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平衡選択

へいこうせんたく

選択の一種であるが,有利な突然変異のみが優勢になっていく方向性選択(directional selection)とは異なり,異なるヌクレオチド配列をもつアレルが,集団の中に一定の割合で維持される現象をいう.平衡選択が起こる1つのメカニズムとして,ヘテロ接合体優位(heterozygote advantage)という現象がある.後に述べる異常ヘモグロビンによる鎌型赤血球症がその一例である.ヘテロ接合体はマラリア感染に対して抵抗性があり選択されたが,異常なアレルが余り増えるとホモ接合体が増加して短命となるので,異常なアレルが集団の中で一定の頻度で維持される.(実験医学2012年4月号より)

慢性アレルギー炎症—免疫系の役者たちの新たな姿

T細胞・好塩基球,サイトカインが織りなす慢性化のメカニズムとワクチン開発

久保允人/企画

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

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