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CIDとETDによるタンデム質量分析

CIDとETDによるたんでむしつりょうぶんせき

ペプチドを対象とした質量分析では,そのアミノ酸配列をより高い精度で同定するため,タンデム質量分析(MS/MS)が行われる.すなわち,一段目のMSで質量を得たプリカーサーイオンをアミノ酸レベルで部分的に分解し,生じたプロダクトイオンの質量もモニターする.この分解過程には,従来,イオンと不活性ガスとの衝突を利用したCIDという方法が用いられてきた.最近になって,よりマイルドな条件で化学的に分解させるETDという方法も開発されている.これらのプロダクトイオンの分解パターンをモニターすることで,アミノ酸の配列情報まで得られることになる.一方,アミノ酸の理論質量とプロダクトイオンの差分から,どのアミノ酸上に修飾基が導入されているかも特定できる.(実験医学増刊305より)

シグナル伝達研究最前線2012

翻訳後修飾,解析技術,疾患との連関から創薬応用まで

井上純一郎,武川睦寛,徳永文稔,今井浩三/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

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