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ヒト化抗体

ひとかこうたい

ヒト化抗体は,遺伝子工学を用いてマウスで作成した抗体の抗原結合部位をヒト由来の抗体分子に移植して作製された抗体分子.ある抗原に対する抗体が,抗原を発現している細胞の増殖を抑制することができれば抗体治療薬の候補となりうる.抗体は動物種による特異性があり,例えばマウス由来の抗体をヒトに投与すればその抗体はヒトにとっては異物で(=免疫源性が)あり,アレルギー反応を引き起こしたり,ヒト抗マウス抗体が産生されたりしてしまう.trastuzumabは遺伝子組換えでHER2に対するマウス由来モノクローナル抗体(4D5)の抗原結合部位をヒト免疫グロブリン(IgG)の定常部に移植したヒト化抗体である.マウス由来の抗原結合部位は全体の約5%程度で,人体にとってはヒト免疫グロブリンとして認識される.(実験医学増刊292より)

秒進分歩する癌研究と分子標的治療

発癌から浸潤・転移に至るメカニズム解明とトランスレーショナルリサーチの最前線

原 英二,平尾 敦,矢野聖二,佐谷秀行/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

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