統合失調症患者にみられる冬季出生パターンや産科学的合併症などの,発達早期での事象の関連を示唆する疫学研究の蓄積に加え,CT,MRIなど脳画像研究により観察される発病初期にすでに存在する脳形態学的異常所見,さらに,死後脳の神経病理学的研究などから,神経が形成される早期段階での異常がこの病態形成に関与していることが示唆され,1980年代後半にとりまとめられた.今日では広く受け入れられた理論となっている.