シガ毒素
しがどくそ
志賀赤痢菌が菌体外へ産生するタンパク質毒素として知られていたが,その後病原性大腸菌の1グループである腸管出血性大腸菌のヴェロ毒素1(verotoxin 1)と同一のものであることが明らかにされた.ヴェロ毒素2も構造的に類似している.代表的な細菌性致死毒の1つである.毒素としての活性をもつAサブユニット(activeサブユニット)1個と,細胞との結合活性をもつBサブユニット(bindingサブユニット)5個から構成される,A1B5型の毒素である.Bサブユニットが細胞表面のガングリオシドGb3と結合することでシガ毒素はエンドサイトーシスされると,Aサブユニットがエンドソームから細胞質へと入り込み,リボソームに作用してその機能を阻害することでタンパク質合成阻害が起こり,最終的に細胞死に至る.(実験医学増刊3115より)
ゲノム医学・生命科学研究 総集編
ポストゲノムの10年は何をもたらしたか
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