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スポロゾイト

すぽろぞいと

マラリア原虫のライフサイクルにおいて原虫に感染したハマダラカが吸血する際に唾液腺感染型虫体である「スポロゾイト」が宿主の体内に注入される.スポロゾイトは数分で肝臓に達し,肝細胞に侵入する(肝臓型).数週間で数万の「メロゾイト」に分裂し,血液中に放出される.メロゾイトは,ただちに赤血球に侵入し,輪状体,栄養体,分裂体などを経て「メロゾイト」を形成する(赤血球型).新しいメロゾイトは,感染した赤血球を破壊し,次の赤血球に感染し,増殖する.このサイクルがくり返され,発熱や貧血が起こる.メロゾイトの一部は雄雌の生殖母体(ガメトサイト)に分化し,これが吸血により蚊の体内に入ると,蚊の中腸内で雌雄の生殖体に成熟した後,接合する.接合体は運動性のオーキネトとなり,中腸基底膜でオーシストに分化する.オーシスト内でつくられた数千の「スポロゾイト」は唾液腺に移行し,感染型の「成熟スポロゾイト」になる.(実験医学2008年8月号より)

ミトコンドリアの遺伝機構とエネルギー代謝制御

低酸素適応から疾患発症まで

林 純一,中田和人/企画

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです