一元的に考えるようにしてアプローチしてみましょう.
問診,身体所見,それから近医の検査データから重要な事実事項を集めプロブレムリストを作成すると,本症例のようにいくつかの問題が1つの病態によるものだということが理解できるようになります.
外来の先生や開業医の一部の先生方に発熱に対して広域抗菌薬を処方される先生がいらっしゃいます.入院患者さんと違って日に何度も診察ができないため,やむを得ない状況は十分理解できるところです.しかしどの菌をカバーし,どういった副作用があるかは,正確に理解しておかないと,原疾患の特定が困難になることがあります.
Common diseaseとは,ある程度経験を踏み,出会う回数が増えないと実感として感じないのかもしれません.出会うことで経験を培うことはとても大切ですが,でもそれを踏み台にされた患者さんはたまりません.経験のない研修医は,だからこそcommon diseaseという言葉を強く意識しなくてはなりません.今回のカンファレンスには,ジェラルド・スタイン先生も特別講師として参加されます.
鑑別診断に多くの疾患名をあげるトレーニングを本書では意識して展開していますが,同時に,①Most likelyと②Must not misdiagnosisという2つの軸を意識して行うことが肝要です.本ケースにおけるMost likelyとMust notはそれぞれ何か,想像しながら読み解いてみましょう.
Common diseaseの診断の難しさは,典型症状があるからといって,その疾患とは限らないところにあるかもしれません.喘鳴の存在は必ずしも気管支喘息の存在を意味しないという言葉は有名です.
悪性疾患を疑う症例のときに,腫瘍マーカーを安易にオーダーするケースがしばしばみられます.いわゆるバイオマーカーはそれぞれ診断用,スクリーニング用,予後判定用,治療効果判定用と用途をわきまえてオーダーしないとデータに振り回されて不必要な検査をすることになります.
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