元内科の眼科専門医が内科医が知っておくべき眼科診療をやさしく解説!緑内障,糖尿病網膜症などの眼科「超コモン」から,特に気をつけるべき眼科救急,外傷まで,特別な検査機器がなくてもできる診療パールを紹介!
目次
はじめに
内科医が眼科に転科してわかったこと
この本の適応と禁忌
この本の利用法
眼科の鑑別診断について
第1章 目と目のまわりの解剖編
§1 目の解剖
1 角膜は厚さ0.5 mm
2 ぶどう膜は,虹彩・毛様体・脈絡膜の3つ
3 水晶体~小さいけれど眼科医にはとても大きくみえる
4 眼科ではメジャーな硝子体
5 網膜は脳とつながっている
6 視神経乳頭は直径1.5 mm
§2 目のまわりの解剖
1 涙道~通水試験で閉塞をみる
2 4つの直筋+2つの斜筋=6つの外眼筋
第2章 眼科超コモンディジーズ 編
§1 緑内障~眼圧を測れなくても急性緑内障発作は診断できる
1 当直医のカルテで緑内障発作を診断する
2 急性緑内障発作とは
3 あなたは緑内障がありますか?という問診
4 あなたは緑内障ですので白内障手術をしましょう
5 緑内障全体を俯瞰してみる
- 緑内障の分類
- 緑内障っぽい視野障害〜初期の緑内障には自覚症状がない
- 視力と視野の関係
§2 糖尿病網膜症~眼科医は眼底出血とはいわない
1 まずは3つに分類しよう
- ① 単純網膜症~血管透過性亢進が基本病態
- ② 前増殖網膜症~血管閉塞が基本病態
- ③ 増殖網膜症~血管新生が基本病態
2 眼科医は眼底出血とはいわない
3 糖尿病黄斑浮腫をおさえよう
4 検査は3つ
- 眼底検査
- OCT(optical coherence tomography)
- 蛍光眼底造影
5 治療も3つ
- 網膜光凝固
- 抗VEGF薬(抗血管内皮増殖因子薬)
- 硝子体手術
6 血管新生緑内障はやっかい
§3 屈折 ~あなたはどれくらいの近視ですか?
1 視力表記には屈折の基本がつまっている
- そもそも視力とは何か?
- 長ったらしい視力表記はポイントに注目
- 矯正に必要なレンズ度数
2 遠視は遠くは見えるのか?
3 近視は近くは見えるけれど遠くは見えない
- 近視には近方に焦点のあう距離がある
- じつはけっこう怖い近視
4 乱視~眼球をラグビーボールに例えて考える
- 眼球をラグビーボールに例えて,円柱レンズで矯正する
- 乱視には軸がある
- 人には皆,乱視がある
- 正乱視と不正乱視
5 レーシックで老眼が治る日はくるのか
- 老視とは?
- 水晶体が固くなって老視になる
- 老視と眼精疲労
- レーシックで老視が治る日はくるのか?
6 弱視とロービジョンの違いがわかりますか?
- 弱視は発達障害
- 弱視とロービジョンの違い
- 3歳児検診は,3歳というのがポイント
- 遠視の眼鏡と近視の眼鏡では,意味が全く異なる
- 小児の眼帯使用は極力さける
第3章 眼科救急とよくある眼症状編
§1 眼科救急
1 特に気をつけるべき眼科救急はこの4つ
- ① 化学眼外傷〜点滴ラインをうまく使って眼洗浄しよう
- ② 細菌性眼内炎〜特に眼科手術歴には要注意!
- ③ 穿孔性眼外傷〜受傷していない眼に障害が及ぶこともある
- ④ 急性緑内障発作
2 気をつける眼外傷はこれだ
- ① 眼窩底骨折〜眼窩底はよく折れる
- ② 外傷性視神経管損傷〜まつ毛の外側の外傷は対光反応をみておこう
- ③ 前房出血〜眼球がたわんで隅角が裂ける
- ④ 涙小管断裂〜目頭の裂傷には要注意
- ⑤ 角膜異物・結膜異物〜異物はびっくりするくらい小さい
- ⑥ 雪目
3 網膜動脈閉塞症と網膜静脈閉塞症
- 静脈閉塞症って何なの?
- 動脈閉塞症では眼底検査で塞栓子が見える
- それで結局何をすればいいの?
§2 よくある眼症状
1 眼が赤い
- 正常結膜は白いのか?
- 結膜炎と診断する根拠
- 流行性結膜炎にはよくよく気をつけよう
- 霰粒腫と麦粒腫
2 飛蚊症~飛蚊症と網膜剥離の関係
- 硝子体と網膜の関係を理解する
- 飛蚊症では網膜の穴を探す
- 網膜剥離はやばい,硝子体剥離はやばくない
- 網膜剥離にもいろいろある
- 光視症〜病的意義は飛蚊症と同様
3 眼が痒い
- 痒いのは結膜か眼瞼のアレルギーが多い
- 痒い=抗ヒスタミン点眼は正解か?
- 結膜の増殖性変化は重症アレルギーのキーワード
4 流涙
- 鼻涙管閉塞症
- ドライアイ
- 結膜弛緩症
- マイボーム腺機能不全(meibomian gland dysfunction: MGD)
5 視野異常
6 複視
- 複視をきたす疾患
- 頭位に注意をはらう
- 対応を急ぐべき複視〜まずは脳動脈瘤による動眼神経麻痺を除外しよう
7 変視~本来まっすぐなものが歪んで見える
8 夜盲~胸が苦しくなる問診
第4章 検査編~眼科医はふだん何をしているのか?
§1 眼科診察室でやっていること~細隙灯と眼底検査のマスターは眼科医としての第一歩
1 問診したら細隙灯顕微鏡で前眼部をみる
2 細隙灯の次は眼底検査
§2 眼科検査室ではこんな検査をしている
1 視力と眼圧は目のバイタルサイン
2 RAPDとは?~対光反応で視神経機能を診る
3 今や眼科診療に欠かせないOCT
4 2種類ある視野検査
5 蛍光眼底造影
6 眼科にもエコーがある
第5章 全身疾患と眼科 編
§1 全身疾患と眼科
1 甲状腺眼症~眼球突出よりも眼瞼後退をみよう
2 けっこう怖いステロイド緑内障
3 アトピー性皮膚炎に眼科医は身構える
4 Stevens-Johnson症候群(SJS)~患者は眼科的後遺症で苦しむ
§2 ぶどう膜炎
1 原因は何でもあり
2 ぶどう膜炎の分類
3 ぶどう膜炎の診断~存在診断は簡単,原因診断は難しい
4 ぶどう膜は血流が豊富
5 治療はステロイドが中心
第6章 眼科いろいろ 編
§1 眼科検診
1 目的① 緑内障を見つける
- 緑内障のスクリーニングには眼底検査が必要
- 緑内障のスクリーニングは
- 視神経乳頭をみる
2 目的② 動脈硬化を見つける
- 網膜血管の“動脈硬化性変化”と“高血圧性変化”
- 動脈硬化は交叉現象でみる
- 高血圧性変化は動脈の狭細化でみる
- 眼の高血圧性緊急症
§2 加齢黄斑変性 〜加齢黄斑変性にはサプリメントが効く
1 50歳以上の日本人の1%に加齢黄斑変性がある
2 ここでも出てくる新生血管
3 エビデンスのあるサプリメント
§3 白内障 〜あなたも白内障手術を誤解している
1 やってみたら白内障手術は難しかった
2 白内障手術の実際~水晶体嚢の温存がカギ
3 白内障手術の功績~白内障は世界の失明原因第1位
4 白内障手術の歴史~バッハも受けた白内障手術
§4 コンタクトレンズ〜知っていそうで知らないコンタクトレンズ(義眼の話まで)
1 眼鏡とコンタクト,どっちがいいの?
2 ソフトとハード,どっちがいいの?
3 コンタクトレンズ合併症
4 こんな使い方もあるコンタクトレンズ
- オルソケラトロジー
- カラーコンタクトレンズ
- 治療用コンタクトレンズ
5 義眼
§5 斜視 〜斜視は難しい
1 とりあえず間欠性外斜視と調節性内斜視をおさえよう
2 右斜視,左斜視という概念はない
3 斜視の検出と定量~交代遮閉試験をやってみよう
4 間欠性外斜視
5 調節性内斜視
§6 角膜移植 〜角膜というものを理解するために
1 角膜パーツ移植とは~厚さ0.5mmの角膜を3層に分けて考える
- 基本は全層角膜移植〜手術はうまくいったので1年後に抜糸しましょう
- DSAEKとDALKと角膜内皮機能
- 角膜内皮機能は重要
- スペキュラマイクロスコープとは
2 角膜移植ではなぜ拒絶反応が少ないのか?
- 角膜は無血管組織だから拒絶反応が少ない
- ゆるんだ縫合糸は拒絶反応を誘発する
- 角膜上皮移植
3 角膜のドナー事情~角膜を輸入する?
§7 色覚異常 ~日本人男性の5%は色覚異常
1 色覚異常は多い
2 色覚異常ではどのようにみえているのか?
3 色覚異常の検出と重症度判定
4 色覚異常検出の目的は職業選択にあり
第7章 眼科カルテを読んでみる編
§1 カルテの型を知る
1 細隙灯所見の型
2 眼底所見の型
§2 頻出用語を知る
1 細隙灯検査でよくある所見
2 眼底検査でよくある所見
§3 眼瞼下垂を評価する
- 眼瞼下垂の重症度評価
- 危険な眼瞼下垂を除外する
- 本当に眼瞼下垂なのか?
- 眼瞼挙筋機能を評価する
購入方法・送料について
本書は全国の羊土社取扱書店にてご購入いただけます.店頭にて見当たらない場合は,下記情報を書店にお伝え下さい.
- 【本書名】内科医のための やさしくわかる眼の診かた〜超コモンから救急まで“眼底”“眼圧”なしでもここまで診れる!
- 【出版社名】羊土社
お近くに取扱書店が無い場合,特に海外でご覧になりたい場合,羊土社HPでのご注文および発送も承っておりますので,下記ご参照のうえ,注文をご検討ください.
羊土社HPでのご注文について
本書を羊土社HPにてご購入いただきますと,本体価格に加えて,送付先・お支払い方法などにより下記の費用がかかります.お手続き等詳細は書籍購入案内のページをご参照ください.
分類 |
項目 |
費用 |
国内 |
消費税 |
+370円 |
送料 |
+500円 |
手数料(代引きのみ) |
+300円 |
海外 |
航空便送料 |
第1地帯(アジア、グアム、ミッドウェイ等) |
+680円 |
第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) |
+870円 |
第2地帯(ヨーロッパ) |
+870円 |
第3地帯(アフリカ、南米) |
+1130円 |
EMS便送料 |
第1地帯(アジア、グアム、ミッドウェイ等) |
+1400円 |
第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) |
+2000円 |
第2地帯(ヨーロッパ) |
+2200円 |
第3地帯(アフリカ、南米) |
+2400円 |
※この表は本書のみご購入いただいた場合の費用をまとめたものです.他の書籍を同時に購入する場合はお申し込み金額や重量により費用が異なってまいりますのでご注意ください.
法人向け 購入のお問い合わせ
法人での書籍の一括購入につきまして,「見積書や請求書払い」「複数の発送先への対応」「研修用などで使用する書籍の選定についてのアドバイス」等、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。