実験医学増刊 Vol.22 No.2

タンパク質修飾・分解の新機能に迫る

  • 田中啓二,西道隆臣/編
  • 2004年01月20日発行
  • B5判
  • 223ページ
  • ISBN 978-4-89706-101-6
  • 5,940(本体5,400円+税)
  • 在庫:なし
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正常な細胞機能に必須であるタンパク質分解の調節機構.多くのトピックスを産みだしてジャーナルをにぎわせている本分野について,タンパク質修飾・分解のメカニズムから疾患とのかかわりまでを幅広くご紹介します.

目次

第1章 タンパク質修飾・分解の分子メカニズム

概論:修飾・分解におけるメカニズム研究の動向【田中啓二】

  • ユビキチンシグナリング
  • プロテアソーム研究の進展
  • ユビキチン関連モディファイヤー

1. RINGフィンガー型ユビキチンリガーゼ〜その多様性と作用機構について【松田憲之】

  • RINGフィンガーモチーフとは何か
  • RINGフィンガーモチーフはどのようにしてE3として機能するのか?
  • 第4のモチーフ:PHDは新しいE3モチーフなのか?

2. ユビキチンリガーゼの構造生物学【水島恒裕】

  • ユビキチンリガーゼ(E3)ユビキチン結合タンパク質(E2)認識機構
  • 複合体型ユビキチンリガーゼの構造
  • E3による基質認識機構

3. 酸化修飾をシグナルとしたユビキチン化【石川春人,岩井一宏】

  • アミノ酸残基の水酸化をシグナルとしたユビキチン化
  • 自己酸化修飾をシグナルとしたユビキチン化
  • HIF-αとIRP2の制御機構の比較

4. 分子シャペロンとタンパク質分解【村田茂穂】

  • 分子シャペロンとユビキチン・プロテアソームシステムの連携によるタンパク質品質管理機構
  • シャペロン依存的ユビキチンリガーゼCHIPの発見
  • U-boxユビキチンリガーゼは品質管理リガーゼファミリーか?
  • DRiPsの分解機構

5. 小胞体関連タンパク質分解【吉田雪子】

  • 小胞体内でのERAD基質の選別
  • 逆行輸送
  • ERADにおけるユビキチン化とタンパク質分解

6. プロテアソームの分子集合と分子多様性【八代田英樹,刀根佳子】

  • 26Sプロテアソームの分子集合について
  • プロテアソームの分子多様性について

7. SUMO化修飾とその生理的意義【菊池淑子】

  • SUMO/Smt3
  • SUMO化の基質
  • SUMO化酵素
  • 標的タンパク質のSUMO結合体の機能変換

8. NEDD8修飾システムとその役割【千葉智樹】

  • ユビキチン様タンパク質NEDD8の発見
  • 脱NEDD8化酵素
  • NEDD8修飾システム
  • 標的タンパク質Cullinファミリータンパク質
  • NEDD8によるCulファミリータンパク質の調節
  • 脱NEDD8修飾反応を制御するCOP9/シグナロソーム

第2章 タンパク質修飾・分解と細胞機能

概論:プロテアーゼバイオロジー研究の動向【田中啓二】

  • タンパク質の寿命
  • プロテアーゼバイオロジー

1. G1-S期細胞周期制御におけるユビキチン・プロテアソームシステム【畠山鎮次】

  • 細胞周期とユビキチン・プロテアソーム系
  • p27のユビキチン化による発現制御
  • サイクリンEのユビキチン化関連酵素

2. 染色体分配とタンパク質分解:セパレースによる姉妹染色体分離とその制御〜セパレース・セキュリン・APC/C【武田鋼二郎,柳田充弘】

  • M期進行とタンパク質分解
  • コヒーシンScc1の切断と姉妹染色体分離
  • セパレースの未知の機能

3. DNA修復におけるタンパク質のユビキチン化【田中亀代次,堀端克良】

  • ヌクレオチド除去修復とタンパク質のユビキチン化
  • Rad6/Rad18が関与する複製後修復におけるタンパク質のユビキチン化
  • ファンコニ貧血とタンパク質モノユビキチン化

4. チェックポイント制御と初期発生に依存したCdc25Aの分解とその機構【宇都克裕,志牟田 健,中條信成,井上大悟,佐方功幸】

  • DNA傷害/複製チェックポイントにおけるCdc25Aの分解
  • 中期胞胚遷移(MBT)におけるCdc25Aの分解
  • Cdc25Aの分解機構

5. β-カテニン分解の分子機構【日野真一郎,菊池 章】

  • Wntシグナル伝達経路
  • タンパク質複合体を介するβ-カテニン分解の制御
  • β-カテニン分解制御の新展開

6. TGF-βシグナルとタンパク質分解【今村健志,鯉沼代造,宮園浩平】

  • TGF-β/BMPのシグナル伝達機構
  • 細胞内の特異型Smadのタンパク質量を調節するSmurf1
  • Smurf1による受容体の分解機構とその分子メカニズム
  • Smurf1による多段階BMPシグナル調節機構
  • Smurf2の作用
  • 活性型Smad3のシャットオフ機構
  • Smadの分解機構と癌

7. ADAMファミリーとその機能【若月修二,瀬原淳子】

  • マルチドメインタンパク質としてのADAMs
  • ADAMの機能
  • ectodomain sheddingの制御機構

8. MMPと膜結合型MMP制御因子RECK【高橋智聡,野田 亮】

  • MMP
  • MMPの基質
  • TIMP
  • TIMP以外の分泌性MMP阻害因子
  • RECK
  • 膜超近傍領域の酵素化学

9. 膜貫切断の新展開【平野祐子,佐藤隆一郎】

  • 転写因子SREBPのRIPについて
  • 4種のI-CliPs
  • RIPの多様性

10. ユビキチン化によるタンパク質選別輸送【梅林恭平,中野明彦】

  • エンドサイトーシスの取り込み
  • multivesicular bodyへの選別
  • 輸送シグナルとしての認識に必要なユビキチン構造は?
  • ステロールとユビキチンの連携による選別輸送

11. 選択的なタンパク質輸送経路としての酵母オートファジー【鈴木邦律,大隅良典】

  • APG(autophagy)とATG(autophagy)遺伝子群
  • Cvt経路とオートファジー
  • 選択的なタンパク質輸送を決定づけるタンパク質間の相互作用
  • Cvt経路で輸送されるもう1つの液胞酵素,α-マンノシダーゼ

12. 動物細胞および個体におけるオートファジー【水島 昇】

  • 動物オートファジーの分子機構
  • オートファジーのモニター方法
  • 動物個体における生理的役割

第3章 タンパク質修飾・分解異常と病気

概論:プロテオリシスと疾患研究【西道隆臣】

  • 「プロテオリシス」という概念の階層性について
  • 「疾患」という概念の階層性について
  • 「プロテオリシスと疾患」についての研究の難しさについて
  • 疾患研究によって得られるもの

1. アルツハイマー病とAβ代謝【岩田修永,西道隆臣】

  • Aβ代謝バランスと発症との関連
  • Aβ分解メカニズム
  • ネプリライシンの局在性とAβ分解部位
  • 加齢依存的およびAD脳におけるネプリライシンレベルの変化
  • 人類遺伝学的証拠について
  • 輸送によるAβ除去について
  • Aβ分解システムを利用したADの予防・治療戦略

2. アルツハイマー病とセクレターゼ【富田泰輔,岩坪 威】

  • APP代謝とAβ産生経路
  • βセクレターゼ
  • γセクレターゼ
  • γセクレターゼ複合体の構成因子
  • γセクレターゼの阻害による治療薬開発

3. パーキンソン病とparkin【服部信孝】

  • parkin遺伝子とPD
  • 神経病理学的特徴から予想されるparkinの変性への関与
  • ユビキチンリガーゼとしてのparkin 4.parkinノックアウトマウス解析結果から

4. ポリグルタミン病における分解系システムの関与【木村洋子】

  • ポリグルタミン病の概要
  • 分解系によるポリグルタミン病の発症抑制
  • ポリグルタミンが分解系に作用する
  • 分解系によるポリグルタミン病の発症促進

5. 筋萎縮性側索硬化症とDorfin【丹羽淳一,祖父江 元】

  • Dorfinの構造
  • Dorfinの機能
  • ALSの病態機序へのDorfinのかかわり

6. カルパインの機能制御と筋ジストロフィー【小野弥子,反町洋之】

  • カルパインファミリー
  • カルパインの立体構造と活性化機構
  • 骨格筋特異的発現とp94の機能
  • 筋ジストロフィー/カルパイン研究におけるマウスモデルの役割

7. 腎障害とLC3ユビキチン様修飾【谷田以誠】

  • 腎糸球体上皮細胞におけるユビキチン様修飾を受けたLC3-局在小胞
  • 糸球体上皮細胞障害とLC3ユビキチン様修飾

8. カテプシンEによる血管新生・腫瘍増殖・転移の阻害【山本健二,岩田淳一】

  • エンドスタチンと産生プロテアーゼ
  • カテプシンEとエンドスタチン産生
  • カテプシンE過剰発現 による癌細胞の性状変化
  • カテプシンE投与およびその遺伝子の導入による腫瘍の増殖・転移の抑制
  • カテプシンE欠損による腫瘍転移の亢進

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